A Certain Ratio - Sextet (1982)
A Certain Ratio『Sextet』
マンチェスターのA Certain Ratioが1982年に発表した3作目。FactoryのFact 55として出た本作は、前作までの流れを引き継ぎつつ、バンド自身のプロデュースでまとめられたアルバムだ。録音は1981年春、ストックポートのCheadle HulmeにあるRevolution Studiosで行われ、エンジニアはPhil Ault。ジャケットはテクスチャーのあるカバーで、透明なプラスチックの内袋とインサート付き。ラベル面ではB1曲が「Skipcada」と表記されている。
制作背景・エピソード
A Certain Ratioは1979年のFactory初期シングル「All Night Party」でデビューしたバンドで、1980年にはトニー・ウィルソンの誘いでニューヨークへ渡り、メンバーは翌日に仕事を辞めたという。最初のニューヨーク公演はクラブ「ハラー」で、前座はESGだった。ウィルソンは彼らを「新しいセックス・ピストルズ」と呼んでいた。ニューヨーク滞在で、キューバ、アフリカ、南米の音に触れたことが、「本当に刺激になった」とマーティン・モスクロップは語り、ニューヨークを「音楽の大きなるつぼ」と呼んでいる。同じころ、元オカルト・ケミストリーのマーサ・ティルソンがボーカルに加わり、6人編成になった。
ただし1作目『To Each...』では、マーティン・ハネットの手法によってジャズやファンクの要素の多くが削がれた。モスクロップは「彼は僕らをジョイ・ディヴィジョンに似せすぎていると思った」と振り返っている。そのあと、1981年末のシングル「Waterline」で初めて自分たちでプロデュースを行い、『Sextet』はハネットが関わらない初のアルバムになった。参加メンバーはドナルド・ジョンソン、ジェレミー・カー、マーサ・ティルソン、マーティン・モスクロップ、ピーター・テレル、サイモン・トッピングの6人編成。インサートには「Engineered at Revolution Studios, Cheadle Hulme, Manchester, England, Spring 81」「An FCL product」「Cheers Bigears」と記されている。
本作は1981年末の予定から延期され、1982年1月にリリースされた。シングルは「Knife Slits Water」。
時代の文脈
『Sextet』は、ニューヨーク滞在で吸収したラテン、ジャズ、キューバのパーカッションの影響を、ファンクやラテンの要素とともにまとめた作品として語られている。発売当時のライブではマーサ・ティルソンが新たな中心になっていたが、次作の録音が始まる1982年初めには脱退していた。その後、同年11月の『I’d Like to See You Again』のあとには、創設メンバーのサイモン・トッピングとピーター・テレルもバンドを離れ、トッピングはのちにマイク・ピカリングとT-Coyを結成した。
チャート面では、全英インディー・アルバム・チャートで初登場1位、11週チャートイン。全英アルバム・チャートにも入っている。
後世の評価
後年の批評では、The Quietusが「先見的な声明」で「バンドの最高傑作かもしれない」とし、Stylus Magazineは傑作と評している。PitchforkのDouglas Wolkは、この時代のほかのどのレコードにも似ていないと書いた。SoundsのDavid McCulloughは5つ星で「時代を超えた作品」とし、Uncutは張りつめた刺々しいエネルギーを評価。Smash HitsのDave Rimmerは「濃密で陰鬱な曲」と記し、AllMusicのKeith Farleyは妙によそよそしい作品と受け止めている。
A Certain Ratioはその後、ブラジルやキューバの電子音楽、さらにアシッド・ハウスへと関心を広げていった。
トラックリスト
- A1 Lucinda 3:53
- A2 Crystal 2:52
- A3 Gum 2:57
- A4 Knife Slits Water 7:31
- B1 Skipscada 2:08
- B2 Day One 6:09
- B3 Rub Down 3:41
- B4 Rialto 3:43
- B5 Below The Canal 3:58
動画プレイリスト
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A Certain Ratio - Lucinda (Official Audio)
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A Certain Ratio - Crystal (Official Audio)
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A Certain Ratio - Gum (Official Audio)
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A Certain Ratio - Knife Slits Water (Official Audio)
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A Certain Ratio - Skipscada (Official Audio)
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A Certain Ratio - Day One (Official Audio)
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A Certain Ratio - Rub Down (Official Audio)
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A Certain Ratio - Rialto (Official Audio)
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A Certain Ratio - Below The Canal (Official Audio)
このアーティストについて
A Certain Ratioは、1970年代後半にマンチェスターで結成されたイギリスのポストパンク/インディー・ファンク・バンドだ。名前はブライアン・イーノ...
A Certain Ratio のプロフィール・作品一覧