King Crimson - Discipline (1981)
King Crimson『Discipline』――1981年の再始動を刻んだUS盤
King Crimsonの『Discipline』は、1981年にUSで出たアルバムで、同年のオリジナル・リリース。1974年の活動停止から7年を経て、ロバート・フリップ、エイドリアン・ブリュー、トニー・レヴィン、ビル・ブルーフォードの編成で再始動した新生キング・クリムゾンの最初の作品である。タイトルどおり、この時期のバンド名は一度『Discipline』だったが、同年のうちにKing Crimsonへ戻されることになる。
制作背景・エピソード
この作品は、1981年4月30日に「Discipline」名義で初ライブを行った新編成が、同年5月にロンドンのBasing Street Studiosで録音した再始動作。ロバート・フリップは「このバンドのために4年準備してきた」と述べ、さらに「これが一枚だけでも価値がある」と日記に記している。編成はフリップ、ブリュー、レヴィン、ブルーフォードの4人。ブリューはギターと歌を担い、レヴィンはChapman Stickで低音の役割を作り、ブルーフォードはアコースティックと電子パーカッションを担当した。
収録曲については、断片的な会話のサンプリングや、フリップが以前から用いてきた循環的なギター・パターンを発展させたものだと説明されている。制作の中心には、フリップの構想と、ブリューが持ち込んだ感覚があったことがうかがえる。AllMusicのグレッグ・プラトーは、フューチャリスティックなブリューのギターとフリップのテクスチャーが「魔法のように」噛み合ったと評し、「Elephant Talk」「The Sheltering Sky」「Indiscipline」を聴きどころに挙げている。
時代の文脈
当時のキング・クリムゾンは、70年代の重厚なプログレ路線から大きく切り替わった。DGMの説明では、短い曲、奇妙なフック、変拍子、精密なポリリズムが、従来のクリムゾン像を期待した聴き手を驚かせたという。ピッチフォークは、ブリューがピーター・ガブリエルやブライアン・イーノ、Talking Heads周辺で培った感覚を持ち込み、フリップの新しい構想と結びついた点を強調している。
キャリアの流れで見ると、1969年の初期キング・クリムゾン、1974年の『Red』を経ての大きな再定義にあたる作品でもある。80年代版キング・クリムゾンの出発点として扱われ、以後の活動の土台になったアルバムだ。英国オフィシャル・チャートでは最高41位、1981年10月10日付で初登場し、掲載は4週だった。
後世への影響
DGMは本作を「その後のライヴ定番を生んだ」アルバムとして位置づけている。「Elephant Talk」「Thela Hun Ginjeet」「Frame by Frame」「Indiscipline」は、その後のツアーで長く演奏された。さらにDGMは、1979年のTalking Heads「I Zimbra」やフリップの『The Zero of the Signified』との連続性にも触れており、この作品が後続のアート・ロックやニュー・ウェイヴ以後の硬質なギター・アンサンブルへ接続する一枚として扱われている。
なお、1989年以降の再発盤では「Matte Kudasai」のミックスが変更され、Frippertronicsのパートが外されている。ロバート・フリップのウェブ日記によれば、これは彼とブリューが1981年のミックスに満足していなかったためで、30周年盤では1981年版がボーナス・トラックとして収録された。その後の再発も、この構成に従っている。
US盤の記載
このUS盤のスリーブには「Warner Bros. Records Inc. / E.G. Records Ltd.」「Printed In U.S.A.」の表記があり、裏ジャケットには「© ℗ 1981 EG Records Ltd.」「Made in U.S.A.」のクレジット。レーベル面では、全曲が「E.G. Music Inc.-BMI / Editions E.G.-ASCAP」表記となっている。
トラックリスト
- A1 Elephant Talk 4:40
- A2 Frame By Frame 5:05
- A3 Matte Kudasai 3:46
- A4 Indiscipline 4:30
- B1 Thela Hun Ginjeet 6:23
- B2 The Sheltering Sky 8:19
- B3 Discipline 5:00
動画プレイリスト
このアーティストについて
King Crimson(キング・クリムゾン)は、1968年にロンドンで結成されたイギリスのプログレッシブ・ロック・バンドである。ギタリストのRobert Fripp(...
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