Norman Connors Presents Aquarian Dream - Aquarian Dream (1976)
Norman Connors Presents Aquarian Dream『Aquarian Dream』
1976年にBuddah Recordsからリリースされた『Norman Connors Presents Aquarian Dream』は、フィラデルフィア出身の名ジャズ・ドラマー/プロデューサーであるノーマン・コナーズが全面プロデュースとプレゼンツを手掛けた、8人組ジャズ・ファンク/ソウル・アンサンブル、Aquarian Dream(アクエリアン・ドリーム)の記念碑的デビュー・アルバム(カタログ番号:BDS 5672)。スピリチュアル・ジャズとフィリー・ソウル、そして初期ディスコの躍動的なビートが高次元で昇華された大名盤である。
制作背景と参加ミュージシャン
当時、自身のリーダー作でコズミック・ジャズ・ファンクから洗練されたアーバン・ソウルへの越境を成功させ、Buddah RecordsのA&Rマネージャーも務めていたノーマン・コナーズ。彼が自らの卓越した音楽的ヴィジョンと最高峰の人脈を注ぎ込んで結成したのがAquarian Dreamであった。
マイルス・デイヴィス・バンド出身の名ギタリストであるレジー・ルーカス(Reggie Lucas)がギターとアレンジを全面的に手掛け、キーボード奏者のジャック・バーヴィック(Jacques Burvick)がフェンダー・ローズやモーグ、ARPなどのシンセサイザーを駆使して主要なソングライティングを担当。ヴォーカルの中心には表情豊かで温もりのある歌声を持つグロリア・ジョーンズ(Gloria Jones)をフィーチャーし、ソウルフルで壮大なコズミック・アンサンブルを完成させた。
サウンドと聴きどころ
本作の最大の魅力は、ジャズ・フュージョンの高度な演奏力と、ダンスフロアを熱狂させる骨太なファンク・グルーヴ、そして宇宙的な広がりを持つシンセサイザーとフェンダー・ローズの美しいレイヤーにある。
アルバムのオープニングを飾る「Phoenix」は、躍動するリズムセクションとシャープなホーン、天衣無縫なシンセ・ソロが畳み掛けるスピリチュアル・ジャズ・ファンク/ダンス・クラシックの金字塔。そしてアルバム屈指のメロウ・チューン「Look Ahead」は、グロリア・ジョーンズの包容力あるヴォーカルとバーヴィックのエレピが美しく調和するフリーソウルの至宝である。さらに、レジー・ルーカスの鋭利なカッティング・ギターが唸る「Guitar Talk」、疾走感あふれるインスト「East 6th Street」、甘美なソウル・バラード「Once Again」など、全編にわたって極めて濃密なグルーヴとメロディが息づいている。
時代の文脈と後世への影響
1970年代半ばは、ジャズ・ミュージシャンたちが先鋭的な即興性を保ちながら、台頭するディスコ・カルチャーと結びついて新たなダンス・ミュージックを開拓した奇跡の時代であった。本作はその時代の空気を見事に結晶化させている。
リリース当時からニューヨークのアンダーグラウンド・クラブで熱狂的な支持を集め、伝説のDJラリー・レヴァン(Larry Levan)らによってパラダイス・ガレージやロフトなどの聖地でプレイされ続けた。1980年代末以降のレア・グルーヴ/アシッド・ジャズの潮流や、90年代日本のフリーソウル・ムーヴメントにおいても「ノーマン・コナーズ一派による最高峰のコズミック・ジャズ・ファンク」として絶大な評価を獲得。後にグループはシルヴィア・ストリップリンを迎えてElektraから次作『Fantasy』(1978年)を発表するが、このデビュー作が放つ瑞々しい生命力とスピリチュアルな輝きは、今なお世界中のダンスフロアと音楽愛好家を魅了し続けている。
トラックリスト
- A1 Phoenix 4:02
- A2 Once Again 4:20
- A3 Treat Me Like The One You Love 4:07
- A4 East 6th Street 3:32
- B1 Guitar Talk 3:18
- B2 Let Me Be The One 3:52
- B3 Look Ahead 3:24
- B4 I'll Always Love You "T" 3:35
動画プレイリスト
このアーティストについて
Norman Connors(ノーマン・コナーズ)は、1947年3月1日生まれ、アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のジャズ・ドラマー、作曲家、プロデ...
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