The Jacksons - The Jacksons (1976)
The Jacksons 1976

The Jacksons - The Jacksons (1976)

Funk / Soul Soul Disco

The Jacksons / The Jacksons(1976年)

The Jacksons名義での初アルバムにあたる本作は、1976年11月にリリースされた作品である。もともとJackson 5としてMotownで活動していた兄弟たちが、EpicとPhiladelphia International Recordsへ移籍して最初に出したアルバムで、グループ名も権利の関係でThe Jacksonsへ変更された。つまりこの1枚は、単なる移籍第一弾ではなく、グループの看板そのものが塗り替わった節目の作品でもある。

メンバーはMichael Jackson、Tito Jackson、Randy Jackson、Marlon Jackson、Sigmund Jackson。Jermaine JacksonがMotownに残り、その代わりにRandyが加わった体制での最初の本格的なレコードでもある。Jackson 5時代のモータウン・ポップから一歩離れ、フィラデルフィア・ソウルの文脈に入ったことで、サウンドの輪郭もかなり変わっている。

フィリー・ソウルの制作陣が支えた移籍第一弾

録音はフィラデルフィアのSigma Sound Studiosを中心に、シカゴのParagon Studiosでも行われた。プロデュース面ではKenneth GambleとLeon Huffを軸に、McFadden & Whitehead、Dexter Wansel、Victor Carstarphenらが参加している。演奏にはMFSBも加わっており、いわゆるフィリー・ソウルの制作環境がそのまま持ち込まれた形である。クレジットを追うだけでも、当時のPhiladelphia Internationalの強い制作力が見えてくる。

レコードのクレジットにもある通り、A面・B面の一部のボーカルはParagon Studiosで録られ、マスタリングはFrankford/Wayne Mastering Labsで行われた。US盤のこのあたりの制作背景は、音の立ち上がりやストリングス、リズム隊の輪郭にもつながっている。

自作曲の収録という重要な変化

本作で特に大きいのは、グループが初めて自作曲を収録できた点にある。「Blues Away」と「Style Of Life」はMichael JacksonとTito Jacksonの共作で、Michaelにとっては公式に出版された最初の作曲クレジットとして扱われることが多い。ボーカルはこの2曲だけシカゴのParagon Studiosで録られており、アルバム全体の中でも少し違う手触りを持つ。

この事実は、後のMichael Jacksonの作家性を考えるうえでも重要で、The Jacksons名義に移ったことで、兄弟が演奏・制作の現場により深く関わる流れが始まった作品として位置づけられる。1978年の『Destiny』でその方向性はさらに強まっていく。

代表曲とチャート成績

収録曲の中では「Enjoy Yourself」が大きなヒットになった。Billboard Hot 100で6位、R&Bチャートで2位を記録し、グループにとって約2年ぶりのトップ10ヒットとなった曲である。軽快な展開とコーラスのまとまりが強く、Motown時代の親しみやすさを残しつつ、より洗練された70年代ソウルの空気を持っている。

「Show You The Way To Go」も重要で、米国ではHot 100で28位、R&Bチャートで6位だった一方、全英シングルチャートでは1位を獲得した。The Jacksonsにとって唯一の全英1位曲であり、アメリカ国内の評価とは別に、英国では強い支持を得たことが分かる。「Dreamer」もシングルカットされた。

アルバム本体も、Billboard 200で36位、ソウル・アルバム・チャートで6位、カナダで4位、全英53位を記録し、米国ではゴールド認定を受けている。移籍直後の作品としては十分に存在感のある成績である。

聴きどころと当時の評価

実際に聴くと、Jackson 5時代よりもリズムの置き方が少し大人びていて、ベースとドラムの押し出し、ストリングスの入り方、コーラスの重ね方にフィリー・ソウルらしい整った設計がある。Michaelの歌はすでに中心を担っているが、まだソロのスターとして前に出切る前の、グループの中での推進力がそのまま残っている印象も強い。華やかさだけで押すのではなく、アレンジの流れで聴かせるアルバムである。

発売当時の評価は一枚岩ではなく、AllMusicでは2.5つ星、Robert ChristgauはC+を付けている。とはいえ、結果としてこの移籍は、兄弟が自分たちで曲を書くこと、制作に関わることへ進む足場になった。The Jacksonsという名前の最初の作品として、グループの次の段階を示したアルバムである。

同時代の文脈

1970年代半ばのソウル/ディスコの流れの中で見ると、本作はモータウン的な少年グループのポップさと、Philadelphia Internationalの洗練されたダンス・ミュージックの接点に置かれる。Gamble & Huff周辺の制作、MFSBの演奏、そしてThe Jacksonsの歌唱が重なることで、同時代のフィリー・ソウル作品群の中でも、メジャーなポップ・グループがその文法を吸収した例として聴ける。後のThe Jacksons作品やMichael Jacksonのソロ活動へつながる、重要な出発点の1枚である。

トラックリスト

  1. A1 Enjoy Yourself 3:24
  2. A2 Think Happy 3:08
  3. A3 Good Times 4:57
  4. A4 Keep On Dancing 4:31
  5. A5 Blues Away 3:14
  6. B1 Show You The Way To Go 5:28
  7. B2 Living Together 4:25
  8. B3 Strength Of One Man 3:55
  9. B4 Dreamer 3:03
  10. B5 Style Of Life 3:21

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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