Devo - Q: Are We Not Men? A: We Are Devo! (1978)
Devo 1978

Devo - Q: Are We Not Men? A: We Are Devo! (1978)

Rock New Wave Post-Punk

Devo『Q: Are We Not Men? A: We Are Devo!』(1978)

Devoのデビュー作『Q: Are We Not Men? A: We Are Devo!』は、1978年にリリースされたニューウェイヴ/ポストパンクの重要作である。オハイオ州アクロン出身のアートスクール系バンドとして出発した彼らが、独自の「de-evolution(脱進化)」という発想を、短い曲と機械的なアレンジに落とし込んだ作品でもある。バンドのコンセプト、映像、衣装、演奏の癖が、そのままアルバム全体の設計に結びついている点が、この作品の分かりやすい特徴だ。

制作面ではBrian Enoがプロデュースを担当し、録音はドイツ・ケルンのConny's Studioが中心となっている。そこに「Shrivel-Up」と「Come Back Jonee」だけサンフランシスコのDifferent Fur Studiosで録音されたという構成で、アルバムの音像には冷たさと緊張感がはっきり残る。Devoの初期像を決定づけた一枚であり、後の彼らのシンセ寄りの作風に比べると、まだギターの切れ味が前面に出ている印象が強い。

アルバムの中身

収録曲は全体に短く、リフやフレーズを反復させながら、途中でわざと歪ませるような作りが目立つ。聴き進めると、メロディ自体は意外なほど明快なのに、リズムや歌い方、音の置き方によって普通のロックには収まらない感触が出てくる。演奏が揃っているというより、揃って見せるための緊張感がある、という聴こえ方に近い。

代表曲としては「Jocko Homo」がまず挙がる。タイトルからしてDevoの思想をそのまま示すような曲で、ライブでも長く重要な位置を占めてきた。「Mongoloid」も初期Devoを語るうえで外せない曲で、シンプルな構造の中に奇妙な圧がある。「Come Back Jonee」は、ロックンロールの記号をずらして見せるような作りで、彼らの引用感覚がよく出ている。そして最大の注目曲はやはり「(I Can't Get No) Satisfaction」だろう。Rolling Stonesの有名曲を、Devoは原曲の勢いをそのままなぞるのではなく、間を詰めたり崩したりしながら別のものとして組み替えている。カバーでありながら、Devo自身の方法論を説明する役割も持っている。

1978年という時代の中で

この時期のアメリカとイギリスには、パンクの衝動を受け継ぎつつ、より実験的で、より編集的な方向へ進むバンドが増えていた。Devoはその中でもかなり特異で、The Pop GroupやTalking Heads、XTCの初期、あるいは後のB-52'sやGary Numan周辺と並べて語られることが多い。ただし、Devoは単なる変則的なニューウェイヴではなく、社会や消費文化を冷静に観察し、それをパフォーマンスと録音の両方に落とし込んでいる点がはっきりしている。

また、このアルバムはDevoにとって最初の大きな到達点でもある。インディー的な活動から一気にメジャーのWarner Bros.へ進み、Brian Enoの関与によって作品としての輪郭がより明確になった。のちの『Freedom of Choice』で「Whip It」がヒットしていく前段階として見ると、このデビュー作は、Devoの思想と音楽的手法が最も濃く出た初期文書のような位置づけにある。

このUS盤について

ここで扱うのは1978年のUS盤、Warner Bros. RecordsのBSK 3239で、ロサンゼルス工場プレスの個体である。ランアウトには「LW」と「✲」が入る仕様で、同じように見える近いバージョンでも「BH」の有無で区別されるという点がある。ジャケット内には写真付きのインナー・スリーブが付属し、歌詞とクレジット、リリース情報がまとめられている。

ラベルは1978年以降のWarner Bros.らしいタン系デザインで、70年代後半の同社LPに共通する見た目だ。オリジナルの1978年盤としては、作品内容そのものに加えて、この時代のワーナー系ロック盤らしいパッケージ感も含めて味わえる一枚といえる。

まとめ

『Q: Are We Not Men? A: We Are Devo!』は、Devoのコンセプトをそのまま音にしたようなデビュー作であり、同時にニューウェイヴ初期の重要な記録でもある。曲の長さ、演奏の配置、カバー曲の扱いまで含めて、普通のロック・アルバムとは少し違う作法で組み立てられている。初期Devoの入口としても、彼らがなぜただの変わり者バンドで終わらなかったのかを示す作品としても、位置づけはかなりはっきりしている。

トラックリスト

  1. A1 Uncontrollable Urge 3:08
  2. A2 (I Can't Get No) Satisfaction 2:38
  3. A3 Praying Hands 2:47
  4. A4 Space Junk 2:13
  5. A5 Mongoloid 3:42
  6. A6 Jocko Homo 3:38
  7. B1 Too Much Paranoias 1:56
  8. Gut Feeling / (Slap Your Mammy) 4:54
  9. B3 Come Back Jonee 3:46
  10. B4 Sloppy (I Saw My Baby Gettin') 2:37
  11. B5 Shrivel-Up 3:05

動画プレイリスト

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