Wilson Pickett - Hey Jude (1969)
Wilson Pickett 1969

Wilson Pickett - Hey Jude (1969)

Funk / Soul Funk Soul Rhythm & Blues

Wilson Pickett『Hey Jude』

1969年にアトランティックから出たウィルソン・ピケットの通算9作目。タイトル曲はビートルズの「Hey Jude」で、アルバム全体でも同曲が大きな軸になっている。録音は1968年11月、アラバマ州マッスル・ショールズのフェイム・スタジオで行われ、1969年2月に発売された。プロデュースはフェイムの創業者リック・ホールと、アトランティックのエンジニアだったトム・ダウド。バックにはジミー・ジョンソン、バリー・ベケット、デヴィッド・フッド、ロジャー・ホーキンスら、マッスル・ショールズ・リズム・セクションがついている。

制作背景と「Hey Jude」

この作品で最もよく知られているのが、「Hey Jude」のカバーだ。発案したのは、当時フェイム・スタジオに出入りしていた21歳のセッション・ギタリスト、デュアン・オールマン。リック・ホールとピケットは、当時全米1位だった曲をカバーすることに強く反対したが、デュアンは「世界中で知られている曲だからこそ、泥臭いソウルで歌えば強いインパクトになる」と熱心に説得し、実現にこぎ着けた。録音ではデュアンがピケットの真正面に立ち、ピケットの激しいボーカルと呼応するようにギターを激しく鳴らし合った。

アルバムには「Hey Jude」だけでなく、ステッペンウルフの「Born To Be Wild」も収録されている。白人ロックの最新ヒットをブラック・サザン・ソウルの強靭なグルーヴへと昇華させ、ジャンルの垣根を打ち破った先駆的な試みとなっている。加えて「Toe Hold」や「Save Me」でも、マッスル・ショールズの演奏陣を背景に、ピケットの歌が前面に出る骨太なファンクが展開されている。

時代の文脈

1960年代末は、公民権運動のうねりの中でサザン・ソウルが円熟期を迎えるとともに、ロックとR&Bが相互に影響を与え合いクロスオーバーが進んでいた時期。ピケットはメンフィスのスタックスに続き、マッスル・ショールズのフェイムを拠点に快進撃を続けていた。『Hey Jude』はその流れの中で制作された。

「Hey Jude」のシングルはビルボードHot 100で23位、R&Bチャートで13位を記録し、アルバムはビルボード200で97位、R&Bアルバム・チャートで15位を記録した。

後世への影響

「Hey Jude」でのデュアン・オールマンの火を噴くようなギター・ソロは音楽界に大きな衝撃を与えた。ラジオでこの演奏を聴いたエリック・クラプトンがトム・ダウドに「このギタリストは一体誰だ」と問い合わせ、それがのちのデレク・アンド・ザ・ドミノス『Layla』での共演につながった。さらに、ジェリー・ウェクスラーがデュアンの契約をすぐに買い取ったことで、オールマン・ブラザーズ・バンドの結成とサザン・ロックの興隆へと発展していった。

「Hey Jude」後半におけるピケットの野生味あふれる絶叫とデュアンのブルージーなリード・ギターの壮絶なインタープレイは、サザン・ソウルとロックが火花を散らした歴史的名演として語り継がれている。

トラックリスト

  1. A1 Save Me 2:35
  2. A2 Hey Jude 4:00
  3. A3 Back In Your Arms 2:53
  4. A4 Toe Hold 2:46
  5. A5 Night Owl 2:20
  6. A6 My Own Style Of Loving 2:38
  7. B1 A Man And A Half 2:48
  8. B2 Sit Down And Talk This Over 2:19
  9. B3 Search Your Heart 2:40
  10. B4 Born To Be Wild 2:44
  11. B5 People Make The World 2:45

動画プレイリスト

公開: 2026年11月

このアーティストについて

Wilson Pickett

Wilson Pickett

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