Dynasty - Adventures In The Land Of Music (1980)
Dynasty『Adventures In The Land Of Music』
ロサンゼルスを拠点にしたディスコ/ブギー・グループ、Dynastyが1980年にSOLARから発表したセカンド・アルバム。グループは1979年、SOLARの創設者ディック・グリフィーと、The Sylvers出身の名プロデューサー/ソングライターであるレオン・シルヴァーズ3世によって結成された。SOLARはShalamarやThe Whispersと並ぶ看板グループを次々と世に送り出していた名門レーベルで、Dynastyもその中核ユニットとして大きな期待を集めていた。
制作背景・エピソード
本作のプロデュースはレオン・シルヴァーズ3世が手掛け、自ら特徴的なスラップ・ベースも演奏している。リード・ヴォーカルはケヴィン・スペンサー、リンダ・キャリアー、ニドラ・ビアードが担当し、制作陣・演奏陣にはウィリアム・シェルビーやワーデル・ポッツも加わった。録音はハリウッドのStudio MastersやFort Knox Studios、ナッシュビルのJack Clement Recording Studioで行われ、ミックスはWestlake AudioとLarrabee Sound、マスタリングはCapitol Recordsで仕上げられた。
収録曲のうち「I've Just Begun To Love You」は強力な先行シングルとしてアルバムを牽引。ほかにも「Groove Control」や「Do Me Right」、幻想的なタイトル曲「Adventures In The Land Of Music」など名曲が並ぶ。楽曲の多くはレオン・シルヴァーズ3世やウィリアム・シェルビーらが手掛け、跳躍感あふれるベースラインと華麗なホーン、男女混声ヴォーカルが一体となった「ソーラー・サウンド」の真髄が凝縮されている。
時代の文脈
1980年は、70年代後半のディスコの熱狂から、よりタイトなリズムやシンセサイザーを前面に出したアーバン・ファンク/ブギーへと関心が移っていった転換期。DynastyはSOLARの黄金期を支える看板グループとして、洗練を極めたダンス・サウンドを提示した。レオン・シルヴァーズ3世が構築したタイトで煌びやかなプロダクションは、同時代のダンス・ミュージック全体に大きな影響を与えた。
アルバムは米ビルボードのR&Bアルバム・チャートで11位、Billboard 200で43位を記録。シングル「I've Just Begun To Love You」はR&Bシングル・チャート6位、ダンス・クラブ・チャート5位、Hot 100でも87位に入り、「Do Me Right」もR&Bチャート13位を記録するなど、レーベルの勢いを決定づけるヒットとなった。
後世への影響
タイトル曲「Adventures In The Land Of Music」は、90年代以降のヒップホップ/R&Bシーンにおける屈指のサンプリング・クラシックとして不滅の人気を誇る。1997年にはプロデューサーのSki Beatzが本曲のドリーミーなイントロ、ホーン、グルーヴを大胆にサンプリングし、Camp Loのアンセム「Luchini AKA This Is It」を生み出した。さらにアンジー・ストーンの「Lover's Ghetto」(2004年)やブルック・ヴァレンタイン(Brooke Valentine)の「Long as You Come Home」(2005年)など数多くの楽曲で引用されている。
『Adventures In The Land Of Music』は、Dynastyの最高傑作としてだけでなく、後世のヒップホップやネオ・ソウルのクリエイターたちを魅了し続けるタイムレスな名盤として愛され続けている。
トラックリスト
- A1 I've Just Begun To Love You 6:28
- A2 Groove Control 4:52
- A3 Take Another Look At Love 4:24
- A4 Day And Night 6:03
- B1 Do Me Right 6:03
- B2 Something To Remember 4:43
- B3 Adventures In The Land Of Music 4:19
- B4 Ice Breaker 5:22