The Flower Kings - Waiting For Miracles (2019)
The Flower Kings『Waiting For Miracles』
The Flower Kingsが2019年に発表した『Waiting For Miracles』は、2013年の『Desolation Rose』以来となるThe Flower Kings名義のスタジオ作で、ダブル・アルバムとしてリリースされた。2019年6月、ストックホルムのRMV Studiosで制作され、ABBAのベニー・アンダーソン所有のスタジオが使われたという点も、この作品の背景として特筆される。2019年11月8日の発表に向けて進められたこのセッションでは、ロイネ・ストルトが若手キーボーディストのザック・カミンズとドラマーのジャスティン・デマイオの参加を「ビタミン補給」と表現している。
制作背景と録音時のエピソード
収録曲のいくつかは、参加メンバーの個性がそのまま起点になっている。カミンズが作った「House of Cards」と「Ascending To The Stars」、デマイオのドラムから発想した「The Rebel Circus」など、制作の流れが具体的に語られているのが印象的だ。ロイネ・ストルトは、2018年の“Roine Stolt’s The Flower King”名義作やライブ活動を経て、旧曲を新しい感覚で捉え直せたとも話している。制作面では、ストルトが実験的で提案に開かれた姿勢を持っていたとカミンズが証言しており、メンバー間のやり取りが作品の推進力になっていたことがうかがえる。
レコード仕様はゲートフォールド、180グラム盤、歌詞シート付き。CDはダブル・ファイルのプラスチック・スリーブ仕様で、リリースはInside Out MusicのIOMLP 540。ヨーロッパ盤として流通し、℗ 2019 InsideOutMusic under exclusive license from Foxtrot Music AB、© 2019 Century Media Records Ltd. under exclusive license from InsideOutMusic/Foxtrot Music ABというクレジットが付く。
時代の文脈
The Flower Kingsは1993年にロイネ・ストルトを中心に結成されたスウェーデンのシンフォニック・プログレッシブ・ロック・バンドで、2019年時点ではストルト、ハッセ・フローベリ、ラレ・ラーション、マイケル・ストルト、ミルコ・デマイオの編成だった。『Waiting For Miracles』は、その再始動の流れの中で出てきた作品として扱われている。ストルト自身は、90年代後半に知られた楽しさと遊び心のあるスタイルに戻ったと語っており、Louderは本作を、2013年以降の停滞を経て若返った編成で作られた復活作として紹介している。
同時代のプログレ回帰の文脈の中では、80年代以降に続いてきた古典的シンフォニック・プログの再提示として見られている。内容面では、社会不安や環境問題への視線が歌詞ににじみ、「Miracles For America」には現代アメリカへの苦いまなざしが含まれているとされる。こうした点も含めて、長いキャリアの中での再出発を示す一枚として記録されている。
聴きどころとして語られた点
批評では、Yesを連想させる透明感ある進行、厚いハーモニー、シンフォニックな展開が挙げられている。The Prog Reportは「House of Cards」から「Black Flag」への流れを、バンドの持ち味を再確認させる導入として評価し、Louderは「We Were Always Here」を“非常にYes的”と評した。こうした評価は、旧来のThe Flower Kingsらしさと、新しい参加者による更新が同居していることを示すものとして読める。
また、Louderでは、カミンズがストルトの制作姿勢を「実験的で、提案に開かれている」と語っており、若い感性が加わったことで音色やアレンジに変化が生まれていることも触れられている。チャート面ではOfficial Chartsのアーティスト履歴に2019年の記録が残るが、確認できる範囲では順位や売上枚数までは示されていない。
トラックリスト
- A1 House Of Cards
- A2 Black Flag
- A3 Miracles For America
- B1 Vertigo
- B2 The Bridge
- B3 Ascending To The Stars
- C1 Wicked Old Symphony
- C2 The Rebel Circus
- C3 Sleep With The Enemy
- C4 The Crowning Of Greed
- D1 House Of Cards Reprise
- D2 Spirals
- D3 Steampunk
- D4 We Were Always Here
- D5 Busking At Brobank
- CD1-1 House Of Cards 1:55
- CD1-2 Black Flag 7:37
- CD1-3 Miracles For America 9:54
- CD1-4 Vertigo 10:02
- CD1-5 The Bridge 5:17
- CD1-6 Ascending To The Stars 5:32
- CD1-7 Wicked Old Symphony 5:39
- CD1-8 The Rebel Circus 5:45
- CD1-9 Sleep With The Enemy 5:48
- CD1-10 The Crowning Of Greed 4:51
- CD2-1 House Of Cards Reprise 1:20
- CD2-2 Spirals 5:04
- CD2-3 Steampunk 6:21
- CD2-4 We Were Always Here 7:36
- CD2-5 Busking At Brobank 0:52
動画プレイリスト
このアーティストについて
The Flower Kingsは、スウェーデン出身のプログレッシヴ・ロック・バンドだ。中心人物はギタリスト/ヴォーカリストのロイネ・ストルトで、1993年に彼...
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