Blondie - Blondie (1977)
Blondie 1977

Blondie - Blondie (1977)

Rock New Wave

Blondie『Blondie』(1977)

1976年末に米Private Stockから発売された後、契約を買い取った英米Chrysalis Recordsより1977年秋に再発されたブロンディ(Blondie)の記念すべきデビュー・アルバム。ニューヨークのパンク聖地「CBGB」で頭角を現した彼女たちが、60年代ガールズ・ポップの甘美なメロディとサーフ・ロック、そしてパンクの性急なビートを鮮烈に融合させた、初期ニューウェイヴ/パワー・ポップの決定的一作である。

制作背景・エピソード

バンドの中核を担うデビー・ハリー(Vo)とクリス・スタイン(G)を中心に、クレム・バーク(Ds)、ジミー・デストリ(Key)、ゲイリー・ヴァレンタイン(B)の5人で制作。プロデュースを務めたのは、1960年代にジ・エンジェルス「My Boyfriend's Back」の共作やザ・ストレンジラヴズで活躍した名匠リチャード・ゴッテラー(Richard Gottehrer)である。

代表的な先行シングル「X Offender」は、元々「Sex Offender(性犯罪者)」という扇情的なタイトルだったが、ラジオでの放送禁止を避けるためにレーベル側の意向で改題された逸話を持つ。60sガール・グループのきらびやかなハーモニーと、CBGB仕込みのざらついたガレージ・パンクが見事に結晶した。

時代の文脈

1970年代中盤のニューヨーク・イースト・ヴィレッジでは、ラモーンズ、パティ・スミス、トーキング・ヘッズ、テレヴィジョンらが集い、NYパンク/ニューウェイヴが爆発的な産声を上げていた。ニヒリズムや暴力的な衝動を前面に出すバンドが多かった中で、ブロンディはシャングリラスやロネッツといったブリル・ビルディング系ガール・ポップ、サーフ・ミュージック、B級ホラー映画のキッチュなテイストを堂々とポップに昇華。危険なストリートの空気感を漂わせながらも、抜群にキャッチーなフックを持った先駆的ポップ・パンク像を提示した。

サウンド・聴きどころ

ジミー・デストリの弾くファルフィッサ・オルガンのレトロでサイケデリックなトーンと、クリス・スタインの鋭利なギター・リフ、そしてクレム・バークの圧倒的な手数の多さで前へ前へと突っ走るドラミングがバンドの強力なエンジンとなっている。疾走感あふれるパワー・ポップ「X Offender」、オールディーズ直系の甘美なドゥーワップ・バラード「In The Flesh」、辛辣なゴシップ精神を毒気たっぷりに歌う「Rip Her To Shreds」、B級特撮パロディのような「The Attack Of The Giant Ants」まで、多彩な音楽的引き出しとユーモアが全編に溢れている。

後世への影響

プラチナ・ブロンドヘアに古着をまとったデビー・ハリーのクールでアイコニックなビジュアルとボーカル・スタイルは、ロック界における女性フロントパーソンの地位を根本から刷新。マドンナをはじめ、ザ・ゴーゴーズ、ノー・ダウトのグウェン・ステファニー、ヤー・ヤー・ヤーズのカレン・Oに至るまで、後進の女性アーティストたちに絶大な影響を与えた。「Rip Her To Shreds」や「In The Flesh」などは、パンクの衝動と大衆ポップの完璧な折衷例として現在も数多くのバンドにカヴァーされ続けている。

評価・チャート

発売当初のアメリカ本国では目立った商業的成功を収められなかったものの、オーストラリアの音楽番組『Countdown』で「In The Flesh」が誤って放映されたことから火がつき、オーストラリアのシングル・チャートで2位を記録する異例の大ヒットを達成。この反響を機にChrysalisへの移籍と世界規模での再発売(全英75位)が実現し、翌年以降の『Parallel Lines』による世界的大ブレイクへの決定的な足がかりとなった。初期パンク/ニューウェイヴの瑞々しい初期衝動を封じ込めたエヴァーグリーンな名盤である。

トラックリスト

  1. A1 X Offender 3:11
  2. A2 Little Girl Lies 2:04
  3. A3 In The Flesh 2:26
  4. A4 Look Good In Blue 2:56
  5. A5 In The Sun 2:40
  6. A6 A Shark In Jets Clothing 3:35
  7. B1 Man Overboard 3:20
  8. B2 Rip Her To Shreads 3:20
  9. B3 Rifle Range 3:37
  10. B4 Kung Fu Girls 2:29
  11. B5 The Attack Of The Giant Ants 3:20

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Blondie

Blondie

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