The Supremes - Meet The Supremes (1962)
The Supremes『Meet The Supremes』
ザ・スプリームス(The Supremes)の記念すべきファースト・アルバム『Meet The Supremes』は、1962年12月8日にモータウン(Motown)からリリースされた。1964年に「Where Did Our Love Go」で世界的なメガブレイクを果たす前、いわゆる“ノー・ヒット・スプリームス”と呼ばれていた黎明期の下積み時代を記録した貴重なドキュメントである。デトロイトのヒッツヴィルUSAスタジオで録音された全11曲が収められている。
制作背景と録音の経緯
本作は、前身グループのプライメッツ(The Primettes)時代を経てモータウンと契約した彼女たちが、デビューシングル「I Want a Guy」(1961年)から約2年間にわたって吹き込んだ楽曲を集約したアルバムである。初期メンバーのバーバラ・マーティン(Barbara Martin)が結婚・妊娠のため1962年初頭に脱退したため、ジャケット写真にはダイアナ・ロス(Diana Ross)、メアリー・ウィルソン(Mary Wilson)、フローレンス・バラード(Florence Ballard)の3人だけが写っているが、収録曲の多くにはマーティンの歌声も残されている。
制作面では、モータウン創設者のベリー・ゴーディ・ジュニア(Berry Gordy Jr.)とスモーキー・ロビンソン(Smokey Robinson)が中心となり、プロデュースと作詞作曲を手がけた。後にダイアナ・ロスが絶対的リードに固定される前の作品であるため、フローレンス・バラードがドスの利いたパワフルな歌声を聴かせる「Buttered Popcorn」や、メアリー・ウィルソンが甘く艶やかに歌う「Baby Don't Go」など、メンバー個々の高いボーカル・ポテンシャルが刻まれている。
オリジナル盤(1962年プレス)は、赤いスタジオ背景の中で3人がスツール(丸椅子)に腰掛けた写真が採用されたことから、コレクターの間で「スツール・カバー(Stool Cover)」と呼ばれ、現存数が極めて少ない幻の激レア盤として知られる。発売当時は商業的成功に至らなかったが、1964年の大ブレイク後に3人の顔を大写しにした別ジャケット(Faces Cover)で再発された。
時代の文脈
1962年当時、モータウン社内ではマーヴェレッツ(The Marvelettes)やマーサ&ザ・ヴァンデラス(Martha and the Vandellas)が先行してヒットを連発しており、スプリームスはその後塵を拝する立場にあった。本作に収められた楽曲群は、50年代的なガール・グループのドゥーワップや初期R&Bの泥臭さを色濃く残しながらも、モータウンが目指していた洗練されたポップ・ソウルへの過渡期を象徴している。
スモーキー・ロビンソン作の叙情的なバラード「Your Heart Belongs to Me」や、ベリー・ゴーディ作の軽快な「Let Me Go the Right Way」など、ファンク・ブラザーズのタイトな演奏をバックに、若き3人の瑞々しいアンサンブルが響き渡る。
後世への評価と位置づけ
発売当初は全米アルバム・チャートへのランクインを果たせず、シングルも「Your Heart Belongs to Me」がBillboard Hot 100で95位、「Let Me Go the Right Way」が90位(R&Bチャート26位)にとどまるなど商業的には苦戦した。しかし、後のホーランド=ドジャー=ホーランド(H-D-H)による黄金時代へ至る試行錯誤のプロセスと、3人の生々しい歌唱の魅力をダイレクトに伝える初期モータウンの重要盤として、現在も高く評価されている。
トラックリスト
- A1 Your Heart Belongs To Me
- A2 Who's Lovin' You
- A3 Baby Don't Go
- A4 Buttered Popcorn
- A5 I Want A Guy
- B1 Let Me Go The Right Way
- B2 You Bring Back Memories
- B3 Time Changes Things
- B4 Play A Sad Song
- B5 Never Again
- B6 (He's) Seventeen
動画プレイリスト
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Your Heart Belongs To Me (Stereo Version)
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Who's Lovin' You (Stereo Version)
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Baby Don’t Go (Stereo Version)
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Buttered Popcorn (Mono Version)
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I Want A Guy (Stereo Version)
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Let Me Go The Right Way (Stereo Version)
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You Bring Back Memories (Stereo Version)
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Time Changes Things (Stereo Version)
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Play A Sad Song (Stereo Version)
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Never Again
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He's Seventeen (Stereo Version)
このアーティストについて
The Supremesは、アメリカのソウル/R&Bグループだ。1960年代から1970年代にかけて録音活動を行い、Motownを代表する女性ヴォーカルグループとし...
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