Gloria Scott - What Am I Gonna Do (1974)
Gloria Scott 1974

Gloria Scott - What Am I Gonna Do (1974)

Funk / Soul Soul

Gloria Scott『What Am I Gonna Do』

Gloria Scott(グロリア・スコット)が1974年に発表した唯一のフル・アルバム『What Am I Gonna Do』は、Barry White(バリー・ホワイト)が全面プロデュースを手掛けた、1970年代レディ・ソウル/モダン・ソウルの至高のマスターピースである。テキサス州ポートアーサー出身で、若き日にSly Stoneに見出され、Ike & Tina Turnerのバッキング・コーラス「The Ikettes」でも腕を磨いた実力派シンガー。本作はNeil Bogartが設立したCasablanca Recordsの初期カタログ(品番NB 9002)としてリリースされ、豪奢なオーケストレーションと瑞々しく力強いヴォーカルが見事に融合した奇跡的な1枚として知られる。

制作背景・エピソード

スコットの豊かな表現力と芯のある歌声に魅せられたバリー・ホワイトは、自らのプロダクション/レーベルであるSoul Unlimitedへと彼女を迎え入れ、7年間の専属契約を結んだ。当時のホワイトはLove Unlimited Orchestraや自身のソロ作でチャートを席巻する最絶頂期にあり、本作にも並々ならぬ熱量を注ぎ込んだ。アレンジにはホワイトのサウンドを支えた盟友Gene Page(ジーン・ペイジ)が参画。流麗でドラマティックなストリングスと洗練されたホーン・アレンジ、そしてタイトで躍動的なリズム隊が整えられ、極上のソウル・サウンドが構築された。スコットの情感豊かなリード・ヴォーカルがホワイトの重厚な美学と共鳴し、極めて完成度の高い作品群が結実した。

時代の文脈

1974年は、フィラデルフィア・ソウル(フィリー・サウンド)やバリー・ホワイトが牽引するシンフォニックなソウルが猛威を振るい、後のディスコ・ブームへと連なる洗練されたブラック・ミュージックが大きな潮流を形成していた時期であった。当時のカサブランカ・レコードはWarner Bros.の配給網のもとで立ち上がったばかりの新興レーベルであり、ロック・アクトのKISS(NB 9003)と並び、ソウル部門の看板作として本作を世に送り出した。しかし、配給体制の変動やプロモーションの制約、さらにホワイト自身のレーベル移籍などの諸問題が重なり、本作は傑出した完成度を誇りながらも当時は正当な商業的評価を得る機会に恵まれなかった。

サウンド・聴きどころ

幕開けを飾るタイトル曲「What Am I Gonna Do」は、洗練されたギター・カッティングと華麗なストリングス、力強いグルーヴに乗せてスコットの伸びやかな歌唱が弾けるモダン・ソウルの不朽のアンセムである。続く「It's Better To Have No Love」や「I Think Of You」では、バリー・ホワイトならではの甘美でドラマティックなスウィート・ソウルの世界が展開され、スコットの切なくも情感豊かな節回しが胸に迫る。さらに、爽快なステップを刻むミディアム・ダンサー「That's What You Say (Everytime You're Near Me)」、後にDJやクラブ・シーンで熱狂的に愛されたファンキーな「(A Case Of) Too Much Lovemakin'」、哀愁漂うメロディが際立つバラード「Help Me Get Off This Merry-Go-Round」に至るまで、ジーン・ペイジの卓越したスコアとスコットのゴスペル仕込みの歌唱が全編にわたって濃密なマジックを生み出している。

後世への影響

リリースから年月を経た1980年代後半以降、ロンドンを中心とするレア・グルーヴ・ムーヴメントやノーザン・ソウル/モダン・ソウル・シーンにおいて本作は劇的な再発見を遂げた。ホワイトが手掛けた女性ソウル作品の中でも群を抜くクオリティと希少性から、オリジナル盤は世界中のソウル・コレクターが探し求める究極のウォント盤として神格化された。さらにヒップホップ世代によるサンプリングやDJカルチャーを通じても再評価が定着し、2022年にはAcid Jazz Recordsから実に48年ぶりとなるセカンド・アルバム『So Wonderful』をリリースして奇跡のカムバックを果たすなど、時を超えて愛され続けるタイムレスなクラシックとして君臨している。

評価・チャート

発売当時のチャート実績は限定的なものにとどまり、ヒット・チャートを賑わすことはなかったが、その音楽的価値は時代とともに評価を高め、現在では1970年代を代表する女性モダン・ソウルの金字塔として揺るぎない名声を確立している。バリー・ホワイトの華麗な音世界とグロリア・スコットの温かくも力強い歌声が最高の形で交差した本作は、ソウル・ミュージックの歴史において今なお特別な輝きを放ち続けている。

トラックリスト

  1. A1 What Am I Gonna Do 3:41
  2. A2 It's Better To Have No Love 3:16
  3. A3 I Think Of You 4:40
  4. A4 Love Me, Love Me, Love Me Or Leave Me, Leave Me, Leave Me 4:19
  5. B1 I Just Couldn't Take A Goodbye 4:31
  6. B2 That's What You Say (Everytime You're Near Me) 3:18
  7. B3 (A Case Of) Too Much Lovemakin' 3:51
  8. B4 Help Me Get Off This Merry-Go-Round 3:45

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Gloria Scott

Gloria Scott

Gloria Scott(グロリア・スコット、1946年2月26日 - )は、アメリカ・テキサス州ポートアーサー生まれ、サンフランシスコ・ベイエリア育ちのソウル・...

Gloria Scott のプロフィール・作品一覧
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