The Equatics - Doin It!!!! (1972)
The Equatics『Doin It!!!!』
ヴァージニア州ハンプトンの高校生たちが組んだソウル/ファンク・バンド、The Equaticsによる1972年作。中心にいたのはベースのBenjamin Crawfordで、最初はギターを独学したが、指が太すぎるという理由でベースに転向した人物である。Crawfordは地元の若者を集めてバンドを作り、ハンプトン高校のタレント・ショーに出演したところから話が動き出す。のちにフットボール部のライン・コーチだったFrank Johnsonがマネージャーとなった。Crawfordは「大人を相手にするには自分は若すぎた」と振り返っている。Johnsonのもとでバンドはハンプトンのナイトクラブで週3〜4回のライヴをこなすようになった。
制作の経緯
アルバム誕生のきっかけは、ペプシの「New Sounds of 1972」コンテストだった。The Equaticsは30秒のジングル「There's A Whole New Way Of Living」とバンド写真を送り、3000を超える応募の中で上位10組に残った。その後、瓶のキャップ投票による地域キャンペーンを勝ち抜き、ペプシの費用で録音する権利を得ている。曲をまとめたのは土曜日、録音は翌日の日曜日にリッチモンドで行われた。新曲のリハーサル時間は3時間ほどだったという。
メンバー面では、ドラムが高校のマーチング・バンド出身のAlvin Paigeに交代し、元のドラマーWayne Jonesはオルガンへ回った。ギターもJohn Wynnsから、ソープ高校の生徒Carlton Savageに替わっている。曲作りは共同作業で、「Merry-Go-Round」はLeo Davisがナプキンに書いた詞をもとに、Savage、Crawford、Paigeが曲を付けた。「Cisco Fare」のギター・パートはSavageが書いたもの。「Ain't No Sunshine」と「Where Is Love?」はJohnsonの希望で収録され、「Where Is Love?」はJohnson自身の曲。アルバムではJohnsonがバンドリーダー、プロデューサー、ディレクターとしてクレジットされている一方、Crawfordはその位置づけに異を唱えている。ジャケットのデザインはCrawfordが手がけた。
時代の文脈
録音時の平均年齢は17歳ほど。数百枚規模でプレスされ、地元で配られたとみられる。Crawfordはレコード契約の誘いを断って学業を続け、1972年に高校を卒業すると空軍に入った。バンドはその後まもなく解散し、PaigeとSavageは音楽を続けた。オリジナル盤は、ごく一部の所有者のあいだでファンク作品として知られてきた。
Now-Againは本作を「陰鬱な傑作」と呼び、ファンクとしても聴ける一方で、バンドが本領を発揮するのはソウルだと記している。とくに「世の中に疲れたような、ビートの重いバラード」は70年代初めの優れたインディ・ソウルの作品に並ぶと評価し、Bill WithersのメランコリーやIsaac Hayesのサイケデリックなポップ感覚を引き合いに出した。Leo Davisの苦悩に満ちた「Merry-Go-Round」も挙げられている。イギリスの学生紙The Boarは、歪んだギターとホーンを土台にした、ゆったりと流れる「かすんだ」アルバムと評している。
その後の動き
再び関心が高まったのち、2006年にCrawfordは元メンバーをハンプトンのホテルに集め、再会を果たした。Johnsonはすでに亡くなっており、Leo Davisは見つからなかった。その後、Now-AgainがCrawfordの許諾を得て本作を再発し、2026年3月にはブルー・ヴァイナルでの再プレスも行われている。
トラックリスト
- A1 What They Doin'? 3:33
- A2 Walk On By 3:58
- A3 Merry-Go-Round 2:46
- A4 Santana Part I 3:04
- A5 The Touch Of You 3:35
- B1 Santana Part II 3:01
- B2 Ain't No Sunshine 3:34
- B3 Cisco Fare 4:55
- B4 Where Is Love? 4:35
動画プレイリスト
このアーティストについて
The Equatics(ジ・エクアティクス)は、1970年代初頭にアメリカ・バージニア州ハンプトンのハンプトン高校(Hampton High School)に通う黒人生徒た...
The Equatics のプロフィール・作品一覧