S.O.U.L. - What Is It (1971)
S.O.U.L.『What Is It』
S.O.U.L.(Sounds Of Unity and Love)が1971年にMusicor Recordsから発表したファースト・アルバム『What Is It』(カタログ番号:MS 3195)。オハイオ州クリーブランドで結成された彼らが、地元のラジオ局や百貨店、Musicor Records共催のバンド・コンテストで見事優勝しレコード契約を獲得して吹き込んだ、70年代初頭のディープ・ファンク/ジャズ・ファンクの至高のマスターピースである。
結成の背景とバンドの成り立ち
バンドのメンバーは、リー・ラヴェット(Lee Lovett / ベース、ヴォーカル)、ガス・ホーキンス(Gus Hawkins / サックス、フルート)、ポール・スタブルフィールド(Paul Stubblefield / ドラムス)、ラリー・ハンコック(Larry Hancock / オルガン、ヴォーカル)、ウォルター・ウィンストン/バーナード・テイラー(ギター)。
地元で腕を磨いていた実力派ミュージシャンたちが集い、バンド名に「Sounds Of Unity and Love(団結と愛の響き)」の理念を掲げて始動。デビュー・シングル「Down In The Ghetto」のヒットを受けて本格的なアルバム制作へ突入し、ストリートの熱気とジャズ仕込みの高度な演奏力を凝縮させた圧巻のセッションを完成させた。
サウンドと聴きどころ
本作の最大の魅力は、ガス・ホーキンスによる熱狂的で妖艶なフルート/サックス、うねるハモンド・オルガン、そしてポール・スタブルフィールドによるヘヴィでタイトなドラム・ブレイクが織りなす強烈なアンサンブルにある。
アルバムの白眉である「Burning Spear」は、リチャード・エヴァンス(The Soulful Strings)の原曲を凶暴なまでにファンキーなフルート・ジャズ・ファンクへと再構築した不滅のダンス・クラシック。太いドラム・ブレイクから幕を開けB-Boyたちを熱狂させるテンプテーションズのカヴァー「Get Ready」、チャールズ・ライトの「Express Yourself」、ハービー・マンの「Memphis Underground」やテンプスの「Message From A Black Man」など、同時代の名曲をことごとく漆黒のディープ・ファンクへと変貌させている。さらに、ストリートのサイレンや雑踏のSEを交えた8分近くに及ぶ「Down In The Ghetto」や「Soul」など、全編にわたって生々しいストリートの息吹が息づいている。
時代の文脈と後世への影響
1971年は、ジェームス・ブラウンやスライ&ザ・ファミリー・ストーンが切り拓いたファンクの地平に、ブラック・パワー・ムーヴメントの意識とジャズの即興性が合流した黄金期であった。S.O.U.L.が放った強靭なグルーヴは、オハイオ・ファンク黎明期を代表する名演となった。
1980年代末以降のレア・グルーヴ・ムーヴメントや90年代ヒップホップのサンプリング・カルチャーにおいて、本作は「究極のマスターピース」として神格化された。特に「Burning Spear」はピート・ロック(Pete Rock)をはじめ、ジャングル・ブラザーズ(Jungle Brothers)、オーガナイズド・コンフュージョン(Organized Konfusion)らにサンプリングされ、ヒップホップ黄金期の定番ブレイクとして君臨した。オリジナル盤LPは世界中のヴァイナル・ディガーが追い求めるメガレア盤として知られ、現在もディープ・ファンク/レア・グルーヴの頂点として愛され続けている。
トラックリスト
- A1 Down In The Ghetto 7:54
- A2 Get Ready 5:20
- A3 Burning Spear 3:55
- A4 Express Yourself 4:59
- B1 Soul 8:55
- B2 Message From A Black Man 6:55
- B3 Memphis Underground 4:55
動画プレイリスト
このアーティストについて
S.O.U.L.(エス・オー・ユー・エル、Sounds Of Unity and Love)は、1970年にアメリカ・オハイオ州クリーブランドで結成されたファンク/ソウル/ジャ...
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