Curtis Mayfield - Heartbeat (1979)
Curtis Mayfield『Heartbeat』
ニュー・ソウルの巨星カーティス・メイフィールド(Curtis Mayfield)が1979年に発表したソロ通算10作目のスタジオ・アルバム。彼自身の主宰レーベルCurtomがRSO Recordsの配給下にあった時期の作品であり、それまでのシカゴを拠点とする強固なセルフ・プロデュース体制から一歩踏み出し、フィラデルフィア・ソウルのキーマンたちを大々的に迎えて制作された野心作である。
制作背景・エピソード
本作ではカーティス自身に加え、フィリー・ソウル界のヒットメイカーであるバニー・シグラー(Bunny Sigler)、フィラデルフィア・インターナショナル・レコード(PIR)の中核を担った名アレンジャー/プロデューサーのノーマン・ハリス(Norman Harris)、そしてロナルド・タイソン(Ronald Tyson)らが楽曲制作およびプロデュースに参画した。
レコーディングはシカゴのCurtom Studiosをはじめ、名門フィラデルフィアのSigma Sound Studios、ニューヨークのBlank Tapes、西海岸のKendun Recordersなど各地の名スタジオを横断して敢行。さらに同レーベルの実力派女性シンガー、リンダ・クリフォード(Linda Clifford)との親密なデュエット「Between You Baby and Me」を収めるなど、当時の多彩な人脈と音楽的交流が結実したアルバムとなっている。
時代の文脈
1970年代末はディスコ・ブームが世界的なピークに達し、多くの正統派ソウル・シンガーやシンガーソングライターが時代に即したサウンドへの適応を求められていた。70年代中盤以降、商業的な停滞期に直面していたカーティスもまた、当時のフロアを席巻していたフィリー・ダンサーの洗練されたビートとオーケストレーションを果敢に取り入れた。
本作からのシングル「Between You Baby and Me」はBillboard R&Bチャートで14位をマークし、アルバムも同R&Bチャート42位へと浮上。ディスコ全盛の波を受け止めつつ、持ち前のメッセージ性とメロディ・センスをアーバン・コンテンポラリーへと見事に昇華させた。
後世への影響とサウンドの聴きどころ
B面に収録されたメロウ・ソウルの名曲「You're So Good to Me」は、カーティスと名匠ギル・アスキー(Gil Askey)の共作であり、名手ケニ・バーク(Keni Burke)による艶やかなベースラインが至高のグルーヴを紡ぎ出す珠玉のナンバー。このフレーズは1994年、メアリー・J. ブライジ(Mary J. Blige)が歴史的名盤『My Life』のリードシングル「Be Happy」(ショーン・“パフィ”・コムズ/Trackmasters制作)で決定的なサンプリングを施したことで、90sヒップホップ/R&B世代に再発見され、不朽のクラシックとして確固たる地位を築いた。
軽快なディスコ・ファンク「Tell Me, Tell Me (How Ya Like to Be Loved)」から、カーティス特有の繊細なファルセットが胸を打つバラードまで、後期の彼が残した最もモダンでエレガントな輝きを放つ一枚である。
トラックリスト
- A1 Tell Me, Tell Me (How Ya Like To Be Loved) 6:20
- A2 What Is My Woman For? 7:15
- A3 Between You Baby And Me 4:40
- A4 Victory 3:15
- B1 Over The Hump 5:15
- B2 You Better Stop 6:51
- B3 You're So Good To Me 6:52
- B4 Heartbeat 4:23
動画プレイリスト
このアーティストについて
Curtis Mayfieldは、1942年6月3日にシカゴで生まれたアメリカのシンガー、ギタリスト、ソングライター、プロデューサーだ。ジャンルはFunk / Soulに分...
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