Marvin Gaye - Moods Of Marvin Gaye (1966)
Marvin Gaye『Moods Of Marvin Gaye』
1966年5月にモータウン傘下のTamlaから出た、マーヴィン・ゲイの通算7作目のスタジオ・アルバム。デトロイトのヒッツヴィルUSAスタジオで録音され、プロデュースと楽曲提供にはスモーキー・ロビンソン、ホーランド=ドジャー=ホランド(H-D-H)、クラレンス・ポール、アイヴィー・ジョー・ハンターらが名を連ねている。
制作背景・エピソード
このアルバムからは、スモーキー・ロビンソンが手掛けた「I'll Be Doggone」と「Ain't That Peculiar」がシングルとして出ている。どちらもマーヴィンにとって初の全米R&Bチャート1位を記録し、Hot 100でもそれぞれ8位に入った。さらに「One More Heartache」「Take This Heart of Mine」「Little Darling」など、計6曲のシングル・ヒットを収録している。演奏面では、ジェームス・ジェマーソンのベース、ベニー・ベンジャミンのドラム、マーヴ・タープリンのギターらファンク・ブラザーズがバックを固め、バック・ボーカルにはジ・アンダンテスやミラクルズが参加している。
時代の文脈
モータウンがシングルの量産だけでなく、マーヴィンをアルバム・アーティストとして押し出そうとした戦略的な一枚として位置づけられている。タイトルの「Moods」が示すとおり、A面ではスモーキーやH-D-Hによるダンサブルなモータウン・ソウルが並び、B面ではウィリー・ネルソン作の「Night Life」、スタンダード曲「One For My Baby」、スティーヴィー・ワンダー共作の「You're The One For Me」など、憧れのナット・キング・コールやシナトラに通じる大人のクルーナー/バラード歌手としての深みある表現が展開されている。
マーヴィンのソロ・アルバムとしては初めて米ビルボードR&Bアルバム・チャートでトップ10入りを果たし、最高8位(Billboard 200で118位)を記録した。
後世への影響
「Ain't That Peculiar」と「I'll Be Doggone」は、1960年代モータウン・サウンドの代表的な名曲として語り継がれ、ピーター・トッシュらによってカバーされている。ポップ・スターとしての要請と真の表現者の間で模索していた時期の作品として、このアルバムでの成功は、のちの『What's Going On』へつながるトータル・アルバム制作への重要な布石となった。
サウンド・聴きどころ
ジェームス・ジェマーソンの歌うようなベースラインとマーヴ・タープリンのギター・リフが牽引するモータウン・グルーヴから、ブルージーで憂いを帯びたバラード唱法まで、マーヴィンの3オクターブに及ぶ表現力豊かなボーカルが最大の聴きどころである。
盤について
今回のUS盤はRCA Records Pressing Plant, Rockawayでプレスされた盤で、Tamlaロゴ下に商標表記がない深溝(ディープ・グルーヴ)ラベルのバリエーション。レーベル表記はTM-266、ジャケット表記はTamla 266、背表紙はTM266となっている。
トラックリスト
- A1 I'll Be Doggone 2:49
- A2 Little Darling (I Need You) 2:43
- A3 Take This Heart Of Mine 2:42
- A4 Hey Diddle Diddle 2:23
- A5 One More Heartache 2:32
- A6 Ain't That Peculiar 2:50
- B1 Night Life 3:08
- B2 You've Been A Long Time Coming 2:14
- B3 Your Unchanging Love 3:03
- B4 You're The One For Me 3:40
- B5 I Worry 'Bout You 3:27
- B6 One For My Baby (And One More For The Road) 4:27
動画プレイリスト
このアーティストについて
Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ、本名Marvin Pentz Gay Jr.)は、1939年4月2日にワシントンD.C.で生まれ、1984年4月1日にロサンゼルスで悲劇的な最期...
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