Dennis Coffey And The Detroit Guitar Band - Evolution (1971)
Dennis Coffey And The Detroit Guitar Band『Evolution』(1971)
デニス・コフィーの2作目のアルバム『Evolution』は、1971年にUSのSussexから出た作品で、ヒット曲「Scorpio」を収録している。
制作背景・エピソード
クレジットには「A THEO-COFF Production」とあり、マイク・セオドアとデニス・コフィーの共同体制で作られている。プロデュースはセオドア、編曲は2人の共同。録音はイースト・デトロイトのGMレコーディング・スタジオでジム・バーゼーズが担当し、ミックスはニューヨークのRCAスタジオでレイ・ホールが行った。
作品の核になるのは、いわゆる「デトロイト・ギター・バンド」の名の通り、音域の違うギターを重ね、ファズ、ワウ、サステインのペダルを通して鳴らしたサイケデリックなファンク作品。クレジットではコフィーがアルト・ギターとシタール、ジョー・ポドーセックがバリトン・ギター、レア・アースのレイ・モネットがテナー・ギターを担当している。ここにファンク・ブラザーズのボブ・バビット(ベース)、ジャック・アシュフォード(パーカッション)らが加わる布陣。録音参加者としては、ドラムのユリエル・ジョーンズ、リチャード・“ピストル”・アレン、ピアノのアール・ヴァン・ダイク、コンガの“ボンゴ”・エディ・ブラウンの名も挙がっている。
収録曲「Scorpio」はコフィーの作曲で、冒頭のギター・ラインは9本のリフを3オクターブにわたって重ねて作られているという。ベースのボブ・バビットとコンガのエディ・ブラウンにはソロも用意されている。もう1曲、レッド・ツェッペリン「Whole Lotta Love」を「Whole Lot of Love」として収録しているのも目を引くところ。
時代の文脈
デニス・コフィーは1955年、15歳で初めてのレコーディング・セッションに参加し、60年代末にはモータウンのスタジオ・バンド、ファンク・ブラザーズの一員として多くの録音に関わったギタリスト。ノーマン・ホイットフィールド制作のテンプテーションズ「Cloud Nine」「Ball of Confusion」「Psychedelic Shack」では、ディストーション、エコープレックス、ワウを使ったギターをモータウンに持ち込んだとされる。さらにエドウィン・スター「War」、フリーダ・ペイン「Band of Gold」にも参加。マイク・セオドアとともにシクスト・ロドリゲスを見出し、『Cold Fact』(1970年)ではリード・ギターを弾いている。
『Evolution』はそんなコフィーの2作目で、クラレンス・アヴァントが設立したSussexからの最初の作品。アルバムはBillboardのTop LPsで36位、R&Bアルバム・チャートで13位を記録した。「Scorpio」は当初は売れず、ラジオでもかからなかったが、アンダーグラウンドのダンス・シーンで広がったと、WDETのサム・ボービアンは書いている。1971年9月にシングル発売され、Billboard Hot 100で6位、R&Bチャートで9位、Cash Boxで4位を記録し、1971年12月にはRIAAのゴールド・ディスクを獲得した。1972年1月8日には、コフィーが白人アーティストとして初めて『ソウル・トレイン』に出演し、「Scorpio」を演奏している。NPRはこの曲を「アフロ・ラテンのリズムとモーター・シティのサイケデリアの独特な混合」と評した。
後世への影響
「Scorpio」のドラム・ブレイクは、ヒップホップで最もサンプリングされたブレイクのひとつとされている。パブリック・エネミー「Night of the Living Baseheads」、ヤング・MC「Bust a Move」、LL・クール・J「Jingling Baby」、クイーン・ラティファ「Mama Gave Birth to the Soul Children」、ゲトー・ボーイズ、ロード・フィネス&DJマイク・スムース「Keep It Flowing」、ハウス・オブ・ペイン「All My Love」、マーク・ロンソン「Ooh Wee」などで使われた。2016年にはドラマ『ベター・コール・ソウル』でも流れている。
コフィー自身は2004年に回想録『Guitars, Bars, and Motown Superstars』を出し、2002年のドキュメンタリー『永遠のモータウン』にも登場。AllMusicのジェイソン・アンケニーは、このアルバムをコフィー作品の中で最も一貫して充実し、商業的にも最も成功したLPと評している。
トラックリスト
- A1 Getting It On 2:31
- A2 Whole Lot Of Love 2:33
- A3 Summer Time Girl 3:06
- A4 Scorpio 4:20
- A5 Garden Of The Moon 3:23
- B1 Impressions Of 4:48
- B2 Sad Angel 3:40
- B3 Big City Funk 2:55
- B4 Wind Song 2:44
- B5 Good Time Rhythm And Blues 2:44
動画プレイリスト
このアーティストについて
Dennis Coffey And The Detroit Guitar Band
Dennis Coffey And The Detroit Guitar Bandは、デトロイトのギタリスト、デニス・コフィーの名義で活動したグループだ。ジャンルはロック、ジャズ、...
Dennis Coffey And The Detroit Guitar Band のプロフィール・作品一覧