Norman Connors - You Are My Starship (1976)
Norman Connors『You Are My Starship』
1976年にブッダ・レコード(Buddah Records)から発表されたノーマン・コナーズ(Norman Connors)の『You Are My Starship』は、彼のキャリアにおける最大の商業的成功と芸術的達成を記録した金字塔的アルバム。フィラデルフィア出身の名ジャズ・ドラマー/プロデューサーであるコナーズが、アーチー・シェップやファラオ・サンダースらとの共演で培ったスピリチュアル・ジャズの素養をベースに、洗練された都会的なソウル/R&Bを大胆に融合させた重要作である。
制作背景と名シンガーたちの抜擢
本作はニューヨークのエレクトリック・レディ・スタジオなどで録音され、リー・リトナー(ギター)、トム・スコット(サックス)、アート・ウェブ(フルート)、ゲイリー・バーツ(サックス)ら錚々たる名手たちが集結した。
アルバムの最大のハイライトとなったのが、当時マイルス・デイヴィス・バンドのベーシストとして名を馳せていたマイケル・ヘンダーソン(Michael Henderson)のリード・シンガーへの抜擢である。ヘンダーソンが自ら作詞作曲を手掛け、甘く艶やかな歌声を聴かせた表題曲「You Are My Starship」は、全米R&Bチャート4位(Hot 100で27位)を記録する特大ヒットとなり、彼のソロ・シンガーとしてのキャリアを決定づけた。
さらに本作は、稀代の女性ソウル/ジャズ・シンガー、フィリス・ハイマン(Phyllis Hyman)の実質的なメジャー・デビューの場ともなった。スタイリスティックスの名曲を圧巻の表現力でカヴァーした「Betcha by Golly Wow」(R&Bチャート29位)や、ヘンダーソンとのデュエット「We Both Need Each Other」で圧倒的なヴォーカルを披露。アルバムのラストには恩師ファラオ・サンダースの名曲「The Creator Has a Master Plan (Peace)」の壮麗な再演が配され、スピリチュアル・ジャズとメロウ・ソウルの架橋が見事に果たされている。ジャケット写真のヨットは、名優ジョン・ウェインが所有していた船としても知られる。
時代の文脈と後世への影響
1970年代半ば、ジャズ・ミュージシャンがブラック・コンテンポラリーやクワイエット・ストームへと越境していく潮流の中で、本作はその最高峰の完成度を提示した。ビルボードのジャズ・アルバム・チャートで1位、R&Bチャートで5位を記録し、ゴールド・ディスクを獲得している。
表題曲「You Are My Starship」は、70年代スロウ・ジャム/クワイエット・ストームの元祖的クラシックとして語り継がれ、モブ・ディープ(Mobb Deep)「Trife Life」をはじめヒップホップ世代にも数多くサンプリングされるなど、世代を超えて愛され続けるブラック・ミュージックの不朽の名盤である。
トラックリスト
- A1 We Both Need Each Other 4:07
- A2 Betcha By Golly Wow 6:17
- A3 Bubbles 6:11
- B1 You Are My Starship 4:23
- B2 Just Imagine... 3:58
- B3 So Much Love 2:35
- B4 The Creator Has A Master Plan (Peace) 6:50