Slave - Slave (1977)
Slave 1977

Slave - Slave (1977)

Funk / Soul Funk

Slave『Slave』(1977年・Cotillion)

アメリカのファンク・バンド、Slaveが1977年に発表したデビュー・アルバムが本作『Slave』だ。リリースはUSのCotillion、録音はニュージャージー州サイアリーヴィルのCentury Sound Studiosで行われている。のちに代表曲として知られる「Slide」を含む作品で、バンドの名を広く押し上げた初期の重要作という位置づけになる。

Slaveはオハイオ州デイトンで結成されたグループで、ホーン・プレイヤー/ソングライター/プロデューサーのSteve Washingtonを中心にまとまった。デイトン周辺のファンク・シーンは、Ohio PlayersやP-Funk周辺と並べて語られることが多く、このバンドもその流れの中で、演奏の密度とリズムの押し出しを前面に出したサウンドを作っている。本作の時点ではまだ初期衝動が強く、後年の洗練よりも、まずバンドとしての推進力がはっきり出ている。

「Slide」で一気に広がった名前

このアルバムを語るうえで外せないのが「Slide」だ。シングルとして大きな成功を収め、BillboardのR&Bチャートで1位、Hot 100でも32位を記録している。曲の入りからして印象が強く、ベースのうねり、ボーカルの跳ね方、リズムの前進感がそのまま曲の骨格になっている。ファンクの中でも、ダンスフロア向けの即効性とバンド演奏の圧が同居しているタイプで、当時のラジオでも通りやすい設計だったことがうかがえる。

アルバム全体も、その「Slide」の感触を軸にまとまっている。派手な装飾より、リズム・ギター、ベース、ホーン、コーラスの噛み合わせで引っ張る作りで、曲ごとの温度差よりも、一定のグルーヴを保ちながら進む流れがある。実際に聴くと、音数を増やしすぎずに押し切る場面が多く、ファンクの基本動作を丁寧に積み重ねていく印象が残る。

1977年ファンクの中での立ち位置

1977年は、ファンクがディスコやソウル・チャートの中でさらに存在感を強めていった時期でもある。Slaveのデビュー作は、その中で「バンドの生演奏を軸にしたファンク」がまだ強く機能していたことを示す一枚として見やすい。P-Funk系の大きな宇宙的展開とは少し違い、もっと地に足のついた、ストレートなリズムの圧力が前に出る。Ohio Playersや同時代のストリート寄りファンクと比較しても、輪郭のはっきりした演奏が印象に残る。

制作面では、Cotillionからのリリースで、後年のSlaveを支えるメンバーの流動性を考えると、この時点の編成感を記録した作品としても価値がある。のちにSteve Washingtonはバンドを離れ、Curt JonesやStarleana YoungとAurraを結成し、さらにSteve Arringtonもソロ活動へ進む。そうした後の展開を知ってから聴くと、このデビュー作には、まだグループとしての原点がそのまま残っているように感じられる。

盤の流通とオリジナルのポイント

今回の盤は1977年のUSオリジナル期のリリースで、ラベル表記に「-RI」サフィックスが印字されたプレスとして流通している。録音クレジットはCentury Sound Studios、表記上は℗ © 1977 Cotillion Records、Printed in U.S.A.となっている。オリジナル期の中でもプレス違いが存在しており、ラベル・マトリクスの表記差で判別されるタイプのレコードだ。

再発盤や後年の再流通版ではなく、1977年当時の作品として捉えると、このアルバムはSlaveがデビュー時点でどれだけ強いファンクの推進力を持っていたかを示す記録になる。ヒット曲「Slide」を中心にしつつ、バンド名そのものを覚えさせるだけの勢いが最初から備わっていた一枚、と言えそうだ。

トラックリスト

  1. A1 Slide 6:47
  2. A2 Screw Your Wig On Tite 5:29
  3. A3 Party Hardy 3:42
  4. A4 Son Of Slide 5:29
  5. B1 You And Me 6:41
  6. B2 Love Me 4:39
  7. B3 The Happiest Days 5:17
  8. B4 Separated 5:30

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