Pink Floyd - A Momentary Lapse Of Reason (1987)
Pink Floyd 1987

Pink Floyd - A Momentary Lapse Of Reason (1987)

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Pink Floyd『A Momentary Lapse Of Reason』

1987年に発表されたPink Floydの通算13作目のスタジオ・アルバム。主要ソングライターだったロジャー・ウォーターズの脱退後、デヴィッド・ギルモアとニック・メイスンがバンド存続を決断し、バンド名をめぐる激しい法廷闘争の渦中で制作された作品である。1986年11月から1987年3月にかけて録音され、英国では1987年9月7日にEMIからリリースされた。

制作背景と録音の経緯

制作は当初ギルモアのソロ・プロジェクトとして始動したが、名匠ボブ・エズリンを共同プロデューサーに迎えたことでPink Floydの正式な新作へと発展した。録音の拠点となったのは、テムズ川に係留されたギルモア所有のハウスボート・スタジオ「アストリア(Astoria)」。さらにロンドンのBritannia Row Studiosやロサンゼルスの複数のスタジオが併用された。

本作では『The Wall』制作時にウォーターズから解雇されていた創設メンバーのキーボーディスト、リチャード・ライトが復帰を果たした。ただし法廷闘争の最中であったため、法的リスクを考慮して正式メンバーではなくセッション・ミュージシャン名義でクレジットされている。また、トニー・レヴィン(ベース)をはじめ、ジム・ケルトナーやカーマイン・アピスら腕利きのセッション陣が参加し、ニック・メイスンとともに重厚なリズム・セクションを構築した。

ストーム・ソーガソンによる象徴的なジャケットアートワークは、CGを一切使わず、イングランド北デヴォン州サーントン・サンズの広大な砂浜に約700台もの本物の病院用ベッドを実際に並べて撮影された。

時代の文脈と収録曲

1980年代後半の最新鋭デジタル・テクノロジー、シンセサイザー、シーケンサーを大胆に導入し、70年代のプログレッシヴ・ロックの美学を80年代スタジアム・ロックのスケール感で見事に刷新。ウォーターズ時代の歌詞重視・コンセプト重視の作風から、ギルモアの流麗なメロディとギター・プレイを主軸としたサウンドスケープへの回帰を果たしている。

リードシングルの「Learning To Fly」は、航空機操縦免許を取得したギルモア自身の飛行体験と、新生Pink Floydの再出発を重ね合わせた壮大なアンセム。「One Slip」ではシーケンサーを駆使したタイトなビートが際立ち、「On The Turning Away」では後半にかけて感動的なギターソロが繰り広げられる。そしてアルバムを締めくくる「Sorrow」では、重厚なディストーション・ギターと広大な音響空間の描写によって、ギルモアのキャリア屈指の名演が刻まれている。

チャートと歴史的位置づけ

本作は全英チャート3位、全米ビルボードチャート3位を記録し、世界各国でマルチ・プラチナムを獲得。アルバムに伴う大規模なワールド・ツアーも記録的な動員を達成し(後にライブ盤『Delicate Sound of Thunder』として作品化)、Pink Floydがウォーターズ不在でも不動のメガ・バンドであることを実証した。その後、同年内に法廷闘争も正式に和解へ至り、ギルモア主導によるバンドの存続が法的に確立された。

トラックリスト

  1. A1 Signs Of Life 4:17
  2. A2 Learning To Fly 4:52
  3. A3 The Dogs Of War 6:15
  4. A4 One Slip 5:05
  5. A5 On The Turning Away 5:32
  6. B1 Yet Another Movie 6:00
  7. B1a Round And Around 1:25
  8. B2 A New Machine (Part 1) 1:42
  9. B3 Terminal Frost 6:15
  10. B4 A New Machine (Part 2) 0:39
  11. B5 Sorrow 8:40

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

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