Roy C. - Sex And Soul (1973)
Roy C.『Sex And Soul』
Roy C.ことRoy Charles Hammondが1973年にMercuryから出した『Sex And Soul』は、タイトル通り、彼の歌詞の持ち味が前面に出たアルバムとして扱われている。1975年盤の日本盤はMercuryのRJ-7008で、オリジナルの1973年作を後年に日本でプレスしたもの。ロイ・Cは「Shotgun Wedding」で知られるソウル歌手だが、この時期はソロ作家としての輪郭をさらに強めていく局面にあたる。
制作背景・エピソード
この作品については、批評家ロバート・クリストガウが「ガレージで録音された」と述べている。あわせて、ロイ・Cの作家性について、几帳面さと衝動性が歌詞に出ると評しているのが印象的だ。収録曲の細部やセッションの全容、参加ミュージシャンの確定情報は今回確認できていないが、レビューでは歌詞の中身にかなり踏み込んでいて、人種差別やベトナム戦争への言及がある点が指摘されている。別の追悼記事でも、当時のタブロイド的な題材や、過激な語り口、ユーモアと不遜さがロイ・Cの特徴として語られている。
つまり『Sex And Soul』は、曲づくりや録音の細かな技巧よりも、言葉をどう押し出すかが注目されている作品。クリストガウは本作を「生々しく率直」と捉え、声についても、メロウさと緊張感が同居していると述べている。
時代の文脈
1973年という年は、ロイ・Cにとって、1965年の「Shotgun Wedding」で知られる存在から、ソウル歌手としての立ち位置を固める時期にあたる。このアルバムは、その流れの中で出たMercury作品で、政治的・社会的な言及を含む内容が注目されている。南部ソウルやディープ・ソウルが、ファンクやブラック・プライド、より直接的な恋愛表現と結びついていく時期の作品として紹介されることもあるが、少なくとも本作について語られているのは、そうした周辺事情よりも、ロイ・C本人の語り口そのものだ。
キャリアの流れで見ると、『Sex And Soul』は、ヒット曲の印象だけでは片づけにくいロイ・Cの作家性を示す位置にある。クリストガウのレビューでも、歌詞の執拗さと声の切実さが前に出る作品として読まれている。
後世への影響
今回確認できた範囲では、このアルバム自体の有名なカバーやサンプリング事例は見つかっていない。ただし、ロイ・Cの代表曲「Shotgun Wedding」や、彼の率直で語り口の強いソウルは後年に再評価されており、『Sex And Soul』もその文脈で語られている。再発紹介では1973年の人気盤として扱われることがあり、Mercury期のロイ・Cを追ううえで外せない1枚として見られている。
日本盤のRJ-7008は、1973年のオリジナル作を1975年に国内で出したもの。Mercuryの7桁カタログ番号が1970年以降のリリースに使われていたことも踏まえると、この盤はオリジナル初出の時点から少し後のプレスとして位置づけられる。
トラックリスト
- A1 Don't Blame The Man 3:15
- A2 Got To Get Enough (Of Your Sweet Love Stuff) 2:46
- A3 I'm Falling In Love Again 4:09
- A4 I Found A Man In My Bed 2:38
- A5 Those Days Are Gone 3:03
- A6 She Kept On Walkin' 3:29
- B1 I Wasn't There (But I Can Feel The Pain) 3:29
- B2 I'm Gonna Love Somebody Else's Woman (Somebody's Lovin' Mine) 3:10
- B3 I'll Never Leave You Lonely 3:33
- B4 Open Letter To The President 3:09
- B5 I'm Bustin' My Rocks (Working On The Chain Gang) 2:32
- B6 Back Into My Arms 3:03
動画プレイリスト
このアーティストについて
Roy C. Hammond(ロイ・C・ハモンド、1939年8月3日 - 2020年9月16日)は、アメリカ・ジョージア州ニューイントン出身のソウル・シンガー、ソングライ...
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