Deep Purple - Machine Head (1972)
Deep Purple 1972

Deep Purple - Machine Head (1972)

Rock Hard Rock

Deep Purple『Machine Head』— 1972年ハードロックの要点が詰まった一枚

Deep Purpleの『Machine Head』は、1972年に発表された通算6作目のスタジオ・アルバムで、バンドの代表作として最もよく知られている作品のひとつだ。英国のハードロック・バンドとして活動を続けていた彼らが、演奏力、楽曲の強さ、録音現場の緊張感をそのまま盤に閉じ込めたような内容で、のちのハードロックやヘヴィメタルの基盤を語るうえでも外せないタイトルになっている。収録曲の中では「Highway Star」「Smoke on the Water」「Lazy」「Space Truckin'」が特に有名で、アルバム全体の輪郭をそのまま示すような並びになっている。

録音の背景と作品の位置づけ

本作は、スイス・モントルーで1971年12月に録音された。制作中にモントルー・カジノでの火災という出来事があり、予定通りの環境では録れなくなったが、その後の移動録音によって生まれた制約が、かえって演奏の生々しさにつながったとされる。完璧に整えた音というより、バンドがその場でぶつかり合うようなまとまりがあり、そこが『Machine Head』の大きな特徴だ。

Deep Purpleにとっては、Mark II編成の代表作という位置づけがはっきりしている。Ian Gillan、Ritchie Blackmore、Roger Glover、Jon Lord、Ian Paiceという編成で、各メンバーの持ち味が明快に出ている。ギターとオルガンが前面でせり合い、リズム隊がそこを押し上げる構図は、この時期のDeep Purpleを象徴するものだ。

収録曲の印象

冒頭の「Highway Star」は、スピード感のあるリフとキーボード、そしてIan Gillanの高い声が早い段階で揃う。アルバムの方向性を一曲目で示す構成だ。「Smoke on the Water」は、単純明快なギター・リフで知られ、後年までDeep Purpleの代名詞として扱われることが多い。曲そのものは、火災の記憶を題材にしつつ、現場の混乱と記録性を持った内容になっている。

「Lazy」は、ブルースの要素を引きずりながら、長めの展開で演奏の間合いを聴かせる曲だ。続く「Space Truckin'」は、リズムの推進力が強く、ライヴでも映えるタイプの楽曲として定着していく。アルバム全体を通すと、速い曲、間を取る曲、重さを前に出す曲が並び、当時のハードロックの中でもバンド演奏の比重がかなり高い部類に入る。

同時代の文脈

1972年は、Led ZeppelinやBlack Sabbathと並んで、Deep Purpleがハードロックの中心にいた時期だ。三者とも後のヘヴィメタルに大きな影響を与えたが、『Machine Head』は特にリフの強さ、オルガンの使い方、ギターとキーボードの対立感で独自性を持っている。単に音が大きいだけでなく、各パートの役割がはっきりしている点も、この時代の重要な記録といえる。

商業面でも成功した作品で、英国ではアルバム・チャート1位を獲得した。米国では当初の反応はそこまで突出したものではなかったが、「Smoke on the Water」の浸透によって再評価が進み、結果として長く聴かれる作品になった。代表曲の強さがアルバム全体の寿命を押し上げた例としても分かりやすい。

日本盤について

今回の日本盤は1972年リリースの初回期にあたるもので、Warner Bros. Recordsの緑ラベル仕様、品番はP-8224W。リリースノートにある通り、価格は¥2,000で、さらにシルバーの「Japan Tour obi」が付属する仕様になっている。日本盤ならではの帯付き要素はコレクション面での注目点で、同時期の輸入盤と比べると、国内発売盤としての存在感がはっきりしている。

Warner Bros.の1970年以降の緑ラベルは、この時期のUS盤でも見られるデザインだが、日本盤では帯や表記の違いが加わるため、同じ1972年の作品でも見え方が少し変わる。初期盤としての雰囲気を持ちながら、国内流通向けに整えられた一枚という印象だ。

まとめ

『Machine Head』は、Deep Purpleの代表作であると同時に、70年代ハードロックの基本形を強く示したアルバムだ。録音現場の事情まで含めて作品性に変わっており、曲単位でもアルバム単位でも記憶に残る内容になっている。「Smoke on the Water」だけで語られがちだが、実際には全編を通してバンドの演奏力がはっきり出た一枚で、Deep Purpleというバンドの核がどこにあるのかを示す作品といえる。

トラックリスト

  1. A1 Highway Star 6:05
  2. A2 Maybe I'm A Leo 4:51
  3. A3 Pictures Of Home 5:03
  4. A4 Never Before 3:56
  5. B1 Smoke On The Water 5:40
  6. B2 Lazy 7:19
  7. B3 Space Truckin' 4:31

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