Television - Live At The Waldorf In San Francisco 29 June 1978 (2003)
Television 2003

Television - Live At The Waldorf In San Francisco 29 June 1978 (2003)

Rock New Wave Punk

Television『Live At The Waldorf In San Francisco 29 June 1978』について

Televisionのライブ音源を記録したこの作品は、1978年6月29日にサンフランシスコのOld Waldorfで行われた公演を収めたもの。オリジナルの正式リリースは2003年で、のちに2020年にヨーロッパ盤が出ている。Televisionは1973年にニューヨークで結成されたバンドで、パンク/ニューウェイヴの文脈で語られることが多いが、実際にはギターの絡み方や曲の伸び方に独特の間合いがある。本作は、その持ち味がライブでどう立ち上がるかをそのまま記録した一枚。

1978年のTelevisionをそのまま切り取った記録

この公演は『Adventure』発表後の時期にあたり、第一期Televisionの終盤に近いタイミングにあたる。スタジオ作で整えられていた輪郭が、ライブではもう少し露わになる。Tom VerlaineとRichard Lloydのツイン・ギターは、単にソロを競う形ではなく、フレーズ同士が少しずつずれて絡み合う構成で進む。Billy Ficcaのドラムは、拍をきっちり支えるというより、曲の推進力を一定の緊張感で保つ役割が強い。こうした演奏の組み立てが、Televisionらしさの中心にある。

この音源は、もともとブートレッグとして長く流通していたことで知られ、のちにRhino Handmadeから公認盤として出た。ブートレッグ時代から評価されてきた音源だけに、公式化された意味は大きい。ライブ盤としての価値は、単なる記録以上に、当時のTelevisionがどれほど演奏力の高いバンドだったかを示す点にある。

収録曲の輪郭と聴きどころ

セットは「Marquee Moon」「Little Johnny Jewel」「The Dream’s Dream」「Careful」など、初期2作の楽曲が中心。なかでも「Marquee Moon」は、スタジオ版でも代表曲として知られるが、ライブではギターの応酬がさらに前へ出る。曲の長さも伸び、展開の中でVerlaineとLloydの音がぶつかりながら進む感触が強い。「Little Johnny Jewel」も、もともとの鋭いリフ感がライブでより直線的に感じられる。こうした曲は、Televisionがポスト・パンク以前のパンク周辺から出発しつつ、演奏面ではかなり別の場所まで行っていたことを示している。

音質が比較的良いことも、この作品の重要な点。ギターの細かいニュアンスや、フレーズの引き延ばし方が追いやすく、スタジオ盤では見えにくい“間”が聴こえる。実際に聴くと、勢いだけで押すバンドではなく、音の置き方で緊張を保つバンドだとわかる。荒さはあるが、乱暴には崩れない。そのバランスがこの時期のTelevisionの核になっている。

Televisionというバンドの位置づけ

Televisionは、同時代のニューヨーク・パンクの中でも、CBGB周辺のバンド群の中で少し異なる存在だった。Ramonesのような速度や、Patti Smithのような言葉の強さとも違い、ギターの掛け合いと長い構成で独自の緊張感を作っていた。後年のオルタナティヴ・ロックやインディー・ロックのギター感覚にもつながる要素があり、特に“ギターが会話するように進む”感触は、後続の多くのバンドに参照された部分でもある。

このライブ盤は、そのTelevisionの個性がもっともわかりやすく出る資料のひとつ。1978年という時点で、バンドはすでに完成形に近い演奏力を持ちながら、まだ少し不安定さも残している。その不安定さが、かえって曲を生々しくしている。公式リリースとして聴ける今でも、ブートレッグ時代から語られてきた理由がそのまま伝わる内容。

2020年ヨーロッパ盤について

2020年盤はヨーロッパでの再発にあたり、2003年の正式リリースを土台にしたものとして扱える。作品の中身そのものは1978年のライブ記録で、オリジナル盤で確認されたライブの骨格がそのまま残っている。Televisionの代表曲を、当時のバンドの熱量と演奏の粘りで聴ける記録として、ディスコグラフィーの中でも位置がはっきりした一枚。

スタジオ盤の『Marquee Moon』や『Adventure』と並べると、このライブ盤では曲の構造がよりむき出しになる。録音された現場の空気と、ギター2本の組み立てが前面に出ることで、Televisionというバンドの輪郭がかなり明瞭に見えてくる作品。

トラックリスト

  1. A1 The Dream's Dream
  2. A2 Friction
  3. A3 Marquee Moon
  4. A4 Careful
  5. B1 Venus De Milo
  6. B2 Foxhole
  7. B3 Ain't That Nothin'
  8. B4 Little Johnny Jewel

動画プレイリスト

公開: 2026年8月

このアーティストについて

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Televisionは、1973年にニューヨークで結成されたアメリカのロックバンドだ。ジャンルはロックに分類されることが多く、スタイルとしてはパンクやニュ...

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