Wee - You Can Fly On My Aeroplane (1977)
Wee『You Can Fly On My Aeroplane』
オハイオ州コロンバス出身のノーマン・ホワイトサイド率いるWeeが、1977年にOwlレーベルから残した唯一のスタジオ・アルバムが『You Can Fly On My Aeroplane』だ。レーベルのメモでは1000枚プレスとされ、地元の自主レーベルから少数だけ出た作品として、当時の流通規模の小ささがそのまま記録されている。
制作背景・エピソード
この作品では、ホワイトサイドが作詞、作曲、アレンジ、プロデュースを一手に担った。録音ではARPシンセサイザー、フェンダー・ローズ、ドラムマシン、ファルセット・ボーカルが使われ、宅録に近い親密な環境で作られたと伝えられている。バンド名義ではあるものの、制作の中心にいたのはホワイトサイドで、作品全体の輪郭もその個人作業の延長にある。
収録曲の中では、タイトル曲「You Can Fly On My Aeroplane」や「Alone」がよく取り上げられる。のちに再発盤を出したNumero Groupは、2008年に刑務所にいたホワイトサイドを探し当て、原盤ライセンス契約を結んで再発を実現した。ここで初めて、1977年のオリジナル盤が持っていた音源が広く流通することになった。
時代の文脈
1977年のアメリカではディスコが主流だったが、このアルバムはその中心からは離れた場所で作られた。アープ・シンセサイザーやフェンダー・ローズを使いながらも、制作規模は小さく、オハイオのローカルな自主制作盤として出ている。スティーヴィー・ワンダーやアイズレー・ブラザーズの名前と並べて語られることはあるが、発売当時は商業的な広がりを持たず、コロンバスのインディー・ソウル作品として埋もれたままだった。
Weeは1974年から1978年まで活動したアメリカのソウル・グループで、このアルバムはその活動期の中で残されたスタジオ作品。ノーマン・ホワイトサイド、Bimbo Brown、Spanky Jones、Benji Harris、Victor Martinといった名前がグループの在籍者として記録されているが、この作品の制作で誰がどこまで関わったかは、ホワイトサイド主導という点がはっきりしている。
後世への影響
2008年のNumero Groupによる再発以降、この作品はレア・ソウルの文脈で再び注目されるようになった。とくに大きかったのは、Kanye Westが2013年の『Yeezus』収録曲「Bound 2」で、「Aeroplane (Reprise)」のボーカルとメロディをサンプリング/インターポレーションしたことだ。このクレジットによって、ホワイトサイドはグラミー賞ノミネート曲の共作者として名を連ねることになった。
オリジナルLPは1000枚プレスとされ、現在ではコレクターが追いかける盤として知られている。発売当時は無名だった作品が、再発とサンプリングをきっかけに、ノーマン・ホワイトサイドの名前とともに広く記録されるようになった。
トラックリスト
- A1 You Can Fly On My Aeroplane 6:10
- A2 Leavin' You Alone 3:46
- A3 Put It In Real Good 8:23
- A4 Alone (Reprise) 2:27
- B1 I'm All Changed 3:19
- B2 Alone 4:13
- B3 Find Me, Love Me 4:05
- B4 Try Me 4:44
- B5 Aeroplane (Reprise) 2:44