Brick - Good High (1976)
Brick『Good High』
アトランタ出身のファンク/ソウル・グループ、Brickが1976年に発表した1作目のアルバム。バング・レコードから出た本作は、グループの拠点だったアトランタで録音され、ジャケットやクレジットでも地元への献辞が明記されている。制作はBrickhouse Productions名義で進められ、レコーディングはTrolley Tracks、WEB IV Recording Studio、The Sound Pitで行われた。
制作背景・エピソード
Brickは1972年にアトランタで結成された5人組で、モリス・ブラウン・カレッジ周辺を活動拠点としていた。ディスコ系のバンドとジャズ・ファンク系のバンドという異なる背景を持つミュージシャンが合流して母体ができたとされる。バンド名の「Brick」は、ギタリストのレジ・ハーギスが名前を考えていた際、メンバーの父親が裏庭でレンガを積んでプールを作っている光景を見て付けられたという。
アルバムに先立って、彼らは自主系レーベルのメイン・ストリート・レコードから「Music Matic」を発表し、その後バング・レコードと契約した。『Good High』の制作は自主制作体制のもとで進められ、参加メンバー自身の演奏でまとめられている。アルバム全体のクレジットには、全曲がBrickhouse Productions制作、Silver Cloud MusicとTrolley Musicの出版、そして1976年のリリース表記が入る。
収録の中核は「Dazz」。この曲はタイトルの由来でもある「disco」と「jazz」を組み合わせた造語で、ブリックの代表曲として知られる。注記では、US盤では同曲の表記時間に複数のバリエーションがあり、実際に再生時間が5分超のプレスも存在する。今回の盤ではレーベル表記が5:35、裏ジャケットでは3:25と記されている。
時代の文脈・サウンド
1970年代半ば、ディスコが広がっていく中で、Brickは自分たちのスタイルを「Dazz」と名付けた。直線的なダンス・ビートにジャズの要素を重ねたこの言葉は、後にオハイオ州のファンク・グループ、Dazz Bandのグループ名にもつながっていく。「Dazz」は7インチB面で「Southern Sunset」と組み合わされる形でも流通した。
サウンド面では、タイトなリズム隊とうねるベースラインを軸に、ジミー・“ロード”・ブラウンが吹く疾走感あふれるフルート・ソロが「Dazz」の象徴となっている。収録曲の「Here We Come」や「Music Matic」にはホーンとギターのカッティングが入り、「Southern Sunset」はメロウなジャズ・ファンク・インストゥルメンタルとして親しまれている。「Brick City」はヘヴィなファンク・トラックとして挙げられており、アルバム全体は外部のセッションに頼らず、バンド自身のタイトな演奏力とジャズ由来のアンサンブルで組み立てられている。
『Good High』はビルボードのR&Bアルバム・チャートで1位、Billboard 200で19位を記録。シングル「Dazz」はR&Bシングル・チャートで1位、Hot 100でも3位まで上昇し、ゴールド認定を受けた。
後世への影響
「Dazz」は、その後のヒップホップやR&Bでサンプリング・ソースとして繰り返し使われた。代表的な例として、アイス・キューブ「No Vaseline」でバックトラックとしてループされているほか、Soul II Soul「Jazzie's Groove」、MC Lyte「Search 4 the Lyte」、Dana Dane「Cinderfella Dana Dane」、C+C Music Factory「Do You Wanna Get Funky」などでも参照された。
トラックリスト
- A1 Here We Come 2:52
- A2 Music Matic 3:00
- A3 Dazz 5:35
- A4 Can't Wait 3:21
- A5 Southern Sunset 4:03
- B1 Good High 3:11
- B2 Brick City 6:19
- B3 Sister Twister 3:33
- B4 That's What It's All About 4:16
動画プレイリスト
このアーティストについて
Brickは、1970年代から1980年代にかけて活動したアトランタ出身のソウル・グループだ。Morris Brown Collegeを拠点にした学生たちの流れから生まれ、...
Brick のプロフィール・作品一覧Brick の他のレビュー