James Brown - I Got You (I Feel Good) (1966)
James Brown 1966

James Brown - I Got You (I Feel Good) (1966)

Funk / Soul Soul

James Brown『I Got You (I Feel Good)』

「ゴッドファーザー・オブ・ソウル」「ミスター・ダイナマイト」と称され、黒人ポピュラー音楽の構造を根底から覆した不世出の巨人、James Brown(ジェームス・ブラウン)。1965年にリリースされたシングル「I Got You (I Feel Good)」は、全米ビルボードHot 100で最高3位(JBのキャリア最高位タイ)、R&Bチャートで6週連続1位という特大のクロスオーバー・ヒットを記録した。その社会現象的な熱狂を受け、名門King Recordsが1966年1月にリリースした代表作が本作『I Got You (I Feel Good)』である。同曲が劇中歌としてフィーチャーされたビーチ・コメディ映画『スキー・パーティー(Ski Party)』でのパフォーマンスとともに、JBの存在を世界的なポップ・アイコンへと押し上げた記念碑的一枚である。

制作背景・エピソード

表題曲「I Got You (I Feel Good)」は、もともと1964年に別アレンジで録音されていたものの、当時のレーベル・オーナーであるシド・ネイサンとの契約摩擦などで発売が見送られていた。その後、1965年5月6日にマイアミの名門クリテリア・スタジオ(Criteria Studios)にて名手マック・エマーマンのエンジニアリングのもと再録音。JB自身の指揮のもと、音楽監督ナット・ジョーンズ(Nat Jones)による電撃的なホーン・アレンジと、名サックス奏者Maceo Parker(メイシオ・パーカー)の咆哮するアルト・サックス・ソロが組み合わされ、歴史的テイクが完成した。

1960年代のジェームス・ブラウンは主にシングルの爆発力でシーンを牽引していたため、本作は最新のメガヒット「I Got You」を核に、1960年代初頭から中盤にかけてKing Studiosなどで吹き込まれた珠玉のキラー・トラックを惜しみなくコンパイルした、当時のJBのベスト盤的性格も帯びた贅沢な構成となっている。

時代の文脈

1965年から1966年にかけての時期は、R&Bやソウルが「ファンク(Funk)」という新たな音楽言語へと劇的な跳躍を遂げたポピュラー音楽史の分水嶺である。同年に発表された「Papa's Got a Brand New Bag」と本作「I Got You (I Feel Good)」において、JBはそれまでのブルース進行の因習を打ち破り、小節の第1拍(On The One)に強烈なアクセントを置く画期的なリズム理論を確立した。管楽器やギターをメロディ楽器から「打楽器」へと転換させ、シャウトとポリリズムを極限まで先鋭化させたこの革新は、モータウンやスタックスとは一線を画すストリートの漆黒のグルーヴを具現化した。

サウンドと聴きどころ

冒頭の雄叫び一発でリスナーを異次元の熱狂へと引きずり込むタイトル曲「I Got You (I Feel Good)」は、メルヴィン・パーカーのタイトなスネア、バーナード・オダムの弾力的なベースライン、ジミー・ノーレンの鋭利なチキン・スクラッチ・ギター、そしてメイシオの躍動するソロが一体となったファンクの設計図そのものである。

さらに本作には、アポロ劇場でのライヴでも観客を失神させた屈指のゴスペル調ディープ・ソウル・バラード「Lost Someone」や、全米の主要都市名を呼び上げながら重厚なビッグバンド・ビートで疾走するインストゥルメンタル/ヴォーカルの名演「Night Train」を収録。加えて、盟友Bobby Byrd(ボビー・バード)率いるThe Famous Flamesの華麗なコーラスが映える初期R&Bの傑作「Think」「Good, Good Loving」、そして後のディープ・ファンクを予見させる超高速のブレイクとタイトなリフが炸裂する「I've Got Money」まで、初期R&Bからファンク開花期へと至るJBの進化のグラデーションが生々しく刻まれている。

後世への影響と評価

本作のタイトル曲「I Got You (I Feel Good)」は、グラミー賞の殿堂入り(Grammy Hall of Fame)を果たし、ローリング・ストーン誌の「史上最も偉大な500曲」にも選出されるなど、アメリカン・ポピュラー・ミュージックにおける最も普遍的なアンセムとして定着した。映画、CM、テレビを問わず「歓喜と生命力の象徴」として半世紀以上にわたり世界中で鳴り響き続けている。

それ以上に重要なのは、本作で完成されたリズムのダイナミズムが、その後のスライ&ザ・ファミリー・ストーン、パーラメント/ファンカデリック、クール&ザ・ギャング、アース・ウインド&ファイアー、プリンス、そしてヒップホップのサンプリング・カルチャー全体を決定づけたという事実である。ファンクという音楽の夜明けを告げた不朽の名盤として、今なお全音楽ファン必聴の一枚である。

トラックリスト

  1. A1 I Got You (I Feel Good) 2:44
  2. A2 Lost Someone 3:05
  3. A3 Night Train 3:45
  4. A4 You've Got The Power 2:40
  5. A5 Love Don't Love Nobody 2:02
  6. A6 Think 2:00
  7. B1 Good, Good Loving 2:15
  8. B2 I Can't Help It (I Just Do-Do-Do) 2:35
  9. B3 I've Got Money 2:30
  10. B4 Three Hearts In A Tangle 3:00
  11. B5 Suds 2:18
  12. B6 Dancin' Little Thing 2:04

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

James Brown

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James Brown(ジェームス・ブラウン、本名James Joseph Brown Jr.)は、1933年5月3日にサウスカロライナ州で生まれ、2006年12月25日にアトランタで逝...

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