War - Deliver The Word (1973)
War 1973

War - Deliver The Word (1973)

Jazz Funk / Soul Jazz-Funk

War『Deliver the Word』

1973年8月にUnited Artistsから出たWarの6作目。前作『The World Is a Ghetto』がBillboard 200で1位、1973年の年間アルバムでも首位に選ばれた直後の作品。収録曲はほぼ全曲がメンバー全員の共作名義で、録音はロサンゼルスのCrystal IndustriesとWally Heider Studios、コロラド州ネダーランドのCaribou Studios(いわゆるCaribou Ranch)で行われた。

制作背景と参加メンバー

プロデュースはJerry Goldstein、Lonnie Jordan、Howard Scottの3人。演奏面ではHoward Scottがギター、B.B. Dickersonがベース、Lonnie Jordanがオルガン、ピアノ、シンセサイザーなど、Harold Brownがドラム、Papa Dee Allenがコンガとボンゴ、Charles Millerがサックス、クラリネット、フルート、Lee Oskarがハーモニカを担当している。

「Me and Baby Brother」は、1971年のライヴ盤『All Day Music』に入っていた8分近いスロー・ブルース「Baby Brother」をもとにした曲。Harold BrownはUncut誌で、スタジオでいじっていたところから生まれたと語っている。そこからBrownとMillerが速くパーカッシヴなファンクに作り替え、Lee Oskarが泣きのリフを重ねたという。冒頭の「H2Overture」は、水の化学式H2Oにかけた題。

ジャケットは黒地に銀のインクを使い、聖書の革表紙を思わせる質感でまとめられている。左下の型抜き窓から、内側スリーヴに印刷された人気のない浜辺を歩く人影がのぞく構成で、デザインと写真はGary Sato、コンセプトはLee Oskar名義。

時代の文脈

Warはロサンゼルスの人種が入り混じった地域で耳にした音楽を下地に、人種差別や貧困、ギャング抗争への反対と兄弟愛を歌ってきたバンドだった。『Deliver the Word』の時期は、1972年から1976年にかけて「The Cisco Kid」などトップ20入りのシングルを続けて出していた時代で、「Gypsy Man」も「The Cisco Kid」に続いてAMラジオで流れた。アルバム版の「Gypsy Man」は11分35秒あり、風の効果音で始まり、長い器楽部分を経て歌に入り、最後はハーモニカの長いコーダでフェードアウトする。シングルではこれを5分余りに縮めている。

Apple Musicの解説では、本作はフルートやハーモニカ、ストリングスで音の幅を広げた過渡期の作品として扱われ、次作『Why Can’t We Be Friends?』で実を結ぶ種をまいたアルバムと位置づけられている。サウンド面については、MedialoperのJim Connellyが「Gypsy Man」を「長く、雰囲気のあるロック・ソング。おそらく彼らのシングルの中で最もロック寄り」と呼び、見事にアレンジされたボーカル、サックスとハーモニカの合いの手、中間部のファンキーな展開を聴きどころに挙げている。アウトロでは、ボーカルが「無限に飛び去り」、OskarとMillerが一瞬も揺るがないグルーヴの上でリフを続けるという。Apple Musicは「Me and Baby Brother」を初期のSly & The Family Stoneを思わせるもの、「Deliver the Word」を内省から生まれた豊かなスロー・ブルース、「Blisters」と「Gypsy Man」を「曲を探しているわくわくする音楽的アイデア」と書いている。

後世への影響

「Me and Baby Brother」は1976年にイギリスで再発されて全英21位を記録し、That Petrol Emotionが1987年に、Stevie Salasが1998年にカバーしている。さらに、Killing Jokeの「Change」との類似がバンド自身によって認められており、ゲーム『ソニックCD』の「スターダスト・スピードウェイ」でもサンプリングされた。映画『セクレタリー』やドラマ『THE WIRE』でも使われている。

表題曲「Deliver the Word」は、DJ PremierがGang Starrの「Betrayal」(Scarface参加)で刻んで使った。OC WeeklyのGabriel San Románは、Warをサンプリングしたヒップホップ10曲の1位にこの曲を挙げている。

評価・チャート

アルバム自体はBillboard 200で6位、R&Bアルバム・チャートで1位。「Gypsy Man」はHot 100で8位(R&B6位)、「Me and Baby Brother」は1974年にHot 100で15位(R&B18位)を記録している。AllMusicは5点満点で4点、Robert ChristgauはB+と評価している。

トラックリスト

  1. A1 H2 Overture 4:38
  2. A2 In Your Eyes 4:22
  3. A3 Gypsy Man 11:35
  4. B1 Me And Baby Brother 3:30
  5. B2 Deliver The Word 7:48
  6. B3 Southern Part Of Texas 6:22
  7. B4 Blisters 2:21

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

War

War

Warは、1970年代初頭に南カリフォルニアで始動したファンク/ソウル・バンドだ。ジャンル表記ではFunk / Soul、スタイルではFunk、Rhythm & Blues...

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