Genesis - Live (1973)
Genesis『Live』(1973)
Genesis初の公式ライヴ盤が『Live』。1973年2月の“Foxtrotツアー”中に録音され、当時の5人編成、Peter Gabriel、Tony Banks、Mike Rutherford、Steve Hackett、Phil Collinsによる演奏を収めた作品である。収録は主に英レスターのデ・モンフォート・ホールで行われ、「Return of the Giant Hogweed」だけは前日のマンチェスター・フリー・トレード・ホールで録られたとされる。Pyeのモバイル録音ユニットとエンジニアのAlan Perkinsが担当し、ライヴの記録性が前面に出た内容になっている。
制作背景・エピソード
この盤は、1973年2月のライヴをまとめたものとして制作された。バンドはこの時期、複雑な楽曲構成と演劇的なステージングで注目を集めており、その現場をそのまま切り取る形でアルバム化されている。旧マネージャーのTony Stratton-Smithは、これを新規リスナー向けの“手頃な価格のベスト盤”のようなものとして届ける意図を持っていたとされる。録音場所と日付が明確に残っている点も、この作品の資料性を支えている。
UK盤は初期プレスと後発プレスで見分けがつく。初回のUKカバーでは背面右側に “This album is dedicated to Richard Macphail who left us April, 1973.” とあり、後発盤では “left us” が “left” に変わっている。さらに背面左側の文言にもスペースの有無で差がある。ラベル面でも、初期のB&C表記から、のちのEMI/Charisma系の仕様へと変化がある。
時代の文脈
1973年のGenesisは、まだ大衆的な大ブレイクの前夜に位置していたが、プログレッシブ・ロックの中でライヴ評価を高めていた時期だった。『Live』は、Gabrielの仮面や語りを含む演出だけでなく、Banks、Rutherford、Hackett、Collinsのアンサンブルがライヴでどう機能していたかを示す記録として残っている。公式ライヴ作としては、後の『Archive 1967–1975』が出るまで、Gabriel期のライヴを記録した重要な資料でもあった。
リリース時のチャートでは、英国で1973年8月11日にチャート入りし、同年10月の月間チャートで22位を記録している。関係者の回想では、廉価盤としての売り出しが『Foxtrot』をしばらく上回る勢いにつながったとも語られている。
後世への影響
のちの再発やリマスターでこの作品の位置づけは繰り返し確認され、1998年の『Archive 1967–1975』では、Gabriel期ライヴの価値が改めてまとまることになった。Rhinoの案内でも、『Live』はGenesisの最初のトップ10アルバムとして扱われている。直接的なカバーやサンプリングの情報は今回の範囲では挙がっていないが、公式ライヴ資料としての役割は、その後のアーカイヴ展開の中で明確になっている。
UK盤のこの初期仕様は、Charismaの“Large Hatter”ラベル期にあたり、マット・スリーヴで出た後、のちのPhonogram流通盤ではラミネート・スリーヴへ移る。録音内容だけでなく、盤の仕様変化まで追えるのが『Live』らしいところである。
トラックリスト
- A1 Watcher Of The Skies 8:25
- A2 Get 'Em Out By Friday 9:05
- A3 The Return Of The Giant Hogweed 8:05
- B1 Musical Box 10:46
- B2 The Knife 9:34
動画プレイリスト
このアーティストについて
Genesisは、1967年にイングランド南東部サリー州ゴダルミングのチャーターハウス校で結成されたロック・バンドだ。メンバーにはピーター・ガブリエル...
Genesis のプロフィール・作品一覧Genesis の他のレビュー
-
Genesis - Genesis (1969)
-
Genesis - Trespass (1970)
-
Genesis - Nursery Cryme (1971)
-
Genesis - Foxtrot (1972)
-
Genesis - Selling England By The Pound (1973)
-
Genesis - The Lamb Lies Down On Broadway (1974)
-
Genesis = ジェネシス - ...And Then There Were Three... = そして三人が残った (1978)
-
Genesis - Invisible Touch (1986)