Isaac Hayes - Joy (1973)
Isaac Hayes 1973

Isaac Hayes - Joy (1973)

Funk / Soul Funk Soul

Isaac Hayes『Joy』

1973年にStax傘下のEnterpriseから出た『Joy』は、アイザック・ヘイズの6作目のスタジオ・アルバム。同年に発表されたライヴ盤『Live at the Sahara Tahoe』に続く作品。録音は1973年4月から5月にかけて行われ、プロデュースはヘイズ本人。演奏面では、彼のバンドであるIsaac Hayes Movementに、Memphis Strings、Movement Horns、バック・コーラスのHot Buttered Soul Unlimitedが加わっている。アレンジにはJohnny Allen、女性コーラスのアレンジにはPat Lewisが参加した。

制作背景

このアルバムの大きな特徴は、サウンドトラックを除くと全曲がヘイズ自身のオリジナル曲で構成された初めてのアルバムであること。「I Love You That's All」だけはRandall Stewart、Willie Hallとの共作となっている。制作の中心が、ソングライティングを含めてヘイズ本人に置かれた作品として整理できる。表題曲「Joy」は約16分に及び、イントロのドラム・ブレイクから始まり、ストリングスとホーンが重なる中でヘイズが語りかけるように歌う構成として紹介されている。ロサンゼルス・タイムズはこの曲を「epic(壮大)」で、「彼が録音した中でおそらく最も官能的な作品」と評している。

時代の文脈

1971年の『Shaft』で大きな成功を収めたヘイズは、1973年にもライヴ盤と本作を続けて発表している。『Joy』は、その流れの中でStax/Enterprise期の勢いを保った作品として位置づけられる。一方で同時期のStaxは経営難に向かっており、1973年夏にはIRSによる調査が報じられ、1974年には配給元CBSからの支払い遅延も起こるなど、状況は不安定になっていく。ヘイズは契約上の支払いを受けられずStaxを提訴し、のちに契約を解かれてABC傘下で自分のレーベルHot Buttered Soulを立ち上げる。そうした流れの中で見ると、『Joy』はStax/Enterprise時代の終盤に置かれた作品になる。

後世への影響

表題曲「Joy」は、その後も繰り返し参照された。Massive Attackのデビュー作『Blue Lines』(1991年)収録の「Lately」でサンプリングされ、さらにTLC、Eric B. & Rakim、Big Daddy Kaneらにも使われている。ヒップホップ以降の世代によって再び注目された曲として扱われている。また、ストリングスとホーンが渦を巻く中でヘイズが語りかけるように歌うこのスタイルは、同様のシンフォニックなソウルを展開したバリー・ホワイトにも大きな影響を与えたとされる。

補足

アルバムはBillboard 200で最高16位を記録し、表題曲の短縮版はシングルとしてBillboardのR&Bチャートで7位となった。ラストの「I'm Gonna Make It (Without You)」は、表題曲の官能的な始まりとは対照的な内省的な終わり方として触れられている。

トラックリスト

  1. A1 Joy 15:55
  2. A2 I Love You That's All 6:14
  3. B1 A Man Will Be A Man 7:20
  4. B2 The Feeling Keeps On Coming 6:48
  5. B3 I'm Gonna Make It (Without You) 11:11

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Isaac Hayes

Isaac Hayes

Isaac Hayesは、アメリカ・テネシー州コヴington生まれのシンガー、キーボード奏者、プロデューサー、ソングライター、俳優だ。1942年8月20日生まれ、...

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