Jimmy Smith - Sit On It! (1977)
Jimmy Smith『Sit On It!』(1977)
ハモンドB-3オルガンの第一人者ジミー・スミス(Jimmy Smith)が、1977年にMercuryからリリースしたジャズ・ファンク/フュージョン屈指の快作。1950〜60年代にBlue NoteやVerveでソウル・ジャズの礎を築いた巨匠が、1970年代後半のディスコやアーバン・ソウルの熱気と真正面から向き合い、シンセサイザーも取り入れた重量級のダンス・グルーヴを繰り広げている。
制作背景と豪華な参加ミュージシャン
プロデュースとアレンジを担当したのは、マリーナ・ショウの名盤『Who Is This Bitch, Anyway?』などを手掛けた鬼才ユージン・マクダニエルズ(Eugene McDaniels)。ブラック・ミュージックの本質を突く卓越したプロデュースワークにより、ジャズとファンクの刺激的なクロスオーバーを実現させた。
参加メンバーも破格の豪華さを誇る。アコースティック・ピアノにハービー・ハンコック(Herbie Hancock)、ドラムにリターン・トゥ・フォーエヴァーのレニー・ホワイト(Lenny White)、ベースに名手エイブラハム・ラボリエル(Abraham Laboriel)が参加。さらにギターには、後に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『アベンジャーズ』など数々の映画音楽を手掛け世界的名声を博すアラン・シルヴェストリ(Alan Silvestri)が名を連ねている。
収録曲とサウンドの特徴
アルバムの白眉は、8分超におよぶオープニング・トラック「Give Up The Booty」。シルヴェストリが共作者としてもクレジットされたこの曲は、うねりを上げるスラップ・ベースとタイトなドラム・グルーヴに乗せて、ジミー・スミスのファンキーなハモンド・オルガンが唸りを上げる屈指のキラー・チューンである。
続く「Can't Hide Love」はアース・ウィンド&ファイター(Earth, Wind & Fire)の名演で名高いスキップ・スカーボロウ(Skip Scarborough)の名曲カバー。洗練されたメロウなインストゥルメンタルへと見事に昇華している。さらに、スペーシーなシンセとオルガンが浮遊する「My Place In Space」、心地よい疾走感を持つ「Born To Groove / From You To Me To You」「Slippery Hips」に至るまで、極上のグルーヴが全編を貫く。
時代における位置づけと後世の評価
本作は、アコースティックなソウル・ジャズから1970年代後半のヘヴィ・ファンク/クロスオーバーへと大きく舵を切ったジミー・スミスのキャリア転換期を象徴する作品。リリース当時はジャズ純血主義者から賛否を呼んだものの、1980年代末以降のアシッド・ジャズやレアグルーヴ・ムーブメントにおいて熱狂的な再評価を獲得した。
とりわけ「Give Up The Booty」の太いベースラインと骨太なビートは、クラブDJやヒップホップ世代を魅了し続け、70年代ジャズ・ファンクの傑作として不朽の輝きを放っている。
トラックリスト
- A1 Give Up The Booty 8:17
- A2 Can't Hide Love 5:07
- A3 Cherrystones 6:12
- B1 My Place In Space 7:34
- B2 Born To Groove/From You To Me To You 6:45
- B3 Slippery Hips 4:49
動画プレイリスト
このアーティストについて
Jimmy Smithは、1928年12月8日にアメリカ・ペンシルベニア州ノーリスタウンで生まれ、2005年2月8日にアリゾナ州スコッツデールで亡くなったジャズ・キ...
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