Zlatko Manojlović - Jednoj Ženi (1983)
Zlatko Manojlović 1983

Zlatko Manojlović - Jednoj Ženi (1983)

Rock Prog Rock

Zlatko Manojlović『Jednoj Ženi』について

Zlatko Manojlovićの『Jednoj Ženi』は、1983年に発表されたユーゴスラビアのロック作品で、彼のソロ活動を語るうえで外せない一枚だ。Zlatko Manojlovićはセルビア出身のギタリスト、作曲家、シンガーで、Džentlmeni、Fleš、Dah、Gordiといった複数のバンドを経てきた人物として知られる。このアルバムは、そうしたバンド経験を踏まえたうえでの個人作として位置づけやすく、演奏面でも作曲面でも、彼の持ち味がまとまって出ている作品になっている。

中心にあるのは、やはりタイトル曲「Jednoj Ženi」だ。この曲は1976年にリュブリャナで録音されたインストゥルメンタルとして先に存在しており、1983年のアルバムではその楽曲を軸に作品世界が組み立てられている。のちにラジオ・ベオグラードの夜間番組で象徴的に扱われたことでも知られ、単なるアルバム収録曲を超えて、彼の代表曲として広く認識されるようになった。作品全体を見ても、この曲が持つ旋律の明快さと、ギターを前面に出した構成がアルバムの核になっている印象が強い。

1983年盤としての位置づけ

本作は1983年のオリジナル作品として理解するのが自然だ。レコーディングは1983年6月末にベオグラードのスタジオ「Druga Maca」で行われており、A1のみ1977年3月にリュブリャナで録音されたテイクが使われている。つまり、このアルバムは完全な新作というより、過去の重要曲を含みつつ当時の録音で再構成した性格を持っている。Zlatkoのキャリアの中では、1970年代のユーゴスラビア・ロック時代と、のちの国際的な活動をつなぐ節目の一枚として見てよさそうだ。

参加メンバーも重要だ。元Smakのドラマー、ドラガン・ストヤノヴィッチ“Kepa”やベーシストのゾラン・ミラノヴィッチが関わっており、バンド色の強い演奏が支えている。ソロ名義ではあるが、実際の鳴りはかなりアンサンブル重視で、ギター主導のフレーズをリズム隊がしっかり受け止める形になっている。Zlatkoのギタリストとしての輪郭が前に出る一方で、伴奏が単なる下支えに留まらない点が、この時代のロック作品らしいところだ。

日本盤について

日本では1986年にNexusからK22P 616としてリリースされた。Nexusはキングレコード系のレーベルで、日本のプログレッシブ・ロックやハードロック、ヘヴィメタルの文脈で知られている。この日本盤はオリジナルから数年後の登場で、盤としては再発的な性格を持つ。盤の表記では℗1986となっており、日本市場向けに改めて流通したことがわかる。ジャケットやレーベルの違いを含め、オリジナル盤とは発売地域と時期が異なる点がポイントになる。

また、この作品は1983年のMIDEMでToshiba EMI関係者の目に留まり、日本盤につながったとされている。つまり、国内のユーゴスラビア圏だけで完結した作品ではなく、海外流通を意識させるだけの内容があったと考えられる。日本でNexusから出たことも、同レーベルの志向と合っていて、当時の輸入盤市場やプログレ/ハードロック愛好家の関心に接続しやすい一枚だったはずだ。

聴きどころ

実際に聴くと、まず耳に入るのはZlatkoのギターの歌わせ方だ。速弾きで押すタイプというより、旋律をはっきり見せながら展開していく印象がある。タイトル曲のようなインストゥルメンタルでは、その傾向がよく出ていて、メロディの反復と少しずつ変わるフレーズの置き方に耳が向く。演奏の密度は高いが、音数で圧倒するより、曲の輪郭を保ったまま進むところに特徴がある。

同時代のユーゴスラビア・ロックを思い浮かべると、SmakやGordi、Dah周辺の流れと近い空気はある。ただし本作は、バンドの総合力を競うというより、Zlatko個人の作曲とギター表現を前に出した作品としてまとまっている。のちにドイツへ移ってからTina Turner、Phil Collins、Eros Ramazzottiらと活動を重ねることになるが、その前段階で、すでに国境をまたぐ通用性を感じさせる作りになっているのが面白いところだ。

まとめ

『Jednoj Ženi』は、Zlatko Manojlovićの代表曲を軸にしながら、1983年当時の演奏感覚と録音でまとめられたソロ作品だ。1976年録音の重要曲を含みつつ、1983年のアルバムとして再提示されたことで、彼のキャリアの中でも記憶されやすい位置に置かれている。1986年の日本盤は、その作品をNexusの文脈で受け取れる形にしたもので、ユーゴスラビア・ロックを日本で追ううえでも見落としにくい存在になっている。

トラックリスト

  1. A1 Jednoj Ženi (Instrumental)
  2. A2 Balada Za Tebe
  3. A3 Ponekad Ću Da Ti Se Javim
  4. A4 Hej, Šta Radiš
  5. B1 Trebaš Mi
  6. B2 Volim Vas Zauvek
  7. B3 Sweet, Sweet, Credit
  8. B4 Nikad Neću Biti Tvoj
  9. B5 Lovac Na Snove (Instrumental)

動画プレイリスト

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