The Time - What Time Is It? (1982)
The Time 1982

The Time - What Time Is It? (1982)

Funk / Soul Funk

The Time『What Time Is It?』

The Timeの『What Time Is It?』は、1982年8月に発表された2作目のフル・アルバム。前作『The Time』から13か月後のリリースで、同じくプリンスが制作の中心を担った作品だ。録音は1982年1月から初夏にかけて、ロサンゼルスのサンセット・サウンドとミネアポリス郊外のプリンスの自宅スタジオで進められ、「Wild and Loose」だけは1981年7月の録音とされている。

制作背景・エピソード

このアルバムでは、プリンスがギター、シンセサイザー、ヤマハCP-70ピアノ、ベース、ドラムス、Linn LM-1ドラム・マシン、パーカッション、バック・ヴォーカルまで担当した。バンド側で実際に演奏に関わったのは、リード・ヴォーカルに加えて「Wild and Loose」「The Walk」「Gigolos Get Lonely Too」でドラムスを叩いたモーリス・デイ、そして「Gigolos Get Lonely Too」でギターとコーラスに参加したとされるジェシー・ジョンソン程度とされる。他のメンバーもクレジットはあるが、録音への関与は限定的だったようだ。

楽曲面では、「777-9311」のタイトルがプリンスのバンドのギタリスト、デズ・ディッカーソンの当時の実際の電話番号だったという話が残る。シングルのヒット後に電話が殺到し、番号変更を余儀なくされたというエピソードもある。「Wild and Loose」の歌詞はデズ・ディッカーソンが書いたものとされる一方、作曲自体は6曲すべてプリンスによるものだという。「The Walk」ではヴァニティが語りで参加している。

クレジット上は、6曲中4曲がThe Time名義、2曲がモーリス・デイ名義で書かれているが、実際には全曲をプリンスが書いたとされる。こうした制作体制が、後のバンド内の不満につながっていったことも記録されている。

時代の文脈

本作の時期、The Timeはライブ・バンドとしてかなり勢いのある存在になっていた。1982年の「Controversy Tour」ではプリンスのバンドとの緊張が高まり、1982〜83年の「1999/Triple Threat Tour」では、ヴァニティ6のバックをカーテンの裏で務めた後に、自分たちのセットを演奏する流れだったという。ツアー中には、プリンスとそのバンドが舞台袖からThe Timeに卵を投げつけ、ジェシー・ジョンソンが壁のコート掛けに手錠でつながれる騒動まで起きたとされる。

さらに1983年には、外部のプロデュース仕事で足止めされたジミー・ジャムとテリー・ルイスがサンアントニオ公演に穴を開け、その後解雇された。のちにこの2人が80〜90年代を代表するソングライター/プロデューサー・チームとして活動していくことを考えると、本作の周辺にはその後の展開につながる出来事も多い。

アルバムはBillboard 200で26位、R&Bアルバム・チャートで2位、ゴールド認定。AllMusicは5点満点中4.5と評価している。シングルは「777-9311」がR&B 2位、「The Walk」がR&B 24位、「Gigolos Get Lonely Too」がR&B 77位を記録した。

後世への影響

この作品の中でも「777-9311」は、その後のヒップホップでたびたび参照された曲として知られる。2パックの「Whatz Ya Phone #」、サー・ミックス・ア・ロットの「Beepers」、Commonなどへのサンプリングや引用が挙げられており、現在でもThe Timeのコンサートでほぼ毎回演奏される代表曲になっている。

LPは歌詞カード付きのスリーブに収められ、米国盤ではAlliedのプレスを示すランアウト刻印も確認できる。1982年のThe Timeを追ううえで、『What Time Is It?』は、制作の大半をプリンスが担ったこと、バンド内の役割分担、そして「777-9311」を中心とする後年への波及を押さえるべき1枚になっている。

トラックリスト

  1. A1 Wild And Loose 7:32
  2. A2 777-9311 7:57
  3. A3 OnedayI'mgonnabesomebody 2:27
  4. B1 The Walk 9:30
  5. B2 Gigolos Get Lonely Too 4:40
  6. B3 I Don't Wanna Leave You 6:30

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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