Band Of Horses - Everything All The Time (2006)
Band Of Horses『Everything All The Time』(2006)
アメリカ・シアトルを拠点とするインディー・ロック・バンド、バンド・オブ・ホーセズ(Band Of Horses)が2006年3月に名門サブ・ポップ(Sub Pop)から発表した記念すべきデビュー・スタジオ・アルバム。シアトルのカルト的スロウコア・バンド、カリッサズ・ウィアード(Carissa's Wierd)の解散を経て、シンガー/ソングライターのベン・ブリッドウェル(Ben Bridwell)とマット・ブルック(Mat Brooke)を中心に結成され、2000年代中盤のインディー・ロック・シーンに決定的な足跡を刻んだ傑作である。
結成の経緯と名匠フィル・エクの手腕
カリッサズ・ウィアードの終焉後、前身バンドのダークで内省的なアプローチから脱却し、より開放的で普遍的なメロディを追求すべく始動した。プロデュース、録音、ミックスには、ビルト・トゥ・スピル(Built to Spill)、ザ・シンズ(The Shins)、モデスト・マウス(Modest Mouse)、後のフリート・フォクシーズ(Fleet Foxes)らを手がけ、パシフィック・ノースウェストの豊穣なインディー・サウンドを決定づけた名匠フィル・エク(Phil Ek)を起用。録音はシアトルの名門スタジオ、アヴァスト(Avast! Recording Co.)で行われた。フィル・エク特有のクリアかつ温かみのある音像構築と深遠なリバーブ処理が、バンドのスケール感を大きく引き上げている。
サウンドの魅力と不滅のアンセム「The Funeral」
ニール・ヤング(Neil Young)やマイ・モーニング・ジャケット(My Morning Jacket)の系譜に連なるカントリー・ロックやアメリカーナの素朴な哀愁に、エモーショナルなインディー・ロックのダイナミズムを融合させたサウンドが最大の持ち味である。ベン・ブリッドウェルのエコーを纏ったハイトーン・ボーカルは、聴き手の胸に深く突き刺さる切迫感と叙情性を放つ。
なかでもアルバム中盤に配置された「The Funeral」は、繊細なギター・アルペジオから怒涛のディストーションと力強いドラミングへと登り詰めるドラマティックな展開が圧倒的な輝きを放ち、2000年代を象徴する不滅のインディー・アンセムとなった。映画やTVドラマ、スケートボード映像(ダニー・ウェイらが出演する『Skate』など)をはじめとする多様なカルチャーで繰り返しフィーチャーされ、バンドの名を世界的なものにした。さらに、ドライブ感あふれるリード・シングル「The Great Salt Lake」や、アグレッシブなビートが際立つ「Wicked Gil」、哀愁のバラード「St. Augustine」など、全編にわたって緻密で情感豊かな楽曲群が並ぶ。
時代の文脈と本作の仕様
2000年代初頭のポスト・パンク・リバイバルから、よりオーガニックでフォーク/ルーツ・ロック色を強めたインディー・フォーク潮流への過渡期において、シアトルの名門サブ・ポップの新たな黄金期を告げる象徴的な一枚となった。
本盤(Sub Pop - SP 690)は、2015年にアメリカ東海岸の老舗レコードチェーン「Newbury Comics」限定でリリースされた1,000枚プレスの限定リイシュー盤。爽やかな「コーク・ボトル・クリア(Coke Bottle Clear)」のカラーヴァイナル仕様で、シュリンク包装にはハイプ・ステッカーが貼付され、ジャケット裏面右下にはブラックマーカーによる手書きのシリアルナンバーが施された貴重なコレクターズ・エディションである。
トラックリスト
- A1 The First Song 3:43
- A2 Wicked Gil 2:57
- A3 Our Swords 2:26
- A4 The Funeral 5:22
- A5 Part One 2:36
- B1 The Great Salt Lake 4:45
- B2 Weed Party 3:09
- B3 I Go To The Barn Because I Like The 3:06
- B4 Monsters 5:21
- B5 St. Augustine 2:41
動画プレイリスト
このアーティストについて
Band Of Horses(バンド・オブ・ホーセズ)は、2004年に米ワシントン州シアトルで結成されたインディー・ロック・バンドである。インディー・ロックの...
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