Gladys Knight & The Pips - Neither One Of Us (1973)
Gladys Knight And The Pips 1973

Gladys Knight & The Pips - Neither One Of Us (1973)

Funk / Soul Funk Soul

Gladys Knight & The Pips『Neither One Of Us』

Gladys Knight & The Pipsが1973年3月にSoul Recordsから発表した通算9作目のスタジオ・アルバム。モータウン在籍時の最後のスタジオ・アルバムでもあり、同年の移籍劇の渦中で世に出た作品として知られている。タイトル曲「Neither One Of Us (Wants To Be The First To Say Goodbye)」を中心に、グループの代表作として語られる一枚だ。

制作背景・エピソード

本作の核になっているのは、カントリー・ソングライターのジム・ウェザリーが書いた「Neither One Of Us (Wants To Be The First To Say Goodbye)」。この曲が、グラディス・ナイト&ザ・ピップスにとってモータウン時代最大のポップ・ヒットにつながった。また、このジム・ウェザリーとの出会いが、直後のブッダ・レコーズ移籍第1弾メガヒット「Midnight Train to Georgia(夜汽車よ!ジョージアへ)」の誕生へと直結することになる。

プロデュースにはタイトル曲を手がけたジョー・ポーターのほか、ジョニー・ブリストル、クレイ・マクマレーが参加。モータウンの制作陣が揃ったアルバムで、グループの持ち味であるヴォーカル・アンサンブルと、レーベルの演奏陣による一体感が前面に出ている。カバー曲も含まれており、ビル・ウィザースの「Who Is She (And What Is She To You)」、スティーヴィー・ワンダーの「For Once In My Life」などが収められている。オリジナル盤のジャケットでは、アーティスト名にエンボス(浮き彫り)加工が施された仕様となっていた。

時代の文脈

1973年は、モータウン本社がデトロイトからロサンゼルスへ移った後の過渡期にあたる。本作はそのタイミングでリリースされ、レーベル内の体制が大きく変わる中に置かれていた。グラディス・ナイト&ザ・ピップス自身も、ダイアナ・ロスやジャクソン5、スティーヴィー・ワンダーへのプロモーション集中に冷遇を感じ、移籍を決めた背景がある。

アルバム全体は、洗練されたノーザン・ソウルから、より深い70年代初頭のサザン・ソウル/カントリー・ソウル、ニューソウルの要素を混ぜた内容となっている。タイトル曲のほか、「Daddy Could Swear, I Declare」や「Who Is She (And What Is She To You)」も含め、バラードとファンク寄りの曲が並ぶ構成だ。グラディス・ナイトのリードとザ・ピップスのコーラスが軸になり、モータウンの演奏陣と合わさった形でまとまっている。

チャート面では、アルバムがBillboard R&Bアルバム・チャート1位、Billboard 200で9位を記録。「Neither One Of Us」はBillboard Hot 100で2位、R&Bチャートで1位を記録し、「Daddy Could Swear, I Declare」もR&Bチャート2位、Hot 100で19位まで上がっている。

サウンドの特徴と聴きどころ

グラディス・ナイトの圧倒的な声量と情感あふれるハスキーなリード・ヴォーカル、そしてザ・ピップスによる完璧なコーラス・ハーモニーが最大の魅力だ。ストリングスとピアノが美しく涙を誘うタイトル曲のドラマティックな構成はもちろん、「Daddy Could Swear, I Declare」での泥臭くタフなファンク・グルーヴ、「Who Is She」での妖艶な表現力や、スティーヴィー・ワンダーの「For Once In My Life」をディープ・バラードへと昇華させた歌唱など、実力派ヴォーカル・グループとしての底力が凝縮されている。

後世への影響

タイトル曲「Neither One Of Us」は、1974年の第16回グラミー賞で「最優秀ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス(デュオ/グループ)」を受賞している。ソウルとポップの両方で扱われる楽曲として長く残り、後年のR&Bやネオ・ソウルの歌い手にも歌い継がれている。

アルバム単位でも評価が高く、特に「Who Is She (And What Is She To You)」や「For Once In My Life」、「Daddy Could Swear, I Declare」などが、70年代ソウルの重要作として挙げられている。モータウン末期のグラディス・ナイト&ザ・ピップスを語るうえで、外せない一枚となっている。

トラックリスト

  1. A1 Neither One Of Us (Wants To Be The First To Say Goodbye) 4:15
  2. A2 It's Gotta Be That Way 4:32
  3. A3 For Once In My Life 4:00
  4. A4 This Child Needs Its Father 3:15
  5. A5 Who Is She (And What Is She To You) 4:12
  6. B1 And This Is Love 3:21
  7. B2 Daddy Could Swear, I Declare 3:42
  8. B3 Can't Give It Up No More 3:38
  9. B4 Don't It Make You Feel Guilty 3:15

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Gladys Knight And The Pips

Gladys Knight And The Pips

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