Zapp - Zapp III (1983)
Zapp『Zapp III』について
1983年にワーナー・ブラザース・レコーズから出た、Zappの3作目のスタジオ・アルバム。オハイオ州デイトン出身のこのバンドでは、ロジャー・トラウトマンが全面プロデュースを担当し、ラリー、レスター、テリー(“Zapp”)らトラウトマン兄弟の連携のもとで制作が進められた。録音は自社スタジオのTroutman Sound Labsで行われ、トラック・メイキングの中心にはロジャーのトークボックスがある。ミニモーグ、オーバーハイム、シンセベースを使ったエレクトロニック・ファンクの作り込みと、バンドの持ち味がそのまままとまった1枚。
制作背景・エピソード
本作は、デイトンのTroutman Sound Labsでレコーディングされ、最終的なマスタリングはワーナー・ブラザースのノース・ハリウッドのスタジオで行われた。ライナー情報では、バック・スリーブの曲順で「A2」と「A3」が逆になっている。盤面のクレジットは1982年表記で、アメリカ盤はMade in U.S.A.。収録曲の中では「Heartbreaker (Part I, Part II)」が冒頭を飾り、「I Can Make You Dance」が9分超の長尺で配置されている。ロジャーがプロデュース、編曲、作曲の軸を担い、バンドの演奏と機材の使い方をまとめ上げた作品。
時代の文脈
1983年は、ドラムマシンやシンセサイザーの普及が進み、エレクトロ系のファンクやブギーが広く流通していた時期。ZappはPファンクの流れをくむバンドとして知られ、1980年のデビュー作『Zapp』で「More Bounce to the Ounce」をヒットさせていた。本作は、その後のキャリアの中で出た3枚目のアルバムで、同時期のブラック・ミュージックの中でも、ロジャー・トラウトマンのトークボックスとシンセ・ベースを前面に出した内容になっている。米ビルボードのTop R&B/Hip-Hop Albumsでは最高9位、ゴールド認定も受けた。
後世への影響
Zappの音は、1990年代初頭のGファンクで大きく参照された。ドクター・ドレー、スヌープ・ドッグ、2パック、アイス・キューブらがZappのサウンドを参照したことが広く知られている。とくに「Heartbreaker」や「I Can Make You Dance」は、シンセベースやトークボックスのフレーズがサンプリング素材として使われてきた。さらに、『Friday』や『グランド・セフト・オート』シリーズのラジオ局でも象徴的な楽曲として扱われている。
曲のポイント
「Heartbreaker (Part I, Part II)」は、本作の入口として置かれた楽曲。「I Can Make You Dance」はシングルとしてR&Bチャート4位を記録し、アルバムを代表する1曲になった。「Play Some Blues」ではロジャーのブルース・ギタリストとしてのルーツが出ているとされ、「We Need The Buck」には社会的メッセージが織り込まれている。Zappの3作目として、グループの制作体制とロジャーの主導ぶりが見えやすいアルバム。
トラックリスト
- A1 Heartbreaker (Part I, Part II) 7:30
- A2 I Can Make You Dance 9:01
- A3 Play Some Blues 5:45
- B1 Spend My Whole Life 4:07
- B2 We Need The Buck 5:43
- B3 Tut-Tut (Jazz) 5:15
- B4 Doo Wa Ditty - Live 1:00
動画プレイリスト
このアーティストについて
Zapp(ザップ)は、オハイオ州デイトン出身のファンク・バンドだ。中心にいたのはTroutman家の兄弟で、Roger Troutman、Larry Troutman、Lester Trout...
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