Harlem Underground Band - Harlem Underground (1976)
Harlem Underground Band 1976

Harlem Underground Band - Harlem Underground (1976)

Jazz Funk / Soul Funk Soul-Jazz

Harlem Underground Band『Harlem Underground』

1976年にニューヨーク・ハーレムの独立レーベルPaul Winley Recordsから発表されたスタジオ・プロジェクト作品。50年代のドゥーワップ期から活躍し、のちにオールドスクール・ヒップホップ黎明期にも重要な役割を果たしたプロデューサー、ポール・ウィンリー(Paul Winley)が腕利きのミュージシャンたちを結集して創り上げた、ソウル・ジャズとディープ・ファンクの傑作である。

制作背景と参加ミュージシャン

本作のバックを務めるのは、固定されたグループではなくポール・ウィンリーのディレクションのもとに集った精鋭スタジオ・セッション隊である。名門ジャズ・ギタリストとして名を馳せるジョージ・ベンソンが変名・覆面セッション的に参加しているほか、テナー・サックス奏者のウィリス・ジャクソン、オルガン奏者のデイヴ・“ベイビー”・コルテス(David Clowney)、ブルース・ハープの名手バディ・ルーカス、ドラマーのアール・ウィリアムズ、そしてポールの妻でありシンガーのアン・ウィンリーらが名を連ねている。

収録曲の中でもひときわ異彩を放つのが、アルバム冒頭の「Smokin' Cheeba-Cheeba」である。バディ・ルーカスの咆哮するハーモニカと強烈なドラム・ブレイク、煙が立ち込めるような怪しげな空気感が一体となった長尺ファンクであり、レア・グルーヴ/ブレイクビーツの決定打として君臨している。さらに、9分超に及ぶヘヴィなディープ・ファンク「Fed Up」(ボーカル版とインスト版を収録)や、ビル・ウィザースのペンによる名曲「Ain't No Sunshine」のカバーなど、ジャズ由来の確かな演奏力とストリートの生々しいグルーヴが全編にみなぎっている。

時代の文脈と後世への影響

Paul Winley Recordsは、のちにアフリカ・バンバータ(Afrika Bambaataa)の初期音源や娘たちのラップ・レコードを手掛けるなど、ヒップホップ黎明期の最重要インディーズ・レーベルのひとつとして知られる。1976年に吹き込まれた本作は、そうしたヒップホップ前夜のニューヨークのクラブやストリートの熱気をそのまま真空パックしたような生々しさを誇る。

特に「Smokin' Cheeba-Cheeba」の骨太なドラム・ブレイクとリフは、エリック・B&ラキム、ビースティ・ボーイズ、トーン・ロック、カンパニー・フロウなど数多のヒップホップ・アーティストにサンプリングされ、ゲーム『Grand Theft Auto: San Andreas』の劇中ラジオ局でもフィーチャーされるなど、時代とカルチャーを超えて愛され続けている。ハーレムのアンダーグラウンドな熱気が凝縮された、70年代ファンク/レア・グルーヴ屈指の歴史的名盤である。

トラックリスト

  1. A1 Smokin' Cheeba-Cheeba 7:44
  2. A2 Fed Up "Vocal" 9:34
  3. B1 Finger In It 5:42
  4. B2 Ain't No Sunshine 2:21
  5. B3 Fed Up "Instrumental" 9:54

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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