Jackson 5 - Jackson 5 Christmas Album (1970)
The Jackson 5 1970

Jackson 5 - Jackson 5 Christmas Album (1970)

Funk / Soul Soul Rhythm & Blues Holiday

Jackson 5『Jackson 5 Christmas Album』(1970)について

Jackson 5の『Jackson 5 Christmas Album』は、1970年にMotownから出たクリスマス・アルバムである。ちょうどこの時期のJackson 5は、「I Want You Back」「ABC」「The Love You Save」「I'll Be There」といった全米1位曲を次々と放っていた最中で、グループの勢いがそのまま季節作品に持ち込まれた形になる。いわゆる“ヒット直後の便乗作”というだけではなく、当時のMotownが持っていた制作力と、Jackson 5の歌唱力をそのまま記録した一枚として残っている。

作品の位置づけ

Jackson 5にとって本作は、デビュー期の頂点に近いタイミングで出たアルバムである。1969年から1970年にかけての快進撃を受け、その勢いを年末商戦に結びつけた作品でもある。グループの中心にいたのは当時12歳のマイケル・ジャクソンで、アルバム全体でも彼のリード・ボーカルが軸になっている。兄たちのコーラスがその周囲を支え、Motown流の整ったバックトラックに乗る構図がはっきりしている。

Jackson 5は、ソウルとポップスの間を自然に行き来できるグループとして評価されてきたが、このアルバムではその特性がクリスマス曲の枠の中で分かりやすく出ている。定番曲をそのままなぞるだけでなく、オリジナル曲も2曲入っている点が重要で、単なる季節盤以上のまとまりを持たせている。

収録内容と曲の特徴

収録曲には「Santa Claus Is Comin' to Town」「Frosty the Snowman」「Rudolph the Red-Nosed Reindeer」「I Saw Mommy Kissing Santa Claus」など、広く知られたクリスマス・スタンダードが並ぶ。こうした曲は他のソウル歌手やポップ・アーティストも多く録音しているが、Jackson 5版では子どもらしい声質とリズムの強さが前に出る。とくに「Santa Claus Is Comin' to Town」はシングルとしても出され、今でもクリスマス時期の定番として扱われることが多い。

オリジナル曲の「Give Love on Christmas Day」は、ベリー・ゴーディ、フォンス・ミゼル、フレディ・ペレン、ディーク・リチャーズによる制作チーム「ザ・コーポレーション」が手がけた楽曲で、Motownらしいメロディの運びがある。「Christmas Won't Be the Same This Year」はパム・ソーヤーとラヴァーン・ウェアの共作で、こちらも既成曲群の中で違和感なく並ぶ作りになっている。アルバム全体としては、派手なアレンジよりも、歌と演奏のバランスを重視した構成でまとまっている。

制作陣とMotown的な背景

制作はザ・コーポレーションに加え、ハル・デイヴィスが担当し、アレンジにはジェームス・アンソニー・カーマイケルとジーン・ペイジが参加している。Motownの作品らしく、歌、演奏、アレンジの役割分担が明確で、当時のヒット曲制作の仕組みがそのまま季節アルバムにも反映されている。1970年のMotownは、グループ・サウンドとポップ・ヒットの両方を強く持っていた時期で、この作品もその流れの中にある。

同時代のクリスマス作品と比べると、ここではジャズ寄りの洒落た雰囲気よりも、R&Bとポップスの間を行く明快さが前面にある。Jackson 5の持ち味は、子ども向けの季節盤という枠に収まりきらず、ソウル・グループとしての勢いをそのまま伝えている点にある。兄弟グループならではのコーラスのまとまりも、こうした定番曲でよく分かる。

チャート成績とその後

本作は1970年12月のBillboardの特設クリスマス・アルバム・チャートで4週連続1位を記録し、その年と1972年の米国で最も売れたクリスマス・アルバムになった。通常のチャートでもBillboard 200で28位、R&Bアルバム・チャートで5位を記録している。売上は世界で300万枚を超えるとされ、長く再発されてきた。1986年には米国で初CD化され、その後もリマスター盤や拡張版が出ている。

オリジナルの1970年盤は、MotownのMS713という番号で出たUS盤である。後年の再発ではCD化や音質調整が行われているが、この時期のモータウン作品らしいまとまりは、初期LPならではの空気として受け取られてきた。ジャクソン5の代表作群の中では、シングルの大ヒット作ほど語られないこともあるが、グループの初期ピークを季節盤の形で残した記録として重要な位置にある。

まとめ

『Jackson 5 Christmas Album』は、Jackson 5の全盛期をそのまま封じ込めたクリスマス・アルバムである。定番曲、オリジナル曲、若いマイケルのリード、Motownの制作力が一つにまとまり、1970年という年の空気もよく映っている。クリスマス作品としてだけでなく、デビュー直後のJackson 5がどれほど強い存在だったかを示す一枚として見えてくる。

トラックリスト

  1. A1 Have Yourself A Merry Little Christmas 5:10
  2. A2 Santa Claus Is Comin' To Town 2:25
  3. A3 The Christmas Song 2:45
  4. A4 Up On The Housetop 3:11
  5. A5 Frosty The Snowman 2:30
  6. B1 The Little Drummer Boy 3:06
  7. B2 Rudolph The Red-Nosed Reindeer 2:30
  8. B3 Christmas Won't Be The Same This Year 2:30
  9. B4 Give Love On Christmas Day 2:58
  10. B5 Someday At Christmas 2:38
  11. B6 I Saw Mommy Kissing Santa Claus 2:59

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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