The Temptations - The Temptations Sing Smokey (1965)
The Temptations 1965

The Temptations - The Temptations Sing Smokey (1965)

Funk / Soul Soul

The Temptations『The Temptations Sing Smokey』

1965年2月にGordyから発表された、The Temptationsの重要作。タイトル通り、Smokey Robinsonが作曲、共作、プロデュースに深く関わった楽曲だけでまとめられたアルバムで、Motown黄金期の空気がそのまま詰まった一枚になっている。The Temptationsは1960年代のMotownを代表する男性ヴォーカル・グループで、緻密なハーモニーと、曲ごとに表情を変えるリード・ヴォーカルの使い分けで存在感を強めていった。本作は、そのグループの持ち味が最もわかりやすく出た初期の代表作のひとつとして扱われている。

Smokey Robinson作品をThe Temptationsが歌う意味

このアルバムの核は、Smokey Robinsonの楽曲群をThe Temptationsが再解釈している点にある。SmokeyはThe Miraclesの中心人物であると同時に、Motownの重要なソングライター、プロデューサーでもあった。本作では、The Temptations自身が先に録音した曲だけでなく、The MiraclesやMary Wellsのために書かれた曲も取り上げられている。たとえば「You’ve Really Got A Hold On Me」や「You Beat Me To The Punch」など、すでに別の形で知られていた楽曲を、Temptationsの5声ハーモニーで組み替えているのが面白いところだ。

同時代のMotown作品の中でも、この盤は“作家の色”がかなりはっきりしたアルバムとして聴ける。個々の曲がバラバラに並ぶのではなく、Smokeyのメロディと歌詞の運びが軸になって、作品全体の流れを作っている。R&Bのアルバムというより、Motownの制作体制そのものを一枚に閉じ込めたような内容だ。

リード・ヴォーカルの配置が見どころ

収録曲の中では「The Way You Do The Things You Do」をEddie Kendricksが歌い、「My Girl」と「It’s Growing」ではDavid Ruffinが前面に出る。ここでのDavid Ruffinの声は、のちのTemptations像を決定づけるものとして重要だ。少しざらついた質感を持ちながら、旋律の流れをはっきりつかむ歌い方で、グループのハーモニーの中でも輪郭がくっきりする。「My Girl」は特にその代表で、後に彼らの代名詞になるのも自然な流れに感じられる。

一方で、Eddie Kendricksの軽やかなリードもこの時期のTemptationsには欠かせない。声質の違うメンバーが曲ごとに役割を分けることで、アルバム全体に単調さが出にくい。The Temptationsが1960年代に強い印象を残した理由のひとつが、このリードとコーラスの分業にあることが、この盤でもよくわかる。

「My Girl」を含む初期代表曲の定着

先行シングル「My Girl」はBillboard Hot 100で1位を獲得し、The Temptationsにとって初の全米1位となった。アルバムもBillboardの総合アルバム・チャートで35位、R&Bアルバム・チャートで1位を記録している。R&Bアルバム・チャートでは長く首位に留まり、18週1位を記録したとされる。Motownの1965年を語るうえで、このアルバムの存在はかなり大きい。

「My Girl」は甘いラブソングとして広く知られているが、単に親しみやすいだけの曲ではない。低音の支え、コーラスの入り方、リードの押し出しがきっちり設計されていて、Motownの制作水準の高さがそのまま表れている。シングルとしての成功と、アルバム全体の完成度が重なっている点も、この作品の特徴だ。

Gordy盤としての初出

本盤はUSのGordy GS 912。ジャケットの表面と背にはS-912、レーベルにはGS 912の表記がある。GordyはMotown傘下の主要レーベルで、1960年代のR&Bやソウルの中心的なカタログを担っていた。本作もその初期デザイン期のGordy盤として出ており、当時のMotown作品らしい統一感のある仕様になっている。

The Temptationsにとっては、後のDavid Ruffin時代の決定打を準備する作品であり、同時にSmokey Robinsonの作家性を強く印象づける一枚でもある。The MiraclesやMary Wellsの録音と並べて聴くと、Motown内部で楽曲がどう循環し、別のグループの声でどう生まれ変わるかが見えてくる。1965年のソウル・アルバムとして、楽曲、歌唱、制作の三つがきれいに揃った内容だ。

トラックリスト

  1. A1 The Way You Do The Things You Do 2:35
  2. A2 Baby, Baby I Need You 2:33
  3. A3 My Girl 2:53
  4. A4 What Love Has Joined Together 2:55
  5. A5 You'll Lose A Precious Love 2:25
  6. A6 It's Growing 2:37
  7. B1 Who's Lovin' You 2:55
  8. B2 What's So Good About Goodbye 2:36
  9. B3 You Beat Me To The Punch 2:43
  10. B4 Way Over There 3:00
  11. B5 You've Really Got A Hold On Me 2:58
  12. B6 (You Can) Depend On Me 2:31

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

The Temptations

The Temptations

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