Lincoln Olivetti & Robson Jorge - Robson Jorge & Lincoln Olivetti (1982)
Lincoln Olivetti & Robson Jorge 1982

Lincoln Olivetti & Robson Jorge - Robson Jorge & Lincoln Olivetti (1982)

Electronic Jazz Funk / Soul Latin Boogie Funk Fusion

Robson Jorge & Lincoln Olivetti『Robson Jorge & Lincoln Olivetti』

ブラジルの編曲家・鍵盤奏者Lincoln Olivettiと、ギタリストのRobson Jorgeが連名で残した唯一のアルバム。1982年にSom Livreから出た本作は、タイトル通り2人の名前をそのまま掲げた作品で、インストゥルメンタルを中心に、ブギー・ディスコとジャズ・ファンク、フュージョンの要素を混ぜた内容として紹介されている。現在ではブラジル盤の中でも入手困難な一枚として知られ、のちの再評価も大きい。

制作背景・エピソード

Lincoln Olivettiは1954年にリオデジャネイロ州ニロポリスで生まれ、4歳から音楽を始めた。音楽院や国立音楽学校で学んだのち、1973年にはバンドの機材を売ってアメリカへ渡り、ローズ・ピアノ、クラヴィネット、ARPストリング・アンサンブル、ミニモーグといった鍵盤を買い集めたという。1977年にプロデューサーのマウロ・モッタに誘われてCBSで働き始め、そこでRobson Jorgeと出会った。

2人はトニー・ビザーロの『Neste Inverno』で共演し、同年にOlivettiがRobsonのアルバムの編曲と作曲も担当している。その後はSom Livreと契約し、同レーベル所属の歌手たちの演奏や編曲を広く担うようになった。ガル・コスタ、ジルベルト・ジル、チン・マイア、ジョルジ・ベン、ヒタ・リー、ホベルト・カルロス、カエターノ・ヴェローゾ、マルコス・ヴァーリらの作品に関わり、Olivettiは1982年には年間平均360曲を編曲していたという。さらに、出版社Asfraと鍵盤レンタル会社Linkeを共同で設立し、ジャカレパグアの自宅には16チャンネルの卓を備えたスタジオも作っていた。

本作は1982年9月16日にSom Livreから発売された。ディレクターはマックス・ピエール。盤にはクレジット・インサートが付属し、ランアウトはスタンプ刻印。

時代の文脈

発売当時、本作はラジオやダンスホールでヒットしたとされる。一方で、シンセサイザーを多用する2人の仕事は、MPBを「殺菌処理」してアメリカ化しているとして批評家から批判も受けた。ドゥービー・ブラザーズの「What a Fool Believes」に似たフレーズを使ったとして盗用を指摘されたこともあり、擁護に回った数少ない批評家のひとりがネルソン・モッタだった。

Olivetti自身は、こうした批判やインタビュー、写真を嫌う性格もあって、約10年間表舞台から遠ざかったという。2013年のインタビューでは、報道があまりに否定的だったため自分は取材に応じず、Robsonを代わりに行かせていたと語っている。スタジオではサングラスをかけ、照明を落とし、夜にしか録音しなかったことから「大コウモリ」と呼ばれ、「見れば見るほど、聴こえなくなる」という言葉も残している。

後世への影響

本作はのちにブラジルでも特に希少で高価なアナログ盤のひとつとなり、世界中のDJにかけられ、リミックスされる国際的な定番になった。2017年にはMr Bongoが再発し、ドイツのHHVは近年のリオのファンク再発の中でも優れたもののひとつと評している。

再評価の流れの中では、ドナチーニョ、アレシャンドリ・カシン、ルーカス・アルーダら新しい世代のミュージシャンが2人の仕事を再発見した。2011年にはOlivettiがカシンとともにステージに戻り、本作の曲を演奏している。Robson Jorgeは1992年に、Olivettiは2015年1月に60歳で亡くなった。さらに、2人が計画していた2作目のための1982〜86年の未発表曲5曲は、2023年にSelva Discosから『Déjà Vu』として発表された。

聴きどころとして挙げられている点

レコード店や批評では、メロディアスなフック、ホーン・アレンジ、スキャット・ボーカル、ブギーのグルーヴが評価されている。2023年の『Déjà Vu』について、Resident Advisorはプリンス風のシンセ、エレクトロ・ブギー、ディスコ風のボーカルに触れている。Olivettiはジェリー・ヘイ、クインシー・ジョーンズ、TOTOから編曲を学んだとされ、Linn 9000、オーバーハイムOB-X、ローランド・ジュピター8、ヤマハCS-80などのシンセサイザーを早くから使いこなしていた。

トラックリスト

  1. A1 Jorgeia Corisco 3:45
  2. A2 No Bom Sentido 3:23
  3. A3 Aleluia 3:51
  4. A4 Raton 0:51
  5. A5 Pret-À-Porter 3:26
  6. A6 Squash 3:58
  7. B1 Eva 5:44
  8. B2 Fá Sustenido 3:03
  9. B3 Zé Piolho 0:44
  10. Baila Comigo / Festa Braba 3:30
  11. B5 Ginga 3:02
  12. B6 Alegrias 3:10

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Lincoln Olivetti & Robson Jorge

Lincoln Olivetti & Robson Jorge

Lincoln Olivetti & Robson Jorgeは、ブラジルのリオデジャネイロで活動した2人組だ。1970年代後半から1980年代にかけて、編曲家、演奏家、作曲家...

Lincoln Olivetti & Robson Jorge のプロフィール・作品一覧
Share
戻る

あわせて聴きたい "Fusion"

toast