Bobby Caldwell - Carry On (1982)
Bobby Caldwell『Carry On』
ボビー・コールドウェルが1982年にPolydorから発表した通算3作目のスタジオ・アルバム。前2作を出したTKレコーズの倒産に伴い、ポリドールへ移籍して制作された作品で、本人が初めて単独プロデュースを手がけている。タイトル曲を含む本作は、コールドウェルのキャリアの中でも制作体制が大きく変わった時期の一枚として位置づけられる。
制作背景・エピソード
録音はロサンゼルスで行われ、当時の西海岸を代表するセッション・ミュージシャンが多数参加した。TOTOからはスティーヴ・ルカサー、ジェフ・ポーカロ、スティーヴ・ポーカロ、デヴィッド・ペイチが加わり、タワー・オブ・パワーのホーン・セクションやジェリー・ヘイ、デイヴィッド・ウィリアムス、ニール・スチューベンハウス、ジミー・ハスリップらも名を連ねる。ストリングス編曲にはジェームズ・ニュートン・ハワードやマーティ・ペイチ、マスタリングにはバーニー・グランドマンが関わっている。
コールドウェル自身はヴォーカルだけでなく、ギター、キーボード、シンセサイザー、マリンバ、ヴィブラフォンも担当した。収録曲の「Jamaica」は、前年(1981年5月)に亡くなったボブ・マーリーへの追悼・オマージュとして捧げられた楽曲として知られている。
時代の文脈
1980年代初頭はMTVの登場やニューウェイヴ、シンセポップへの移行が進んでいた時期だが、『Carry On』は1970年代後半のウェストコーストAORの洗練を引き継ぐ作品として語られている。前作までを支えたレーベルが倒れ、移籍先で作られたという経緯も含めて、コールドウェルのキャリアの節目にあるアルバムだ。
日本では『シーサイド・センチメンタル』という邦題とリゾート感のあるアートワークで紹介され、AORブームの中で強い支持を集めた。収録曲では「All of My Love」がシングルとして全米ビルボードHot 100で77位、R&Bチャートで67位を記録している。
後世への影響
とくに「Jamaica」は、涼しげなアコースティック・ギターのカッティングと甘美なファルセット・ヴォーカルが印象的なアーバン・リゾート・チューンとして、AORやシティポップ、バレアリック、ヨット・ロックのリスナーやDJから定番クラシックとして愛され続けている。日本盤CDやリマスター盤のリイシューも幾度となく行われており、2023年3月にボビー・コールドウェルが逝去した際にも、彼の黄金期を象徴する重要作のひとつとして改めて大きな賛辞が寄せられた。
トラックリスト
- A1 All Of My Love 3:29
- A2 Sunny Hills 4:26
- A3 Loving You 3:40
- A4 Words 4:30
- B1 Catwalk 4:45
- B2 Jamaica 5:02
- B3 You Belong To Me 3:12
- B4 Carry On 3:56
動画プレイリスト
このアーティストについて
Bobby Caldwell(ボビー・コールドウェル)は、1940年代末から70年代、80年代のソウル/AORシーンで存在感を残したアメリカのシンガー、ソングライタ...
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