Triumvirat - Mediterranean Tales (Across The Waters) (1972)
Triumvirat『Mediterranean Tales (Across The Waters)』
Triumviratのデビュー作『Mediterranean Tales (Across The Waters)』は、1972年にドイツでHarvestから出た作品。ケルンで1969年に結成されたトリオ編成のプログレ・バンドが、最初に世に出したアルバムで、録音は1972年1月、ケルンのElectrola Studiosで行われた。中心人物は鍵盤奏者のJürgen Fritzで、当時のバンドはクラシック由来の要素を前面に出した構成でスタートしている。
制作背景・エピソード
この作品は、スタジオに入る時点ですでに曲がかなり練られていたと伝えられている。結果として録音期間は短く済んだようだ。『Across The Waters』ではモーツァルトの引用が大きく使われており、初期段階からクラシックの要素を強く打ち出していたことがわかる。
歌唱面では、Jürgen FritzとHans Batheltが本格的なボーカルに自信を持っていなかったため、ベーシストのHans Papeが多くの歌を担った。曲作りは、まずFritzが音楽的テーマを構想し、その後にBatheltが歌詞を書く流れだったという。バンドの内部で、作曲と作詞、そして歌唱の役割が分かれていた点がこの時期の特徴になっている。
レーベル面では、Harvestの初期カタログに入った作品で、盤のオリジナル・プレスにはラベル上のLCコード表記がない。なお、提示された盤情報ではオリジナル・プレスの識別点としてスタンパーリングの特徴が挙げられている。
時代の文脈
1972年当時、Triumviratは西ドイツのケルンで活動する新しいプログレ・バンドとして動き出していた。The NiceやEmerson, Lake & Palmerに触発された世代として位置づけられ、のちに「ジャーマン・プログレ」の重要バンドとして扱われることになる。このデビュー作は、そうした後年の評価以前に、バンドの基本線を最初に示したアルバムだった。
Harvestからのリリースという点も重要で、EMI系の新しいプログレ用レーベルの流れに乗って登場した作品でもある。Triumviratはここからアルバムを重ね、次作『Illusions On A Double Dimple』で米国盤が出て、さらに『Spartacus』で大きなチャート成果につなげていく。『Mediterranean Tales (Across The Waters)』は、その出発点にあたる。
後世への影響
直接的なカバーやサンプリングの情報は見当たらないが、後年の回顧では本作がTriumviratの出発点として再評価されている。特に『Across The Waters』におけるモーツァルト引用と組曲構成は、バンドの個性を示す要素として繰り返し触れられている。
レビューでは、重厚なオルガン、クラシック由来の旋律、長尺組曲の展開が聴きどころとして挙げられている。また『Across The Waters』については、リラックスしたリズムで始まりつつ、途中でほとんどクラウトロック的と評される部分がある、という見方もある。別の評では、EMI/Harvestの当時の批評家が「電子音を差し引くと、ロックの陳腐さと簡素なポップの継ぎはぎ」と見た一方で、その“継ぎはぎ”の構成そのものに価値を見いだす読みも示されている。
商業面では大きなヒット作ではなく、Triumviratの作家性と方向性を示した初期作品として扱われている。デビュー作としての位置づけははっきりしていて、のちの国際的な展開の前段階にあるアルバム。
トラックリスト
- Across The Waters 16:31
- B1 Eleven Kids 6:00
- B2 E Minor 5/9 Minor /5 7:55
- B3 Broken Mirror 7:14
動画プレイリスト
このアーティストについて
Triumviratは、1969年にドイツ・ケルンで結成されたプログレッシブ・ロック・バンドだ。中心人物はキーボード奏者のユルゲン・フリッツ、ベーシストの...
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