First Choice - Delusions (1977)
First Choice『Delusions』(1977)
フィラデルフィアが生んだ伝説の女性ボーカル・トリオ、ファースト・チョイス(First Choice)が1977年に発表したディスコ/フィリー・ソウル史に燦然と輝く最高傑作『Delusions』(ディリュージョンズ)。名匠ノーマン・ハリスがサルソウル・レコード(Salsoul Records)傘下に新設したレーベル「ゴールド・マインド(Gold Mind Records)」の記念すべき第1弾LP(品番GZS-7501)として世に送り出され、のちのハウス・ミュージック誕生の礎となった金字塔である。
黄金のB-H-Yプロダクションとシグマ・サウンド
本作のプロデュースを手掛けたのは、ノーマン・ハリス、ロン・ベイカー、アール・ヤングからなるフィリー・ソウルの最高峰制作チーム「B-H-Y(Baker-Harris-Young Productions)」。レコーディングは聖地フィラデルフィアのシグマ・サウンド・スタジオで行われ、MFSBの中核を担った名手たちが一堂に会した。アール・ヤングが叩き出す躍動的な4つ打ちビート、ロン・ベイカーのうねるベースライン、ノーマン・ハリスの流麗なカッティング、そしてドン・レナルド率いる壮麗なストリングスとホーンが完璧なアンサンブルを構築している。
そして何より、リード・シンガーのロシェル・フレミング(Rochelle Fleming)による圧倒的な歌唱がアルバムを唯一無二の高みへと引き上げている。アネット・ゲストとアーシュラ・ヘリングによる分厚いハーモニーを背に、ゴスペル仕込みの力強いダイナミズムと豊かな情感を込めて歌い上げる彼女のボーカルは、ディスコ/ソウル界でも屈指の存在感を誇る。
「Doctor Love」とハウスの聖典「Let No Man Put Asunder」
本作には、クラブ・ミュージック史に永遠に刻まれる2大アンセムが収録されている。オープニングの「Doctor Love」は、華やかなホーンと疾走するストリングスがフロアを沸かせるフィリー・ディスコの決定版。トム・モールトンによる12インチ・リミックスとともに全米のダンスフロアを熱狂させ、R&Bチャートでも大ヒットを記録した。
そしてB面3曲目に配された「Let No Man Put Asunder」は、音楽史における奇跡的な名曲である。発売当初はシングル化されなかったものの、1980年代初頭のシカゴにおいて「ハウス・ミュージックのゴッドファーザー」フランキー・ナックルズが伝説的クラブ「The Warehouse」でヘビープレイしたことから神話化。その後サルソウルから正規リリースされたフランキー・ナックルズやシェップ・ペティボーンによるリミックスは、シカゴ・ハウスからニューヨーク・ガラージ、果ては世界のダンスフロアを席巻し、ボーカル・フレーズが無数のトラックにサンプリングされるなど、ハウス・ミュージックの原典として不滅の生命力を獲得した。
アルバムとしての完成度と後世への影響
さらにスティーヴィー・ワンダーのカバー「Love Having You Around」でのファンキーな疾走感や、壮大なストリングスが胸を締めつける「Chances Go Around」、甘美でメロウなバラード「I Love You More Than Before」など、捨て曲皆無の完成度を誇る。フィリー・ソウルの洗練された甘美さとサルソウル直系のヘヴィなダンス・グルーヴが高次元で結実した、70年代ブラック・ミュージックの最高峰である。
トラックリスト
- A1 Dr. Love 5:17
- A2 Indian Giver 4:58
- A3 Love Having You Around 6:57
- A4 Gamble On Love 3:00
- B1 Chances Go Around 6:00
- B2 I Love You More Than Before 4:16
- B3 Let No Man Put Asunder 4:28
- B4 Do Me Again 3:50
- B5 Jimmy "D" 2:55
動画プレイリスト
このアーティストについて
First Choiceは、フィラデルフィア出身の女性ヴォーカル・トリオだ。ジャンルはFunk / Soul、スタイルとしてはSoulやDiscoに位置づけられている。メン...
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