Womack & Womack - Conscience (1988)
Womack & Womack『Conscience』
1988年に発表されたWomack & Womackの4作目のスタジオ・アルバム。セシル・ウォーマックとリンダ・ウォーマックの夫婦デュオが、エレクトラ/マンハッタンを経てアイランド・レコード(Island Records)へ移籍して制作した作品。クレジット上はアイランド創設者クリス・ブラックウェルと、夫妻による制作ユニット「The Gypsy Wave Banner Co.」の共同プロデュースとなっている。
制作背景・エピソード
レコーディングはバハマ・ナッソーのコンパス・ポイント・スタジオで行われた。演奏陣として「The Mountain Man Band」が参加し、バック・ボーカルには夫妻の実子や親族などウォーマック・ファミリーが多数関わっている。名門ソウル一家の結束によるアットホームなセッションが組まれたことが、この作品の制作面での大きな特徴になっている。
収録された楽曲のうち、先行リード・シングルの「Teardrops」が世界的なヒットを記録。全英シングル・チャートで最高3位を記録したほか、オランダ、ベルギー、オーストラリアなどでトップチャート入りを果たし、アルバム自体も全英アルバム・チャートで最高4位を記録する大ベストセラーとなった。
時代の文脈
1988年当時、R&B/ソウルではデジタル・シンセサイザーやドラムマシンを使ったサウンドが広く主流を占めていた。『Conscience』は、そうした時代潮流の中で制作されながらも、サム・クック直系のゴスペル・ルーツやディープ・ソウルの伝統的な歌心と鮮やかに融合されている。打ち込みを土台にしつつ、生演奏の温もりとソウルフルな息づかいを残したアプローチが、同時代のダンス/ソウル作品の中でも際立つ魅力となった。
ボビー・ウォーマックの実弟であるセシルと、サム・クックの実娘であるリンダという、ソウル界の至高の血脈を受け継ぐ二人が、80年代末のエレクトロニックな時代感覚の中で自らのルーツを再定義した記念碑的作品として位置づけられる。
後世への影響
「Teardrops」は、80年代を代表するタイムレスなモダン・ソウル/ダンス・クラシックとして定着した。エルトン・ジョンがk.d.ラングとのデュエットで取り上げたほか、シュガーベイブス、ジョス・ストーン、さらにはThe xxによるアコースティック・カバーなど、世代やジャンルを越えて歌い継がれている。1998年にはLovestationによるUKガラージ・カバーがクラブ・ヒットを記録した。
また「MPB (Missin' Persons Bureau)」は、クリス・ブラックウェルの依頼を受けたフランキー・ナックルズがリミックスを手掛け、「Paradise Ballroom Mix」などのヴァージョンが初期ハウス/クラブ・シーンでアンセム化。後年にはフローティング・ポインツ主宰のレーベル「Melodies International」から公式再発されるなど、ダンスフロアのクラシックとしても高い評価を受け続けている。
サウンドと聴きどころ
リンダの切なくも艶やかなハスキー・ヴォイスと、セシルの温かみのある歌唱やギターが織りなすツイン・ボーカルが最大の聴きどころ。「Teardrops」ではパーカッシブに弾むビートと哀愁を帯びたメロディのコントラストが圧倒的な求心力を生み出している。またオープニングを飾る「Conscious Of My Conscience」や「Slave (Just For Love)」など、コンパス・ポイントならではのレイドバックした空間設計とゴスペル仕込みのコール&レスポンスが溶け合った深みのあるサウンドスケープが堪能できる。
トラックリスト
- A1 Conscious Of My Conscience 6:10
- A2 MPB (Missin' Persons Bureau) 4:00
- A3 Friends (So Called) 5:50
- A4 Slave (Just For Love) 5:00
- B1 Teardrops 5:00
- B2 Good Man Monologue 5:00
- B3 Life's Just A Ballgame 4:22
- B4 I Am Love 2:40
- B5 Celebrate The World 4:00
動画プレイリスト
このアーティストについて
Womack & Womack(ウォマック&ウォマック)は、セシル・ウォマック(Cecil Womack、1947年 - 2013年)とリンダ・クック・ウォマック(Linda Cook...
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