Terry Hall - Home (1994)
Terry Hall『Home』
テリー・ホールが1994年に発表した初のソロ名義アルバム『Home』。ザ・スペシャルズ、ファン・ボーイ・スリー、ザ・カラーフィールドを経た彼が、1990年代の入口でまとめた作品で、2020年にHeavenlyから世界初のアナログLPとして再登場した。オリジナルはCDとカセットのみでの発売だったため、このRSD 2020盤は長く待たれていたヴァイナル化でもある。
制作背景・エピソード
録音は1994年春、リヴァプールで行われた。プロデュースは、長年の盟友であるThe Lightning Seedsのイアン・ブロウディが全面的に担当している。参加ミュージシャンには、元ザ・スミスのクレイグ・ギャノン(ギター)や、The La’s、World Partyで知られるクリス・シャーロック(ドラムス)の名が挙がる。リリースノートには「I dedicate this album to my dad.」という一文も残されていて、アルバムは父に捧げられている。
収録曲の中では、「Forever J」が先行シングルとして知られ、「Sense」はThe Lightning Seedsの代表曲としても知られる共作曲のセルフカバーにあたる。A1とA3はThe Church Studioでリミックスされている。2020年盤ではダウンロードコード付きで、フロントのシュリンクには「Heavenly 30 Recordings」と「Terry Hall Home First time on vinyl FHVNLP8 Heavenly recordings」の2種類のハイプステッカーが貼られていた。
時代の文脈
1994年当時の英国では、オアシスやブラーを中心にブリットポップが大きく広がっていた。そのなかでテリー・ホールは、派手な流れに寄ることなく、内面や家族への思いに向き合う形で『Home』をまとめている。作品は全英95位を記録したが、発売時はCDとカセットのみで、表立った大きなプロモーションは行われなかった。
テリー・ホール自身は、The Specialsで注目を集めたのち、Fun Boy Three、The Colourfield、Terry, Blair & Anouchka、Vegas、そしてソロ活動へと歩みを進めてきた。『Home』は、その流れの中で1990年代に入ってからのソロ作として位置づけられる1枚になる。
後世への影響
発売当初は大きなヒット作ではなかったものの、90年代英国のメロディックなインディー・ポップやネオアコを好むリスナーのあいだで、長く「隠れた傑作」として語られてきた。2020年のHeavenly盤は、同レーベル30周年企画とRSD 2020にあわせた初LP化で、即完売したとされる。2022年12月にテリー・ホールが亡くなったあとも、このアルバムは彼のソロ作品の中核として改めて注目を集めている。
憂いを帯びた歌声と、イアン・ブロウディによる職人的なポップ・センスが結びついた作品として、特に「Forever J」、そして「Sense」の存在がアルバムの輪郭を強くしている。オリジナル盤と2020年盤のあいだでは、後者が初のアナログ化という点で大きく異なる。
トラックリスト
- A1 Forever J 4:03
- A2 You 3:50
- A3 Sense 3:39
- A4 I Drew A Lemon 3:36
- A5 Moon On Your Dress 3:45
- B1 No No No 4:04
- B2 What's Wrong With Me 4:08
- B3 Grief Disguised As Joy 4:10
- B4 First Attack Of Love 3:41
- B5 I Don't Got You 3:41
動画プレイリスト
このアーティストについて
Terry Hall(テリー・ホール/1959年3月19日 - 2022年12月18日)は、イングランド・コヴェントリー出身のシンガー、ソングライター。1970年代末の英国...
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