The Flower Kings - Love (2025)
The Flower Kings 2025

The Flower Kings - Love (2025)

Rock Prog Rock

The Flower Kings『Love』レビュー

スウェーデンのシンフォニック・プログレッシヴ・ロック・バンド、The Flower Kingsが2025年に発表した17作目のスタジオ・アルバムが『Love』だ。2023年の『Look at You Now』に続く作品で、Inside Out Musicから欧州盤としてリリースされた。ロイネ・ストルトを中心に1993年から活動してきたバンドで、長尺曲、組曲的な展開、鍵盤とギターの応酬を軸にした作風は、いまもこのグループの核にある。

編成と制作の輪郭

本作の中心は、ロイネ・ストルト、ハッセ・フレーベリ、ミカエル・ストルトという初期からの3人に、ラッレ・ラーションとミルコ・デ・マイオを加えた5人体制。ロイネ自身がプロデュース、ミックス、マスタリング、エンジニアリングまで担当しており、作品全体の輪郭がかなり明確に揃っている。ゲストにはヤニカ・ルンド、ハッセ・ブルニュソン、アリアクサンドル・ヤシンスキが参加している。

LPは2枚組で全12曲収録。Gatefold仕様の通常ブラック・ヴァイナルで、歌詞シートとブラックのポリ内袋が付属する。欧州盤らしい実用的な作りで、ジャケット前面のステッカーには「Experience the magic of LOVE!」「The new studio album from swedish prog-rock legends The Flower Kings」「Gatefold 2LP」といった文言が入っている。

楽曲の流れ

収録曲は長めの曲が並び、バンドの持ち味がはっきり出る構成。オープニングの「We Claim The Moon」は、過去作への目配せを含みながら、The Flower Kingsらしいバンド・サウンドを最初に置く役割を担っている。「Considerations」は10分級の展開を持つ曲で、レビューではこの曲がバンドの代表的な到達点に並ぶ内容として触れられている。「Kaiser Razor」はロイネとラーションのギターとキーボードの掛け合いが前に出るインスト曲、「World Spinning」は鍵盤の比重が大きい。「The Elder」は内省的な流れ、「Walls of Shame」はギターの印象が強い曲として挙げられている。

全体を通して、60年代末から70年代初頭のプログレを土台にした構成が見えてくる。Yesの「Awaken」やKing Crimsonを思わせる要素が指摘されているのも、このアルバムの性格をよく示している。単に技巧を並べるのではなく、曲ごとの展開の切り替え、コーラスの入り方、鍵盤とギターの受け渡しで流れを作るタイプの作品だ。

テーマと位置づけ

タイトル通り、本作の軸にあるのは「愛」。ただし甘い題材に寄るのではなく、喪失、探求、危機、再生といった過程をたどりながら、最後に知恵や変化へ向かう流れとして組み立てられているとされる。The Flower Kingsはキャリアを通じてシンフォニック・プログレの文法を守りながら、時期ごとに編成や音像を変えてきたが、『Love』はその蓄積がかなり整理された形で出たアルバムに見える。

批評面でも反応は強い。Prog誌は5点満点中4点、Spillは4.5点を与え、Goldmineは2025年のトップ・プログレ・アルバムのひとつに挙げている。特に「Considerations」への評価は高く、バンドの長尺志向とメロディの組み立てが両立した場面として受け止められている。

まとめ

『Love』は、The Flower Kingsが長年積み上げてきたシンフォニック・プログレの手つきを、2025年時点の編成でまとめ直したアルバムだ。ロイネ・ストルトの主導性がはっきりしていて、ギター、キーボード、コーラスが細かく行き来する構成が全編を支配する。代表曲という意味では「Considerations」がまず挙がるが、アルバム全体としては1曲ごとの役割が明確で、連続した流れの中で聴く作りになっている。The Flower Kingsの現在地を示す作品として、2025年の同系統の作品群の中でも存在感のある一枚だ。

トラックリスト

  1. A1 We Claim The Moon 6:36
  2. A2 The Elder 11:09
  3. B1 How Can You Leave Us Now!? 5:52
  4. B2 World Spinning 2:04
  5. B3 Burning Both Edges 7:43
  6. B4 The Rubble 4:17
  7. C1 Kaiser Razor 2:26
  8. C2 The Phoenix 3:35
  9. C3 The Promise 3:56
  10. C4 Love Is 6:02
  11. D1 Walls Of Shame 6:57
  12. D2 Considerations 10:14

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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