The Doors - Morrison Hotel (1970)
The Doors『Morrison Hotel』1978年日本盤メモ
The Doorsの『Morrison Hotel』は、1970年2月9日に発表された5作目のスタジオ・アルバム。今回の日本盤は1978年リリースで、発売元はワーナー・パイオニア株式会社、レーベルはElektraのバタフライ・ラベル仕様。オリジナル盤とは時期が異なる再発盤で、1978年の日本再発シリーズに連なる1枚として流通した盤になる。
制作背景・エピソード
制作は主に1969年秋、ロサンゼルスのElektra Sound Recordersで進められた。プロデューサーはPaul A. Rothchild、エンジニアはBruce Botnick。前作『The Soft Parade』の反応を受けて、よりシンプルなブルース/ロックへ戻す方向で作られたとされる。録音時の逸話としては、Jim Morrisonがかなり荒れており、あるセッションでは36本のビールを飲んだという証言が残る。
曲単位では、「Roadhouse Blues」にThe Lovin’ SpoonfulのJohn Sebastianがハーモニカで参加している。契約上の都合から別名義でクレジットされたことも知られている。ベースはロニー・マックが演奏し、曲の骨格を決めた重要な役割を担ったとされる。参加ミュージシャンの面では、この曲周辺のクレジットが特に目立つ一方で、アルバム全体の制作を支えたのは従来どおりRothchildとBotnickの組み合わせだった。
時代の文脈
1969年のWoodstockの熱狂と、同年12月のAltamont事件の暗い空気をまたぐ時期に出た作品で、The Doorsのキャリアの中では、Miami事件後の活動縮小と再出発の意味を持つ1枚として扱われている。同時期の作品群の中でも、サイケデリック期の流れから、より生々しいブルースロックへ移る局面に置かれている。アルバムは二部構成で、A面が「Hard Rock Cafe」、B面が「Morrison Hotel」。都市の安宿や酒場を思わせる題名の並びも特徴的だ。
発売後の評価では、同時代の批評で「復活作」と見なされ、バンドの中でも初期の鋭さを保ちながら土臭い演奏に振り切った節目の作品として受け止められた。セールス面では、米Billboard 200で最高4位、RIAAゴールド認定を受けている。シングル「You Make Me Real / Roadhouse Blues」は米国で最高50位、英国ではアルバムチャート12位まで上がった。
後世への影響
後年の再評価は強く、特に「Roadhouse Blues」はThe Doorsの代表曲として定着している。2020年の50周年拡張盤の案内でも、『Morrison Hotel』はバンドがロックンロールへ再生したアルバムとして位置づけられている。AllMusicのThom Jurekは、The DoorsがブルースとR&Bをこの作品で最も一貫して、巧みかつ挑発的に使ったと評している。Louderは「Roadhouse Blues」を楽しくも不穏な曲として挙げ、Sound & VisionはA面の「Hard Rock Cafe」とB面の「Morrison Hotel」の対比に注目している。
この1978年日本盤は、オリジナルの1970年盤から少し時間を置いた再発で、Elektraのバタフライ・ラベル期に出たもの。作品そのものは1970年の空気を強く引きずりつつ、盤としては70年代後半の日本市場に向けて再提示された形になる。
トラックリスト
- A1 Roadhouse Blues 4:04
- A2 Waiting For The Sun 3:58
- A3 You Make Me Real 2:50
- A4 Peace Frog 2:52
- A5 Blue Sunday 2:08
- A6 Ship Of Fools 3:06
- B1 Land Ho! 4:08
- B2 The Spy 4:15
- B3 Queen Of The Highway 2:47
- B4 Indian Summer 2:33
- B5 Maggie M'Gill 4:24
動画プレイリスト
このアーティストについて
ドアーズ(The Doors)は、1965年にアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで結成された伝説的ロック・バンドである。ジム・モリソン(ヴォーカル)...
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