Leroy Hutson - Hutson II (1976)
Leroy Hutson 1976

Leroy Hutson - Hutson II (1976)

Funk / Soul Funk Soul

Leroy Hutson『Hutson II』

リロイ・ハトソン(Leroy Hutson)が1976年11月にカーティス・メイフィールド主宰の名門カートム・レコード(Curtom)から発表した通算5作目のソロ・アルバムが『Hutson II』である。前年の名盤『Hutson』(1975年)の音楽的到達点をさらに推し進め、ハトソン自身が作詞・作曲・編曲・プロデュースのすべてを自ら掌握。シカゴ・ニュー・ソウルの洗練を極めた傑作として燦然と輝く1枚である。

制作背景・エピソード

ハトソンはハワード大学時代にダニー・ハサウェイのルームメイトとして歴史的名曲「The Ghetto」を共作した経歴を持つ。1970年にはカーティス・メイフィールドの後任としてジ・インプレッションズ(The Impressions)のリード・シンガーに抜擢され、1973年のソロ転向後もカートムの看板アーティスト兼プロデューサーとして重責を担い続けた。本作でもシカゴ屈指の腕利きスタジオ・ミュージシャンたちを率い、オーケストレーションからリズム隊のアンサンブルに至るまで、極めて緻密なトータル・プロデュースを貫いている。

時代の文脈とサウンド

1976年当時のアメリカ音楽界はディスコ・ブームが急速に拡大し、多くのソウル勢が派手な四つ打ちビートへと傾倒していた。その中にあってハトソンは時流に迎合することなく、シカゴ・ソウル伝統の芳醇なストリングスとホーン・アレンジ、ジャズ由来のテンション・コードを活かした独自のメロウ・グルーヴを深化した。

最大の魅力は、シルキーで温かみのあるボーカルと柔らかなファルセット、そして贅沢なオーケストレーションが一体となったサウンドの気品にある。爽快で甘美なアップテンポ「Love The Feeling」、流麗でジャジーなインストゥルメンタル「Situations」、至福のスロウ・バラード「I Think I'm Falling In Love」、さらに濃厚なファンク・ビートが蠢く「Blackberry Jam」や「Sofunkstication」など、全編にわたって一切の隙がない完成度を誇る。

後世への影響

1980年代後半以降のイギリスにおけるレア・グルーヴ・ムーヴメントにおいて、ノーマン・ジェイやジャイルズ・ピーターソンらトップDJたちがハトソンの諸作を発掘・激賞したことで、世界的な再評価の波が巻き起こった。本作の「Love The Feeling」はThe 45 Kingが手がけたチル・ロブ・Gのヒップホップ・クラシック「Chillin'」でサンプリングされ、「Don't It Make You Feel Good」はナズ(Nas)のアルバム『The Lost Tapes II』収録「You Mean the World to Me」(カニエ・ウェスト・プロデュース)にサンプリングされた。

英アシッド・ジャズ(Acid Jazz)レーベルによる公式リイシューなどを経て、現在もソウル、ジャズ、ヒップホップを横断するタイムレスなマスターピースとして愛され続けている。

トラックリスト

  1. A1 Love The Feeling 2:53
  2. A2 Situations (Instrumental) 1:10
  3. A3 I Do I Do (Want To Make Love To You) 3:27
  4. A4 I Think I'm Falling In Love 3:28
  5. A5 Love To Hold You Close 3:19
  6. B1 Flying High 3:49
  7. B2 Blackberry Jam 4:50
  8. B3 Sofunkstication 4:45
  9. B4 Don't It Make You Feel Good 3:04

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Leroy Hutson

Leroy Hutson

Leroy Hutsonは、1945年6月4日生まれのアメリカ・ニュージャージー州ニューアーク出身のヴォーカリスト、キーボード奏者、ソングライター、プロデュー...

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