The Damned - The Black Album (1980)
The Damned『The Black Album』
The Damnedの4作目のスタジオ・アルバム。1978年の再結成後としては2作目にあたり、1980年にUKのChiswick Recordsから2枚組で登場した。スタジオ録音はデイヴ・ヴァニアン、キャプテン・センシブル、ポール・グレイ、ラット・スキャビーズの編成で行われ、バンドにとって初めてロンドン外で制作したアルバムでもある。タイトルは『ホワイト・アルバム』への目配せで、アートワークのコンセプトはヴァニアンが考えたもの。
制作背景・エピソード
録音は1980年5月から6月にかけて、ウェールズ・モンマスのRockfield Studiosで進められた。プロデュースは1曲を除いてバンド自身が担当し、クレジットは「Kings of Reverb」名義。エンジニアはHugh Jones。例外となる「The History of the World (Part 1)」では、後に映画音楽の作曲家となるHans Zimmerが共同プロデュースを務め、シンセサイザーも演奏している。バンドがシンセサイザーを使ったのはこれが初めてで、クレジットには「Over-Produced by Hans Zimmer」と記された。ラット・スキャビーズによれば、Zimmerは主にシンセを弾くために呼ばれたという。
また、C面を使った17分の組曲「Curtain Call」は、ラット・スキャビーズが「デイヴの子どものような曲」と語っている。ヴァニアンとセンシブルから出てきた素材で、彼はこれを「ひとつの大きな実験」と振り返り、「自分たちを殺すか治すかのどちらかだと確信していた」が、聴衆は何か違うものを受け入れる準備ができていると信じていた、と語っている。D面は1980年7月26日、シェパートン・スタジオでファンクラブ会員の前で行われたライブを収録したもの。オーバーダブなしで記録され、デビュー・シングル「New Rose」や、前作の表題曲「Machine Gun Etiquette」の別名である「Second Time Around」などが演奏されている。なお、「13th Floor Vendetta」は1971年の映画『怪人ドクター・ファイブス』へのオマージュ。
パッケージ面では、半光沢のピクチャースリーブにワイド・スパイン、黒白ラベル、ポリライナー付き内袋という仕様。裏ジャケットには「Available on cassette」の表記もある。盤面のマトリクスには手書きの「FREE BOOTLEG」も見られる。
時代の文脈
スキャビーズは、3コードのパンクは得意だったが飽きてしまい、自分たちが楽しめることをやろうと決めたと話している。ギターの音作りや、レコードでできることの発想には『Pebbles』や『Nuggets』といったアメリカのサイケデリック・コンピレーションが影響したという。レーベルのChiswickも、実験的な試みやパンク市場の外側に出ることを気にしなかったとされる。
キャプテン・センシブルは、ヴァニアンのヴォーカルが暗い方向へ向かい、計画したわけではないのにサウンドがゴスになったと語っている。Ace Recordsの解説では、4年のあいだに「短く鋭いショックから叙事詩へ」と変わり、もはやダムドを単なるパンク・バンドとは考えられないとしている。当時の批評でも、NMEはTerry Rileyの影響を指摘し、SoundsはSyd BarrettやBeach Boysの名前を挙げた。さらに「The History of the World (Part 1)」について、Smash HitsのDavid Hepworthは「ダムドは主流に歩み寄ろうとしている」と書いた。
後世への影響
後年、Far Out Magazineは「The History of the World (Part 1)」をきっかけに、バンドがゴスの文化を取り入れた4作のアルバム期が始まり、多くの人がそれを彼らの最良の時期と考えていると述べている。収録曲では「Wait For The Blackout」がGoo Goo Dollsにより映画『Tommy Boy』のサウンドトラックでカバーされ、のちに『Greatest Hits Volume 2』にも収録されたほか、Alkaline Trioもカバーしている。
再発では、1981年にChiswickのカタログを引き継いだBig Beatが、1982年8月に「Curtain Call」とライブ面を省いた1枚組を、『ホワイト・アルバム』をパロディにした黒いジャケットで再発した。2005年には2枚組CD版が出て、ライブ面が戻され、Grace Slickの「White Rabbit」のカバーやB面曲も加えられている。
補足
発売時の全英アルバム・チャートは29位。「The History of the World (Part 1)」は先行シングルとして全英51位を記録した。AllMusicのNed Raggettは「Wait For The Blackout」を「劇的なサイケ/パンクの高まり」、「Drinking About My Baby」を「おどけているが楽しい」と評し、ヴァニアンの歌唱を高く買っている。Stylus MagazineのStewart Voegtlinは「まさに4つの面の物語」と呼び、LouderのIan Fortnamは本作を「ダムドのサイケデリック・ゴス・パンクの大作」と表現した。
トラックリスト
- A1 Wait For The Blackout
- A2 Lively Arts
- A3 Silly Kids Games
- A4 Drinking About My Baby
- A5 Twisted Nerve
- A6 Hit Or Miss
- B1 Dr Jekyll And Mr Hyde
- B2 Sick Of This And That
- B3 History Of The World Part 1
- B4 13th Floor Vendetta
- B5 Therapy
- C Curtain Call
- D1 Love Song
- D2 Second Time Around
- D3 Smash It Up (Parts 1 And 2)
- D4 New Rose
- D5 I Just Can't Be Happy Today
- D6 Plan 9 Channel 7
動画プレイリスト
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Wait for the Blackout
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Lively Arts
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Silly Kid's Games
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Drinking About My Baby
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Twisted Nerve
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Hit or Miss
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Dr Jekyll and Mr Hyde
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Sick of This and That
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The History of the World, Pt. 1
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13th Floor Vendetta
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Therapy
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Curtain Call
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Love Song (Live)
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Second Time Around (Live)
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Smash It up Parts, Pt. 1 & Pt. 2 (Live)
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New Rose (Live)
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I Just Can't Be Happy Today (Live)
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Plan 9 Channel 7 (Live)
このアーティストについて
The Damnedは、1976年にロンドンで結成されたイングランドのパンク・バンド。デイヴ・ヴァニアン(ヴォーカル)、ブライアン・ジェームス(ギター)、...
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