Aretha Franklin - Soul '69 (1969)
Aretha Franklin 1969

Aretha Franklin - Soul '69 (1969)

Jazz Funk / Soul Soul

Aretha Franklin『Soul '69』

1969年にアトランティック移籍後のアレサ・フランクリンが発表した14作目のスタジオ・アルバム。録音はニューヨークのAtlantic Studiosで行われ、1968年4月の『Aretha Now』期に録った2曲と、同年9月の5回のセッションがまとめられている。プロデュースはジェリー・ウェクスラーとトム・ダウド、編曲はアリフ・マーディン。ダウドはこの作品で共同プロデューサーに格上げされ、アレサ自身も編曲面で意見を出していたとされる。

制作背景・エピソード

本作は、ウェクスラーがアレサをジャズ・ビッグバンドの前に立たせる方向で進めた企画として知られている。アルバム名は当初『Aretha's Jazz』にしたいという案があったが、アトランティックでジャズを担当していたネスヒ・アーティガンが反対し、投票で『Soul '69』に決まった。当時アレサは夫テッド・ホワイトとの結婚生活が破綻しかけており、ウェクスラーは「彼がいなかったことで、彼女はもっと主導権を握れるようになった」と語っている。参加ミュージシャンも大がかりで、ロン・カーター、ケニー・バレル、ジョー・ザヴィヌル、ジュニア・マンス、デヴィッド・“ファットヘッド”・ニューマン、ペッパー・アダムス、フランク・ウェス、スヌーキー・ヤング、ジョー・ニューマン、アービー・グリーンらがクレジットされている。ソウル側からはキング・カーティスや、マッスル・ショールズのリズム隊、スプーナー・オールダムらも加わった。

選曲はブルースとジャズ寄り。「Today I Sing the Blues」は、1960年のデモがジョン・ハモンドの目に留まり、アレサがコロムビアと契約するきっかけになった曲で、この録音では本人がピアノも弾いている。「Ramblin'」と「Pitiful」はビッグ・メイベルのナンバー、「So Long」はアトランティックでルース・ブラウンがヒットさせた1940年の曲、「I'll Never Be Free」はダイナ・ワシントンの録音から取ったとみられる。「Bring It On Home to Me」はサム・クック、「Tracks of My Tears」は、アレサの幼なじみのスモーキー・ロビンソンが書いたミラクルズのヒット曲。さらに「Gentle on My Mind」と「Elusive Butterfly」は、ウェクスラーの反対を押し切ってアレサが持ち込んだ曲だった。

時代の文脈

Rock and Roll Globeのミッチェル・コーエンは、『Aretha Now』までのヒット路線が予定調和になりつつあった中で、本作が「彼女に思い切り歌う許しを与えた」と書き、流行をほとんど気にしない「時代から外れた」作品と評した。結果としてヒット・シングルは生まれず、アトランティック時代のアルバムとしては初めてBillboardの総合アルバム・チャートでトップ10を逃した(最高15位)が、R&Bアルバム・チャートでは1位を記録している。

Rolling Stoneのスタンリー・ブースは1969年の時点で、この作品をブルース、より正確にはジャズ・ブルースのアルバムとして捉え、「ここ5年で出たレコードの中で、おそらく最高の1枚」と書いた。コーエンは、ポップな曲のカバーについて、アレサには「ビリー・ホリデイのように、くだらなさを救い出す不思議な力」があると評している。

後世への影響

本作は、アレサが一流のジャズ奏者を従えたジャズ・ブルース歌手としての姿を記録した最後の作品ともされる。その後、この種の企画に彼女が再び取り組むことはなかったという。長く見過ごされてきた作品としても扱われ、リッチー・アンターバーガーは60年代アレサの「最も見過ごされているアルバム」のひとつと呼んでいる。

1984年には、本作からの5曲と1973年のクインシー・ジョーンズとの録音3曲をまとめた編集盤が、ウェクスラーが当初つけたかった『Aretha's Jazz』の題で登場した。長く廃盤だった本作は、1990年代にライノからCDで再発されている。シングル「Tracks of My Tears」はR&Bチャート21位、ポップ・チャート71位を記録している。

この盤について

オリジナルはAtlanticのSD 8212。ラベルの「CT」とランアウトの「T」はColumbia-Terre Hauteプレスを示し、ランアウトはほぼスタンプで、一部の「T」と「1」はエッチング。

トラックリスト

  1. A1 Ramblin' 3:07
  2. A2 Today I Sing The Blues 4:22
  3. A3 River's Invitation 2:38
  4. A4 Pitiful 3:01
  5. A5 Crazy He Calls Me 3:24
  6. A6 Bring It On Home To Me 3:39
  7. B1 Tracks Of My Tears 2:53
  8. B2 If You Gotta Make A Fool Of Somebody 3:06
  9. B3 Gentle On My Mind 2:26
  10. B4 So Long 4:33
  11. B5 I'll Never Be Free 4:11
  12. B6 Elusive Butterfly 2:44

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Aretha Franklin

Aretha Franklin

Aretha Franklinは、アメリカのシンガー、ピアニスト、ソングライターだ。ジャンルはFunk / Soul、スタイルはSoulとして知られている。1942年3月25日...

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