Dada - Dada (1981)
Dada『Dada』について
日本のシンセ/プログレ系ユニットDADAが1981年に発表した『Dada』は、同年録音・同年発売のオリジナル盤で、レーベルはNexus (K26P-130)。ライナーノート相当の情報としては、1980年11月から12月にかけて宝塚のDada Studioで録音され、King Recordsの制作・製造で日本盤として出ている。帯付きで流通したことも記録されている。
制作背景・エピソード
DADAは泉陸奥彦と小西健司のデュオで、1978年には阿木譲主宰のVanity Recordsから『浄』を発表している。後年の紹介では、Vanity Recordsはブライアン・イーノのObscure Recordsを意識して立ち上げられたとされ、『浄』はその第一弾と位置づけられている。『Dada』は、その後にNexusへ移って出した唯一のアルバムとして紹介されており、収録曲の作曲クレジットには泉の担当曲が多く、小西の単独曲や共作も含まれる。制作の中心がこの2人のマルチ奏者であったことが、作品情報から読み取れる。
時代の文脈
この作品は、関西発の実験音楽とプログレの流れの中に置かれている。DADAについては、Vanity Records期の作品が「まだプログレの名残り」を持ちながら、よりリズミカルなシンセサイザー音楽へ寄っていったとする解説がある。NTSの紹介では、ドイツの電子音楽、Fripp & Eno、Heldonからの影響と、雅楽的な持続音を組み合わせたユニットとして扱われている。1981年という年に、こうした要素を持つ作品がNexusから出ている点が、このアルバムの位置を示している。
後年の再評価
直接のカバーやサンプリングについては、今回確認できた範囲では記録が見当たらない。一方で、2018年にはBlu-spec CDで再発されており、再発盤として改めて流通している。さらに、Vanity Recordsの文脈をたどる紹介記事でも取り上げられていて、見過ごされてきた日本の実験音楽を見直す流れの中で参照され続けている。チャート実績や売上の数字は確認できないが、少なくとも再発が行われる程度には後年まで関心が保たれている。
聴きどころとして語られている点
レビューや紹介では、DADAの音は「プログレの残響を残しつつ、シンセ主体で都会的」「ジャズロック/電子音楽寄り」と評されている。また、Fripp & EnoやHeldon的な実験性に、雅楽由来のドローン感を重ねたものとして紹介されることもある。ここで挙がるのは、技巧の見せ場というより、音色設計と空間の作り方に関する部分だ。タイトル曲『Dada』を含むアルバム全体も、その方向で語られている。
結果として『Dada』は、泉陸奥彦と小西健司のデュオが、Vanity Records期からNexus期へ移るなかで残した1981年の記録として読める。録音時期、制作場所、レーベルの移動、そして後年の再発まで、作品の輪郭はかなりはっきりしている。
トラックリスト
- A1 Perpetual Motion
- A2 Stainless Mama
- A3 America
- A4 Flying Ship (Part 3)
- B1 A. T. B.
- B2 Jiro's Birthday Party
- B3 Le Soleil D'Arles