Tower Of Power - Back To Oakland (1974)
Tower Of Power 1974

Tower Of Power - Back To Oakland (1974)

Jazz Funk / Soul Funk Soul Jazz-Funk

Tower Of Power『Back To Oakland』

1974年にワーナー・ブラザース・レコードから出た『Back To Oakland』は、オークランド出身のファンク/ソウル・バンド、Tower Of Powerの通算4作目のスタジオ・アルバム。前年の『Tower of Power』で勢いをつかんだ直後に、あらためて地元名をタイトルに置いた作品で、バンド黄金期の編成で録音されている。

制作背景と録音

レコーディングはワシントン州シアトルのKaye/Smith Studiosと、カリフォルニア州サウサリートのRecord Plantで行われた。プロデュースはバンド自身で、制作指揮はエミリオ・カスティーヨが担っている。エンジニアにはジム・ゲインズ、トム・フライ、アラン・チノウスキーが参加した。アルバムの冒頭と最後を飾る「Oakland Stroke」は、スティーヴン・“ドック”・クプカの語りから始まり、デヴィッド・ガリバルディのドラムとフランシス・“ロッコ”・プレスティアのベースが前面に出る構成になっている。

先行シングルの「Don't Change Horses (In The Middle Of A Stream)」は、リード・シンガーのレニー・ウィリアムズとジョニー・“ギター”・ワトソンの共作曲。「Squib Cakes」はチェスター・トンプソンの作曲で、7分を超えるインストゥルメンタルとして収録された。ここではトンプソンのハモンド・オルガンに加え、当時19歳だったレニー・ピケットによる超高音域(フラジオ/アルティッシモ)を駆使したテナー・サックス・ソロ、ブルース・コンテのギター・ソロがフィーチャーされている。

時代の文脈

1970年代初頭のサンフランシスコ・ベイエリアには、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、グラハム・セントラル・ステーション、コールド・ブラッドなどが並び、ファンク/ソウルの重要な拠点となっていた。その中でTower Of Powerは、ジェームズ・ブラウン直系のタイトなリズム感、スタックスやモータウンを思わせるソウル・バラード、ジャズ由来のテンション・コードやポリリズムを組み合わせた「イースト・ベイ・ファンク」を提示していた。

本作は、そのサウンドをバンドの原点であるオークランドの名とともに前面へ出したアルバムでもある。前作で商業的な広がりを得たあとに作られたこともあり、当時のTower Of Powerの演奏力とアンサンブルの密度を記録した一枚として扱われている。AllMusicのロン・ウィンは、本作を前作よりもタフで、よりファンキーで、プロデュースの精度も高い作品として高く評価している。また「Just When We Start Makin' It」や「Time Will Tell」といったスロー・バラードでは、レニー・ウィリアムズの情感あふれるファルセットと表現力の豊かさが際立っている。

後世への影響

後年のヒップホップやブレイクビーツの文脈では、「Oakland Stroke」のドラム・ブレイクがデ・ラ・ソウル「Stone Age」、キッド・ン・プレイ、トーン・ロックなどに引用された。また「Squib Cakes」はサイプレス・ヒルの「Checkmate」「Lightnin' Strikes」でサンプリングされている。特にデヴィッド・ガリバルディのゴーストノートを駆使した直線的なドラムと、ロッコ・プレスティアの16分音符スタッカートによる指弾きベースのコンビネーションは、雑誌『Modern Drummer』や『Bass Player』等でもたびたび分析され、リズム・セクションの不滅の教典として参照されている。

さらに、グレッグ・アダムスが手掛ける5人編成のホーン・セクションも、このアルバムで評価を固めた存在。のちにエルトン・ジョン、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース、エアロスミス、フィル・コリンズらの作品や公演で起用されるトップ級のホーン・セクションへとつながっていく。

チャート

米ビルボードのBillboard 200では最高26位、R&Bアルバム・チャートでは最高13位。「Don't Change Horses (In The Middle Of A Stream)」はHot 100で最高26位、Hot Soul Singlesで最高22位を記録している。

トラックリスト

  1. A1 Oakland Stroke... 0:53
  2. A2 Don't Change Horses (In The Middle Of A Stream) 4:28
  3. A3 Just When We Start Makin' It 6:30
  4. A4 Can't You See (You Doin' Me Wrong) 3:00
  5. A5 Squib Cakes 7:49
  6. B1 Time Will Tell 3:11
  7. B2 Man From The Past 4:00
  8. B3 Love's Been Gone So Long 4:47
  9. B4 I Got The Chop 2:59
  10. B5 Below Us, All The City Lights 4:20
  11. B6 ...Oakland Stroke 1:08

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Tower Of Power

Tower Of Power

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